−ダイエット話その7「酒の功罪」−
 
さて、小難しい話が続いたので、ここで私自身の話を一つ挟みます。

私自身がダイエットを心がけるにあたり総摂取カロリーとバランスで一番の敵はありがちな「脂質」ではありませんでした。
それは何かというと...

「酒」

飲み方によっては百薬の長ともなり得るアルコールですが過ぎればまさしく毒。
しかもダイエット的にはこれがかなりの厄介さんなのです。

酒飲みは太ると言いますがでは何故酒を飲むと太るのか?
アルコール自体も9kcal/gと脂質と変わらないくらいかなりの高カロリーなので当然と言えば当然ですがアルコールのそれは他のものと大きな違いがあります。
それはアルコールの分解過程で生じるカロリーは糖質などと違い貯蔵できないということ。
カロリーとは即ち熱量の単位でアルコールは分解される過程で純粋に熱量として放出されます。
だから理屈上はアルコールのみを水やお茶等ノンカロリーのもので割ってそれのみ摂取していれば太らないということになりますが現実的にはそうではありません。

実際いくらその時はお酒だけを飲むと言っても私たちは生きている以上糖代謝が主燃料であることは変わりません。
血糖が低い状態でお酒のみを飲み出したとしてもアルコールそのものは血糖を上昇させず、また私たちの本来の燃料である糖代謝の外での話ですからアルコールによる熱放出が終わった時点で他のものを取っていないと低血糖になり・・・つまり、すごくお腹が空きますw
(飲み会終了後のお茶漬けとかラーメンとか妙に炭水化物が欲しくなるのはそのため)

どんなに頑張っても他の栄養素と同時に取ることになりますし、そもそもお酒だけ飲んでいたら身体に悪い上に何より美味しくないですしねw
まあ消毒アルコールとかスピリタスとかごく一部の酒の銘柄を除き殆どのお酒は糖質も同時に含んでいますからそういう仮定は非現実的と言わざるを得ません。
醸造酒よりは蒸留酒の方がアルコール度が高い分材料となる糖質は少ないですから蒸留酒を水などで割って濃度を下げて飲む場合は糖質含有量が低い分だけ低カロリーではありますが。

で、量の比率はどうあれアルコールと糖質を同時に取るとして問題になるのは優先順位です。
アルコールは本来身体的には猛毒です。
それを加水分解する過程で熱量放出と共に有益な効能が得られるわけですがアルコールそのものの状態で血中に留めるのは非常に危険で一刻も早く分解せねばならず、またその過程で問答無用で燃える熱量のため糖代謝よりも優先されます。
つまりアルコールが燃えている間は糖代謝が鈍くなってしまうわけです。
では、その間待たされる糖分はどうなるかというと何時にも増してシコシコと蓄えてくれますw
更に更にアルコールの刺激により消化管の活発化、分解中の肝機能の活性化(量が過ぎると逆にダウン)により消化吸収能力もアップ!それらの機能亢進により当然食欲もアップ!
だから食事の前に食前酒を飲むわけですがダイエット的には非常に迷惑な話なわけです^^;

よって酒と共に糖質や炭水化物を取ることで身体的により太りやすい状況に陥ってしまうわけですからダイエット的には酒は大敵ということになります。

しかし酒飲みは私も含めてその辺みみっちぃですから、どうしても飲みたいならなるべく焼酎やウイスキーなど蒸留酒を割って醸造酒並みの濃度に薄め、肴は炭水化物をひかえ高蛋白低脂肪なものをチョイスすると幾分かはマシでしょうが・・・酒の絶対量を下げるのが一番手っ取り早いんですけどねw
まあ現実的に酒飲みがいきなり禁酒とはなかなかいかないでしょうから日常的に飲む量を如何に減らすか、またそれで満足出来るよう如何に工夫するかでしょう。

因みに私の場合は肝機能検査で一度えらい数値を叩き出してしまったため半強制的に一ヶ月禁酒したら自然に酒に弱くなり量が半減しましたw
これもインスリンの応答性と同じでアルコールを常にとっている人は分解酵素分泌の応答性も良くなるけど、逆にアルコールを取らない期間が長くなると確実に応答性は悪くなるわけですから出来るなら一度やってみて損はないです。
糖質と違ってアルコールは別に必要なものではないですから一時的にゼロにしても何ら身体的に問題はありませんから。

私はこれを切っ掛けに酒量をそれまでの1/2以下に出来ました。
今では前よりも少ない量で良い気分になれるので何か得した気分ですw



その8につづく)