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電子工作に不可欠な、アルミシャーシ、アルミケースの加工方法を紹介します。(あくまで個人的な方法ですが・・・) |
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既に箱状になっている市販のアルミケース、アルミシャーシ、&プラスチックケースの主な加工は穴あけ加工になると思います。ここでは、そんな穴あけ加工の方法を紹介します。 |
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●目次● |
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穴あけに必要なのが、ドリルとドリルの刃。ドリルは、ハンドドリルでも一応OKですが、電気ドリルのほうが断然効率UP↑。さらにチョッと本格的に、ボール盤なんてあれば、さらに効率UP↑↑。 ドリルの刃は、とりあえず2mm程度から6mm程度の鉄工用のものが数種類、特に、多用するM3ネジの穴あけにφ3.5mmのものと、ちょっと大きめの部品を取り付ける時に使うM4ネジの穴あけにφ4.5mmのドリルは必須。 |
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↑電気ドリル |
↑鉄工用のドリルを使います。 |
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↑ボール盤 |
↑ハンドドリル |
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☆ ここでは、ボール盤を使って穴をあける手順を紹介します。 |
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先ず、穴を空ける箇所にケガキを入れます。 (写真はケガキ針を使っています。) キズを付けたくない場合はマジックなどで。 |
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穴あけの際、ドリルの先端が滑らないよう、センタポンチという道具でクボミをつけます。 |
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←写真は2種類のセンタポンチ。 右はクボミをつける箇所にあてがって、上から金槌で叩くタイプ。木工をされる方は、「釘締め?」と思われるかもですが、センタポンチはクボミができるように先端が尖っています。 左はオートポンチと呼ばれていて、クボミをつける箇所にあてがって、そのまま手で押し付けると、「タンッ」と自動的に先端が飛び出すタイプ。 使い勝手は、オートポンチのほうが断然いいと思いますが、インパクトの微妙な力加減ができないので、(多少はできる構造になってますが)特に材料が薄い場合は要注意でっす。 |
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←センタポンチでクボミをつけたところ。 |
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←ボール盤で穴をあけているところ。 |
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←ドリルで穴をあけると、ほぼ必ず、裏側にバリが出ます。 |
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←あけた穴径より少し太めのドリルでバリをさらえます。 |
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←すると、このように仕上がります。 ここでは使ってませんが、バリ取り専用のドリルも市販されてますので、それを使うとさらにきれいに仕上がるかもです。 |
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ドリルであけた穴の径を広げる道具で、シャーシリーマという道具があります。 (シャーシリーマの他、テーパーリーマとも呼びます) ドリルの径にあまりバリエーションがない場合などに便利です。 が、元の穴があまりに小さい状態から、あまりに大きく広げるにはチト大変です・・・(^^ゞ (出来なくはないですが・・・なにせ手回しなので・・・) 右は、シャーシリーマの写真です。 |
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←使い方は簡単で、写真のようにドリルであけた穴に差し込んで、少し下に押し気味に右回しに回していって、穴を広げます。 |
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大口径の穴をあける方法を、何とおりか紹介します。 まず、シャーシパンチという道具を使う方法です。安全に、大きな穴をあけれますが、材料の厚みはアルミ板で1.5mm程度が限界で、2mm厚の材料となるとキビしいです。 右は、シャーシパンチセットの写真です。写真のようなセットで市販されていて、写真のセットでは、φ16mm、18mm、20mm、25mm、30mmの5サイズの穴をあけれます。 |
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φ20mmの穴をあける手順を紹介します。 先ず、材料の穴をあけたい箇所に、ドリルでφ10mmの穴をあけます(下穴として)。 (φ20mmに関わらず、何φでもシャーシパンチの下穴は10mmをあけます。) |
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←写真中、右はφ20mmのシャーシパンチの刃。 写真中、左はφ20mm用の台輪。 文房具の穴あけパンチと同じ刃の形をしています。この形が穴があけ易いのでしょうか。 |
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←シャーシパンチの構造はこんな感じ。 |
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↓シャーシパンチの使い方はこんな感じです。 |
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←写真のように、材料にあけたφ10mmの穴に、刃と台輪で材料を挟むようにセットします。 |
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←あとは、ハンドル(棒)を手で右回しに回していきます。
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←すると・・・ 下で刃が材料に食い込んで〜。 |
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←更に食い込んで〜〜 |
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←更に更に。 |
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←そして・・・ このように、きれいな穴をあけることができます。 |
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簡単、安全に大径を空ける方法としてシャーシパンチを紹介しましたが、シャーシパンチでは、 ・分厚い材料にはチトきびしい。 ・径のバリエーションが限られていて、空けたい径がない。 といった理由で、使えない場合があります。 こんな時に便利なのが、ホールソーです。木工用と鉄工用がありますが、鉄工用を使います。 ボール盤又は電気ドリルに付けて使います。 |
←鉄工用ホールソー |
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←ボール盤にホールソーを取り付けたところです。材料には、センタポンチでポンチング(?)しています。 |
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←空けている最中の図です。 |
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←ホールソーで、穴が空きました。 |
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ホールソーでも、欲しい径がない場合があります。そんな時便利なのが、自由錐という道具です。これも、木工用と鉄工用があり、鉄工用を使います。 ボール盤に付けて、まるでコンパスのように刃を回転させて使います。 |
←鉄工用自由錐 |
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例として、φ50mmの穴を空けてみましょう。 まず、上の黒い蝶ナットを緩めて、ドリルと刃との距離を50mmの半分の25mmにセットし、蝶ナットを締めます。 竿の部分に、直径寸法に相当する刻印があり、ここを50に合わせると、ドリルと刃との距離は25mmになります。 |
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←ボール盤にセットします。 自由錐は、切削中に傾くと刃を傷めますので、基本的に手持ちの電気ドリルは使わず、ボール盤で使用します。電気ドリルでも、垂直スタンドを使用すれば、使えるかもです。 |
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←切削していきます。 材料には、中央に予めセンタポンチを打っておきます。 注意すべきは、刃が手に当たらないことはもちろんですが、竿も回転するので、特に竿部分が長く出る場合は、竿が手に当たらないことも注意が必要です。材料の固定にクランプなど使用すると安全かもです。 もちろんその場合も、回転させた場合、クランプに当たらないよう、確認が必須です。 |
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←φ50mmの穴が空きました。(右の穴) |
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角穴をあける方法を紹介します。 使う道具は右のようなものです。 |
・直定規 ・細いマジック ・ケガキ針 (これら3つは、ケガキを入れるためのものです。ケガキ針は細い線が引けますが、キズを付けて印にするもので、キズが残って困る場合は細いマジックでケガキます。 ・ドリル (空ける穴の大きさに合わせて、適当なもの) ・ニッパ ・ヤスリ(鉄工用) |
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←先ず、あける穴のケガキを入れます。 |
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←ケガキの内側に、ドリルで連続して穴をあけていきます。 |
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←ドリル加工が終わったところ。 |
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←穴と穴との間を使い古したニッパで切って、穴同士をつなげていきます。 鉄工用の糸ノコか、電動工具のジグソー(鉄工用ブレード)で切ってもいいと思います。 |
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ちなみになぜ使い古したニッパかというと、元々銅線を切るための道具のニッパを、このような使い方をするのはチト酷使です。 「新品のニッパが一度で使い物にならなくなった」ってことを避けるために、古いもので。 |
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←ニッパで切り落としたところ。 |
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←でこぼこをヤスリで平坦に削って、仕上げます。 |
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※以上、私的シャーシ穴あけ加工方法でしたが、穴をあける工具類も日々さらに進化していて、ここで紹介したものの他にも便利なものが数多くあります。是非、いろいろ試してみて下さい。 又、穴あけ加工以外の加工方法も、そのうち紹介するつもりでございます。 |
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