碧空ー13 (語り部として)

  2016年8月25日 記

 

 今年は71回目の終戦記念日になりました。日本中がオリンピックで湧き返っていたので、どうも、終戦記念日という感慨はかなり希薄であったようです。それは私自身の心でもありました。

 ブラジルのリオで行われたオリンピックも無事に終わりました。
ISに襲撃されることもなく、日本人にとっては大きな成果を挙げて、国民全体が喜びに目を輝かせて、興奮につぐ興奮でした。ほんとうに若い人の力はすばらしい。小さい時から家族に支えられて、その道に邁進してきたのですね。
4年後の東京ではもっとたくさんの花が咲くことでしょう。

乗鞍高原より
朝日を浴びた乗鞍岳 (乗鞍高原より) 2016.6.15 toshi

 今年の8月は特にニュースがたくさんでしたが、一番の重大事は、天皇陛下がお心を発表されたことです。天皇の位を退位したいとの御意向です。「全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが難しくなるのでは」と、私たちには分からないぐらいの多忙な公務を全うするには、年齢的にご無理があるようです。

 「天皇の仕事が全身全霊をもってできないようならば退位したい」というお心です。
私は摂政を設けられたらいいのではと思うのですが、それは誰でも考えることです。
「ご高齢で、大変なご負担をかけているのだから、ゆっくりと休養をしていただきたい」と大方の人は考えています。
私も同じくですが、生前に退位されるのはどんなものかと思います。天皇陛下は最後まで天皇であって欲しいと思っています。

人間が老いていくのは人それぞれでしょうが、私は80歳になって、目に見えてガクッと弱りました。でもまだ気力があったようで人前では元気にふるまっていました。が85歳の現在はその気力がかなり薄れてしまいました。
それは、人間の寿命はそれぐらいのものではないかと思っていたからです。私の父も母も亡くなったのは85歳でした。親の歳までは生きよう、産み育ててくれた親に感謝の意味でもと、ずっとそう思っていました。

巨峰近頃は足が弱って頼りないのです。整形外科では、膝の人工関節の置換手術をしなさいといわれます。遠くの整形の先生にも診てもらいましたが同じこと。そのあたりからずっしりと体力も気力も落ちました。その決心がつかずに痛い足を引きずって、生老病死を味わっているところです。

戦争が終わって71年が経ちました。世の中の有為転変はすさまじい。新聞やテレビのニュースでは、子供を殺す親、親を殺す子など考えられない事件が、あちこちで起こっています。どうしてそんなことになるのでしょうか。
「親に孝に、兄弟に友に、夫婦相和し、朋友相信じ」という教育の根本を教えてもらわなかったから?
戦後の教育によって、個人主義、物質主義が重く社会を支配して、個人にも深く浸透しているからだと思います。

71年という時の流れは、戦争という過去を忘却のかなたの押し流してしまいました。
戦争は理不尽だと訴えても、真実を知るために勉強をしようという人も少ないと思います。
自分の家庭が大事で、そればかりを必死に守っています。戦争のことなど「聞く耳持たぬ」社会になっているのではないでしょうか。無関心になっても仕方がないほどの永い年月が流れたのです。

中国や韓国の態度は、東シナ海を脅かして「尖閣諸島は昔から中国のものだった」とか「慰安婦1人に1千万円もらっても、まだ世界にばらまいた少女の像を撤去しそうにもありません」約束を実行しない恥ずかしさは無いのでしょうか。横暴の極みです。
そして、まだまだ手を緩めませんよ。彼らは。
「北朝鮮のミサイルは日本のどこにでも届くようになった」と北は言っています。

イチジク
イチジク 2015.9.27 toshi

日本の皆様は近隣諸国との関係を心配しないのでしょうか。
憲法9条を廃止しないよう必死になっている人達もいます。なぜ?なぜ?わからない。
「憲法9条があるから70年間戦争をしなくて平和だった」と。なんと単純な。

世界情勢は激変します。隣国との関係も変わります。
国家を守るため、国民を守るため政府は考えています。その時その時を、真剣に対処している為政者の責任はどんなの重いものかと、そのご苦労を推察しています。

隣国に舐められぬよう、日本人は「凜」とした姿勢で、対処しようではありませんか。