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とあるリサイクルショップで“不動品”として買った管球ラジオ。 買ったまま数年間保管(放置?)していたのですが、“ここらでちょっと直してみるか・・”と思い立ちました。 さて、結果は・・・? |
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←今回レストアするラジオです。 ナショナル製で、型式は残念ながら記載がないので不明です。木製キャビネットでST管のみで構成されています。たぶん、1950年代初め〜半ば頃のモノではないかと思います。 |
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トランス付き、マジックアイ付きのST管5球スーパーヘテロダインラジオ(含マジックアイで6管)で、使用してある真空管を確認してみると、6W-C5(周波数変換)、UZ-6D6(中間周波増幅)、6Z-DH3A(検波&低周波増幅)、6Z-P1(電力増幅)、KX-80BK(整流)、EZ-6E5(同調指示)というセット。 |
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とりあえず、キャビネットからシャシを取り出してみました。シャシは、キャビネット下面からネジ4個で止めてありましたのでそれを外し、正面のチューニングノブなどのノブ類3個を外すと取り外せました。 |
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←シャシ上面。 ん〜ん。。けっこうなホコリでした。。。 |
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←シャシ下面。 線材の被覆がボロボロ&コンデンサ類が全般的に見た目あやしい。。。 さらに、過去に修理をした形跡がありましたが、小物部品の足に直に配線がハンダ付けされていたりして、いかにもあやしい。 |
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シャシ内部の状態から配線材&コンデンサ類の全交換は必至。ついでに抵抗類も交換するか・・・ さらにシャシ上部を眺めていると・・・アンテナコイル切れてんじゃないの・・? テスタで当たってみると、2次側に導通なし。やっぱり切れている。。ということでアンテナコイルも交換。 そして、チューニングノブとバリコンを連動させる糸が切れているので、糸の掛け直しも必要。 |
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←アンテナコイル。 ○のところで切れています。 |
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とりあえず、切れている、チューニングノブとバリコンを連動させる糸を掛け直すとします。 |
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元々付いていたのは途中で切れていてもう使えそうにないので、別の糸を用意しました。 ホームセンターで、つぼ糸(φ0.6mm)を買ってきました。 さて、困ったことに掛け方がさっぱり分からない。なにしろ、掛け方を記したものが全くない。こうなれば、カンでいろいろ試していくしかない。 その模様はこちら。 |
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←で、三日位試行錯誤して、辿り着いた形がこれ。オリジナルもこの掛け方だったかは不明ですが、一応連動するようになりました。 |
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←使ったつぼ糸です。 本来は建築作業などで長く直線をひく時に使う糸です。 |
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先ずは、シャシに直にビス止めされているパーツの交換です。もしかしたらシャシに取り付け穴を開け直す必要があるかもだったので、先に交換しておこうというという魂胆です。 ・・・とは言っても、交換するのは断線しているアンテナコイルと、ブロックコンデンサだけです。 |
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←写真中の青い←の、円柱形の部品がブロックコンデンサです。20μ/350V、10μ/350V、2μ/350V、5μ/50Vの4個のコンデンサが入っています。 |
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←これは交換するブロックコンデンサ。22μ/500Vが2個入っています。元々付いていたコンデンサとそのまま入れ替えて使えそうなのは見当たらなかったので、元々の20μ/350Vと10μ/350Vの箇所にこれを入れ替えて、あとの2μと5μは個別のコンデンサに交換するとします。 |
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←そしてこれは交換するアンテナコイル。スーパー用のアンテナコイル(430pFバリコン用)です。 ラジオ少年さんで購入しました。 |
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←交換したところ。ブロックコンデンサの取り付け金具のネジ穴を少し広げるだけで、シャシへの加工は無しで取り付きました。 |
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年代の古いモノだし、どこが壊れているか分からない。もし、電源トランスからおかしな電圧が出て、別の部品とか壊れてしまっては一大事です。そこで、電源トランスをシャシから取り外し、単体で通電してみることにしました。 |
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←シャシ内部から見た電源トランスです。 「B 240V 80MA、F 6.3V 1.95A、K 5.0V 0.5A」という表示が見えます。BはB電源(高圧)、Fはフィラメント(ヒーター)、Kは(整流管の)カソードのことだと思います。 |
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←取り外した電源トランス。 上部にヒューズホルダーが取り付いています。“100V”用と“85V”用の2個のヒューズホルダーが付いていますが、これは昔、電力供給事情が不安定だった頃の名残(?)だそうで、電圧の比較的高い地域と低い地域でヒューズの位置を入れ替えて使っていたそうです。 |
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←電源トランスのタップからヒューズホルダーへの配線も換えました。 100Vの位置にヒューズを入れ、通電した結果は、Bタップ間は約280V、Fタップは7V、Kタップは6V程度でした。いずれも無負荷での測定のため、高めに電圧が出ていますが、まあ、妥当なところではないかと思います。 |
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ついでに、上部のカバーを黒のスプレーで塗装しました。・・・まあ、使いかけのスプレーを早く使い切りたかったという理由です。 |
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さて、いよいよシャシ内部に手を入れます。 |
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←いきなりですが、配線の交換がほぼ終わった〜の図。 線色が、元々は黒一色でしたが、真空管時代に使われていたJIS5色色別を取り入れてみました。(完全にではないのですが・・・)手持ちの線の色バリエーションが少ないので。。。
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←電源トランスも取り付けて、配線作業が完全に終わった〜の図。 電源スイッチ兼トーンコントロール用のスイッチ付きボリューム(写真の左上にあるボリュームは交換しました。元々のは、抵抗値見ながらボリューム回すと抵抗値が変な変化の仕方だったので。 その右の、ラジオ/PH切り替えスイッチ兼音量調整用ボリュームは、まだ使えそうなのでこのまま使うことにしました。 |
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あと、元々は線がそのまま引き出されていたアンテナ線を端子に替えました。(上の写真の右下の白と黒の端子です)(黒はGND端子です) |
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←シャシ内部のパーツ類の交換がほぼ完了!!の図。 当時物のパーツと比べると、サイズが非常に小さくなりました。 進歩はスゴイ。 |
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“シャシ内部の部品交換も終わり、あとはスピーカに配線すればいよいよ火入れだな〜。・・・壊れてはいないだろうが一応出力トランスの導通確認をしておくか”とかなんとか思いながら出力トランスの確認をしていると、なななんと一次側に導通がない。・・・何度確認しても導通がない。・・・“こりゃ〜、コイル切れてるな” ということで、交換です。 |
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←スピーカの背中(?)におんぶされているのが出力トランスです。 |
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←手前に写っているのが交換するトランス、ノグチトランスの「PMF-230」です。一次側が5k-7k-12kΩ、二次側が4Ω-8Ωというタップで、一次側の許容電流容量は25mA。で、\1100-というリーズナブルさ。完全にこの用途(ラジオ修理)のために作られたであろうトランスです。 元々のトランスより、サイズが少し小さめ。取り付けネジ穴のピッチも違うようです。“これは何かひと工夫しないと取り付かないか・・・” |
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・・・と思ったのですが、 ←トランスを取り外したスピーカのフレームに、さらにあと2個取り付け穴が。 |
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←この穴を利用し、なんとか取り付きました。 |
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さて、ようやくここまで辿り着きました。初火入れの時です。 |
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←真空管&ダイヤル表示窓の照明用の豆球(6.3V/0.15A)を&ヒューズ(1A)をセットします。ヒューズは1本、100V用ホルダーにのみに入れます。 |
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電源を入れて暫くすると、聴こえてきました、ラジオ放送が。 完全復活です!! |
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◆キャビネット補修編へ続きます◆ |
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