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作業場で何か製作中は、ほぼいつも流しているFMラジオ。 ・・・ある日、ぼ〜っとしていてふと思った。太陽電池で電源が取られれば、電気代¥0。 ・・・素晴らしいではないか〜〜!!っと。 ・・・このよな安直な考えで、“ソーラーFMラジオ作製プロジェクト”が、私の中で始まったのでした。 |
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製作するにあたり、私的に譲れない条件として、 @ “FM”ラジオであること。 (聞くのはFM放送なので) A スピーカを鳴らせるラジオであること。 (作業しながら聞くので、ヘッドホンはダメ) B あまりにも、大型にならないこと。 (狭い作業場に置くので、場所を取ると困ります) C ソーラーで発電した電気で動作すること。 (今回の作製の理由であり、絶対条件です) その他の、“出来るなら”条件として、 @ せっかくなら、ステレオFMであること。 (せっかく作るなら) A せっかくなら、いい音であること。 (好くない音より、好い音の方がいいです) B せっかくなら、トーンコンロールとか付いているほうが。 (音色とか変えられて、面白いです) ・・・と、こんなところでしょうか。
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条件出しをしたところで構成を考えます。 さて、実のところ、絶対条件である“ソーラー発電”で、“スピーカ駆動”を安定的にするのは、かなり無理がある(と思います。)速くも難関です。さて、どうしたものか。としばし悩み、ひとつの案が浮かびました。 其の案とは・・・2次電池併用です。(2次電池とは、充電可能電池のことです。)つまり、回路の駆動は2次電池で行ない、2次電池の充電をソーラー発電で行なうという案です。 このラジオを置く予定の作業場は、週末にしか使わないので、週末以外のウィークディは、陽の当たる窓辺に置いておけば、その間に電池に充電されるという構想です。・・・いざ、充電池が切れた場合に備えて、ACアダプタでも使えるようにしましょう。 FMラジオの回路は、専用のICを使うことにしました。東芝製の“TA8122N”というICを使うことにしました。アンテナ入力からステレオ音声出力までの回路をひとつのパッケージに収めてあるICで、わずかな外付け部品でFMステレオチューナが完成します。 スピーカを駆動させるためのパワーアンプも、専用のICを使うことにしました。新日本無線製の、“NJM2073D”という2回路入り小型パワーアンプICを使うことにしました。 “出来るなら”条件として挙げていたトーンコントロールは、オペアンプのLM324と、CR形トーンコントロール回路を組み合わせて、作ってみたいと思います。 |
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B FMチューナー部 |
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←今回のFMラジオのチューナー部の回路図です。 同調(チューニング)回路にバリコンではなく、バリキャップを使用した回路です。 古い雑誌ですが、“ラジオの製作”1995年7月号で、水島清治さんという方が掲載された回路を基に、一部を変更した回路です。 変更した点はバリキャップ。当時は“1S2236”というバリキャップを使っておられました。が、現在、このバリキャップは入手困難なようです。 さて、難関其のAの発生です。 |
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このバリキャップに替わる代替品を探さねばなりません。水島さん掲載の回路では、バリキャップには0V〜5Vを印加して使用されています。“1S2236”のデータシートによると、0V〜5Vの電圧可変で、端子間容量は約20pF〜9pF可変するようです。 これを踏まえ、同じような特性のバリキャップを探してみると、“FC54M”というバリキャップが目に留まりました。“FC54M”の特性は、印加電圧1Vで端子間容量は約25pF、電圧4Vで容量約8pFです。なんとなく近い特性なようで、大きな回路変更をせず、“1S2236”と交換できそうな気がします。 |
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さて、実際にユニバーサル基板に、回路を組んでみました。 ユニバーサル基板は、一般的な2.54mmピッチではなく、ラジオICの“TA8122N”に合わせて、少し細かい1.778mmピッチの基板を使いました。大きさは95×72mmのモノで、秋月電子通商さんで¥150-で購入しました。・・・ところが、ここでちょっと失敗。間違って、1.27mmピッチの基板を買ってしまった。。。いざ作ろうとしたらICが刺さらなかったので、慌てて買い直しました。 |
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ICソケットも、1.778mmのモノを買いました。 “TA8122N”のピン数は24Pですが、ソケットは28P、しかも、幅もICより広い。ので、ソケットをカットしてダウンサイジング化。写真左のように、ICに合わせてカットして使いました。(写真右は、買ったままの状態のICソケットです) 基板の、ICソケットの上の位置に開いている穴の正体は・・・また、後ほど。。。 |
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←組みあがった、チューナー部です。 電源は、三端子レギュレータで5V得ています。供給源がバッテリー(2次電池)のため、入出力電圧差の低いLDO(ロードロップアウト)レギュレータ(XC6202P502TB)を使いました。 |
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←0.6mmエナメル線で巻いたコイル、L101、L102付近です。 手前に写っている、伏せ状態で付いているのが、7ターンのL101、奥側の縦状態、コア付きのコイルが、6.5ターンのL102です。 さて、ICソケットの上の位置に開けた穴の正体、写真を見ればお分かりでしょう。この穴の位置に、コア付きコイルL102を取り付けます。このコアは、完成した後、調整に使いますが、コアを下方向に移動させた時、基板に当たるのを防ぐための穴です、 |
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←コアは、φ5mmベークボビンTR用のボビンです。私は、サトー電気さんでボビンごと買って、コアのみを使いました。 (最近はもう品薄なパーツかもです。。。(-_-;) |
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←L101は、エナメル線をコアに巻いて、巻き終わった後でコアを抜いて作ります。
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←L102は、コアにエナメル線を巻いた後、縦付けになるように脚を形成します。 (L101、L102とも、ターン数が最終的に決めた巻き数と違ってますけど) |
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なお、バリキャップ、“FC54M”は、“イーエレ”さんで購入しました。“イーエレ”さんではこの他に、抵抗、コンデンサなどのパーツ、セラロック、セラミックフィルタ、ロッドアンテナなどのラジオ特有のなども扱っておられます。 特に、ロッドアンテナはお薦めです。(ロッドアンテナとは、ラジカセなどにFM用のアンテナとしてよく付いている、根元で折りたたみ&何段かに伸縮するアンテナです。)・・・パーツ店で新品を買うと以外に高価なロッドアンテナ。場合によっては¥500−近くします。が、しか〜し、“イーエレ”さんではちょっと安価に¥180−で扱っておられます。しかもモノは決して中古や粗悪品ではありません。根元で折り曲がる他、回転もするのであらゆる角度に調整できるアンテナになっています。これで¥180−はなかなか良心的だと思います。
・・・私は決して“イーエレ”さんの廻し者ではありません。。。(^^;)ゞ |
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←チューナー部から得られた音声信号を、スピーカが鳴らせるレベルまで増幅させる、パワーアンプ部の回路です。音色を変えられるトーンコントロール回路も付け加えました。 TA8122から出力された音声信号は、音量調整用ボリュームを通った後、まずLM324による電圧フォロアで受け、その後、CR形トーンコントロール回路に入り、さらにその後、またまたLM324に入力されて、トーンコントロール回路で減衰した信号を回復させた後、パワーアンプICの“NJM2073D”に入れて、スピーカを駆動させる回路になっています。 |
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←ユニバーサル基板に組みあがった、パワーアンプ&トーンコントロール部です。 こちらも電源は、LDOレギュレータの“XC6202P502TB”を使いました。 |
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D 太陽電池選定。 |
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いちばん重要なパーツのひとつ、太陽電池をどうしようかと、ネットで電子パーツ店を幾つか覗いて、この太陽電池を選びました。 |
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←上に写っているのが表面、下に写っているのが裏面です。 サトー電気さんで扱っておられます。 仕様は、サトー電気さんのサイトに載っているのをそのまま書くと、サイズ:6×10cm、オープン電圧:5V、ショート電流:100mAです。サトー電気さんの実験結果(60W白熱電球接近実験)では、オープン電圧:6V、ショート電流60mAとなっています。今回はこれを2個、直列にして使おうと思います。 現物の状態は、表面はツヤのある透明な樹脂か何かでコーティングしてあって、見た目綺麗です。・・・が、サイズに若干のバラツキがあるようです。 (ま、中国製みたいだしね〜) サトー電気さんのサイトです。“パーツ類のページ”に入って、少し下に送って、真ん中より少し上の方に幾つか太陽電池が載っています。(品番などはないようですが、今回使ったのは“B”というヤツです) |
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E 動作チェック |
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←組みあがった基板、太陽電池、バッテリー等を繋いで、適当なアルミ板でとりあえずのシャシを作り、動作チェックをしてみました。 結果は、いい感じです。写真の、向かって下の位置にある基板、FMチューナー部の基板ですが、その基板の真ん中、少し下の辺りに、赤と緑、ふたつのLEDが光っているのが分かるでしょうか?“あ〜かいキツネと緑のタヌキ♪♪”ではないが、ある程度綺麗に放送が入ると光るLEDと、ステレオ放送が入ると光るLEDです。 FMステレオ放送が、綺麗にスピーカから聴こえてきました。(写真から切れてしまいましたが、写真の上のほうに、赤/黒の平行線が2本、計4本のコードが伸びているのが分かるでしょうか?このコードが、スピーカへと繋がっています。) |
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←ソーラーFMラジオの、全回路図です。 太陽電池に加え、ACアダプタでも駆動、充電が出来るようにしました。 あと、充電ラインに電流計を追加し、充電の様子を確認できるようにしました。メーターの針が振れていれば、充電されているということです。 |
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さてここで、今製作を通して見つけた、私的に“カッコいい!!”と思ったパーツをひとつ、紹介させて下さい。 その逸品パーツとは・・・ ↓コレです!! |
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“NPO法人 ラジオ少年”さんで扱ってらっしゃる、“1:9減速ギア”です。 主に、チューニングダイヤルに使うことが多いパーツだと思います。 構造は、2枚のアクリル板に挟まれたスペースの中に幾つかのギアが組み込まれていて、その両側に軸が出てきています。 名称のとおり、1:9のギア比になっていて、片側の軸を9回転させると、もう片側の軸が1回転します。 |
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つまり、チューニングに使う“バリコン”などの軸の回転速度を、実際に手で回す速度より遅くし、微調整のし易さに貢献します。(今回のラジオではバリコンではなくバリキャップを使っているので、チューニングで回すのは電圧調整用の可変抵抗ですが・・・) (上の写真では、減速ギアの横に、アルミ製のカップリング(バリコンなどを繋ぐための継ぎ手的部品)も写っていますが、これは付属品ではなく、別売品です) |
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ここまで読んでいただきありがとうございます。"(*^^)/″ さて、次はキャビネット作製へと続きます。 “NEXT”をクリックお願いいたします↓ |
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