純和風(?)整理棚の製作。(3)

 

本体は出来上がったので、次は引出し、扉などの小物作り〜完成編です。

 

 

● チギリ

 本体が出来上がり、引き扉を作ろうと思ったある日、本体の天板の端の方に、なななんと少しヒビが入っているのを発見。なので、チギリを入れることにしました。

←チギリの材料は、ウォルナットを使いました。

チギリの形にケガキを入れます。

←バンドソーで大まかに切って、ノミで形を整えました。

 

←チギリが出来たところ。

←チギリを入れる箇所に、出来たチギリをあてがって、ケガキを入れます。

 

←ケガキどおりに掘っていきます。まず、ドリルで大まかに穴を開けていって、その後ノミで仕上げました。

←掘れた穴にボンドを入れ、チギリを入れます。

 

←チギリ出来上がりです。

 

● 引き扉

 チギリが出来たところで、晴れて(?)引き扉作りに入ります。

←框の材料はコレ、秋田杉の柾板です。

 

←左の材料から角材にしたところです。

←ホゾ加工が終わって、仮組みをしています。

 

←框はこのように加工しています。

←その理由は、

 写真のように面取りをしたいためです。

 

←組むとこんな感じになります。

←框が組めました。

 見えづらいですが、内側に鏡板を入れる溝を入れています。

 

←鏡板の加工です。

 框の内サイズ+溝の大きさにカットし、周りを框の溝に合うようにしゃくります。

←扉の本組みをして、固定中です。

 

←扉を組んだら、本体の扉用に付けた溝に合うように、扉上下にしゃくりをいれます。

 段差が大きいこっちは上側です。

←そしてこっちが下側です。

 

←扉が本体に付きました。

←本体に取り付けた時の、扉下側の図です。写真の中の“←”のところが少し浮くように、本体の溝よりも少し深めにしゃくります。

 

←こっちは上側の図。(ピンボケですが・・・)

 扉を取り付ける際、扉を上に持ち上げて入れるので、上側も、持ち上げる分の隙間が空くようにしゃくります。

● 扉の引き手

 引き手は、ウォルナット材で作って、扉に埋め込んでみました。

←とりあえず、手を引っ掛けるところを作るべく、材料を適当に切り出し、表面に鉋をかけ、丸溝ビットを取り付けたトリマーでこんな感じに。

 

←使用した、3/8″(9.5mm)丸溝ビットです。

 底が丸くなった溝が掘れます。

←幅、厚みを調整して・・・

 

←半分に割って、2個出来ました。

←更に、裏面をこんな感じにしゃくってみました。

←扉の引き手を付ける箇所にこんな感じに穴を掘り・・・

 

←加工した引き手を埋め込んで完成です。

←こんな感じで出来上がりました。

 ウォルナットで作った引き手はアクセントにもなってけっこう正解!!っと我ながら自画自賛です。_(^^;)

 

● 引出し

 続いて、引出し作りに入ります。

←引出しの箱部分の完成図と組立て図です。

←引出しの底板を作っています。幅の狭い柾板を接いで幅の広い板を作っています。(厚さ6mm程度です)

 

 ところで、板を接ぐ時、(私だけかもしれませんが、)見落としがちなのが、各板の逆目、ならい目を揃えることです。

接いだ後で、板と板との目違いを修正するため、鉋をかけますが、この時、板の目を揃えておかないと逆目ができて痛い目を見ます。 (私はこれで何度泣いたことか・・・)

←実際の引出しの幅よりも広く作っておき、木端を鉋で削ってスムーズに入るように幅を調整します。

 

引出しは桐材を使っています。

←側板4枚を組んでいます。

 

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←底板を下から付けます。

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←本体に合わせて、前面に秋田杉の板を貼りました。

 

←木釘を作って、要所に打ち込んでいきます。木釘は檜で作りました。木釘の上面に出た部分は、胴付きノコで切ります。

 また、底板裏に、空気抜きのための溝を入れます。

引出しが出来ました。

 

(木釘の作り方はこちらを・・・)

● そろそろ仕上げ

←天板周囲を、丸く面取りしました。

もうすぐ完成なのですが、私的にどうしても修正したい(?)(誤魔化したい?)ところがひとつありました。

それは・・・

←天板の中途半端な節です。

 「このままでもこれはこれでいいんじゃないの」という意見もあり、賛否両論(?)だったのですが。

 

でもやっぱり中途半端さがいまいちなので、思い切ってこの部分に小枝を埋め込んで、(中途半端ではない?)節っぽく見せることにしました。

←で、そこら辺で拾ってきた小枝です。

 とりあえず、適当な長さに切りました。

←旋盤で径を見ながら真円になるように削り、長さも調整しました。

 

←板に加工した小枝と同じ径の穴を開け、こんな感じに埋め込みます。

 (穴いっぱい開いてますが、これは練習&試しです)

←いよいよ本番。垂直スタンドを付けたドリルで穴を開け・・・

←穴に接着剤を入れ、加工した小枝を埋め込みます。

 

 ・・・ん〜。なかなかいい感じになりました。

● 塗装

 いよいよ最終仕上げ。塗装です。

 っとその前に、隙間かくし。。どうしても、組んだ箇所に多少(?)の隙間が出来てしまう場合があります。

そこで、“コクソ”と呼ばれる天然素材のパテのようなもの(?)を作って、隙間に埋めて隠します。

 まずは“コクソ”作り。用意するものは、埋める部位と同じ木材のおが屑、ご飯粒、水、以上です。おが屑は、目の細かいふるいにかけて、大きなものを取り除きます。あとは、ご飯粒を潰しながらふるいにかけたおが屑を混ぜ、水を加えてパテのような感じの固さになるように調整し、完成です。右の写真は、杉のおが屑で作った“コクソ”です。

 出来上がったコクソを爪楊枝や、小さなヘラを使って隙間に詰めて、改めて塗装に入ります。

塗装の前準備として、全体に#240程度のサンドペーパーをかけました。

←塗装しない箇所はマスキングテープ&新聞紙で養生します。

 

←塗料は、オスモのノーマルクリアを使いました。

←塗装ができました。

 オスモを二回塗りとしました。

● 完成です!!

←最後に、引出しにツマミを取り付けて、完成です。

←完成記念の写真です。

★この制作で材料を購入させていただいた、「ウッドショップ関口」さんのサイトの、作品例247にこの作品を掲載してもらっています。

 

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