12AT712AU7FM12P8k使用ヘッドホンアンプ製作。

                                                                                                                                                                               

 

木製シャシの製作です

◎寸法&材料

 材料はホームセンターで簡単に買えるという理由で、ポプラの集成材(t13mm)を使いました。寸法はW340H84D236mmにしました。

 ←材料を切り出したところ。

左から天面用、中央の2枚は正面&裏面、右の2枚は側面用。

◎隠し蟻留継

 隠し蟻留継という技法で箱を組んでいきます。

↑角をこのように加工します。

↑左の2つを組むとこうなります。溝は天面を付けるための溝。

◎とりあえず隠し蟻留継完成。

隠し蟻留継がとりあえず完成したので、ためしに組んでみました。・・・まあまあかな。

天面前方の穴は真空管を出す穴、後方はトランス類を出すための角穴を空ける予定。

正面中央の穴にはメーター(電流計)を付ける予定。

ボール盤に自由錐をセットして空けます。

←続いて天面後方の角穴(トランス類を出す穴)を空けます。四隅にドリルで穴を空け、そこからジグソーを入れて四角にくりぬきます。仕上げる寸法よりも少し内側を切っていき、少し小さめにくりぬいた後、ストレートビットをセットしたトリマーで切った面を仕上げます。ジグソーで少し内側をくりぬくのは、この“仕上げしろ”が必要なためです。真空管&電流計用の穴もトリマーでボーズ面取りをしました。また裏面は、入力端子、電源コード類を出すので、長穴を空けました。(仕方は各穴とほぼ同じ)

◎ヘッドホン端子周辺の加工

 ヘッドホン端子をシャシ正面から出す訳ですが、少し工夫をしなければなりません。というのは、材料の厚みです。シャシには、13mm厚の木材を使っているのですが、ヘッドホン端子に切ってある取付け用のタップの部分は13mmもないのです・・・。

 ←とりあえず、アルミの板でブラケットを作ってみました。

・・・とはいえ、板に穴を空けただけですが・・・。

 ←ヘッドホン端子を取り付けるシャシ正面パネル。(裏側です。)赤い印の位置にとりつけます。とりあえず、端子外径の穴が空いています。

 ←作製したブラケットの形にケガキをいれます。ここを掘り込んで、ヘッドホン端子が正面パネルとツライチになるまでブラケットごと落とし込む算段です。また、穴にもう一回り大きい径の段差をつけました。これは、ナットが入るための段差です。フォスナービットというドリルの一種で加工しています。

 ←ヘッドホン端子を落とし込むための加工ができました。・・・少し形が歪になってしまったが・・・。ま、よしとするか。(加工はトリマー&ストレートビットで)

 ↑ためしに取り付けてみました。(固定は短いネジでするつもり)

 ↑正面からみるとこんな感じ。(ちなみに左の穴は電源SW用、右はメーター(電流計)用)

◎のり付け

 各パーツの加工がとりあえず完了しました。・・・まあまあです。

↑各側面(裏側から)

↑各側面(表側から)

天面(表側)

 いよい糊付けです。

 ←この作業が実は木工で一番緊張する作業のひとつです。要所に木工用ボンドを塗り、各パーツを組み立てていきます。(箱を組み立てるだけなので、簡単といえば簡単ですが。)注意すべきは、スコヤをあてがい、角の直角を出すことです。組んだらすかさず、ハタガネ、クランプ類でボンドが乾くまで固定します。あと、はみ出したボンドは乾く前に濡れ雑巾で拭き取ります。

◎仕上げ&塗装です。

 ボンドが乾いたら、目違いを鉋で修正し、角の面取りをします。

 その後、全体に240番位のペーパーをかけ、塗装に入ります。

まず、水性ステインで色をつけ、その上からウレタンニスを塗りました。(どちらも2度塗り)

←塗装の途中。(ステインの色は、“ダークオーク”という名前の色にしました。)

 上面周囲の面取りはトリマー&サジ面取りビットで。

 

 

組み込み〜仕上げです。

◎木製シャシとアルミシャシの合体

木製シャシに、先に作ったアルミシャシを組み込みました。

こう書いてしまうとすんなり組み込めたようですが、組み込む際に少し問題発生。

まあ、たいしたことはないのだが、アルミシャシから既に露出している部品が引っかかってすんなり入ってくれないのだ。

(露出部品は音量調整VRのシャフト、トランス類、ブロックC

そこで、木製シャシの音量調整VRのシャフトが出る穴をかなり大きく広げ、なんとか合体成功。音量調整のツマミを大きいものにすることにしてよしとしよう。

ん〜。正面からみるともうすっかり真空管アンプの面影です。

 

◎配線

 

ここまでくると、もう完成は近い。

部品を取り付ける前に、配線をすませておきます。

写真は配線がだいたい終わったところ。

 何かの本に載っていた、JISによるコードの色分けを参考までに。

用途

接地回路

プレート回路、コントロールグリッド以外の各グリッド回路、正回路

コントロールグリッド

フィラメント、ヒーター、カソード

交流入力回路、正負以外の電源回路、補助回路、負高電圧回路、信号入力・出力回路、制御回路 他

 

 

 

 

 

◎部品実装

 

 

配線が終われば、部品を取り付けていきます。前半で描いた原寸大の図(絵)のとおりに配線及び部品実装を行います。云い換えると、描いた図がいい加減だと、ここでの作業に響いてくるワケです。(配線違い、部品違いなど)

 

(私はいつもいい加減・・・^_^;))

 

廻りのベニヤ板は、アルミシャシと木製シャシを固定するためのものです。

(木製シャシの内側に溝が掘ってあり、ベニヤ板がその溝にはめ込んである。)

 

 

 

◎一応完成&火入れ、動作チェック

 

 

一応完成したので、動作チェックです。とりあえずまだ球は挿さず、電源を入れ、様子を見ます。問題ないようですので、ヒーター電圧の確認をします。整流管及びマジックアイのヒーター電圧は無負荷ですので6.3Vより高く出ます。12AU7及び12AT7のヒーター電圧はLM350Tの電圧調整VRを調整して12.6Vにします。

ヒーター電圧の確認が出来たので、一旦電源を切り、各球を挿し、電源をいれます。しばらく様子をみたところ問題なさそうなので、各部分の電圧をすばやく測定します。

その結果、B電源が若干高いようですので、チョークコイルの次の560Ωを750Ωに変更しました。あとは問題ないようです。

実際音だしをしてみると・・・。いい音で鳴ってくれます。

あとは・・・各特性の測定ができればしたいと思います。

 

回路図 アンプ部(最終)

回路図 電源部(最終)

(↑ 図中電圧値、電流値は測定値)