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2004313日 発行
全港湾神戸支部
本四海峡バス分会

http://www.hm.h555.net/~h4kaikyoubus/

zkw.h4kaikyoubus@hm.h555.net
最高裁決定!上告棄却、上告不受理!
  「団交応諾命令」確定!
本四海峡バス(株)は全港湾との団体交渉に
          誠意をもって応じなければならない!
                          主   文


本件上告を棄却する。

本件を上告審として受理しない。

上告費用及び申立費用は上告人兼申立人の負担とする。

 本四海峡バスにおいて、時ならぬ労働争議が始ったのは1999年8月。海員組合員であった運転士ら58人全員が、現場不在の組合運営を続ける海員組合を脱退、自分たちの労働組合を創ろうと全港湾に加入したところ、会社は分会長ら3名を即刻解雇。そして全港湾の存在を否定し、団体交渉を拒否し続けています。このような無法がまかり通るはずもなく、2004年3月1日に会社側の上告棄却及び不受理の「最高裁決定」が全港湾神戸支部へ、送達されてきました。
 この決定は、全港湾神戸支部が会社に対し、1999年8月9日に全港湾本四海峡バス分会の「結成通告」と同時に「組合活動に関する基本協定」および「3名の解雇撤回」、労働条件等に関する「緊急要求」について団交開催を求めたところ、会社が社内における全港湾の存在を否定し団交拒否を表明。これに対し、全港湾神戸支部は兵庫地労委に不当労働行為(団交拒否)の救済命令を求めました。兵庫地労委は2000年6月20日、会社に対し「誠意をもって全港湾神戸支部との団体交渉に応じなければならない」とする団交応諾命令を発しました。会社側は、この地労委命令を不服として、中労委、地裁、高裁、最高裁で審理を繰り返しましたが、すべてにおいて棄却され、今回の「最高裁決定」で兵庫地労委の「団交応諾命令」が完全に確定した事になりました。
 このように、労働委員会命令が裁判所によって支持され確定したにもかかわらず、命令を履行しなかった場合は、経営者に対し労働組合法違反として刑事罰が科せられる事になります。これまで、この刑事罰を科せられた企業経営者は皆無です。
 また、この企業の筆頭株主(55%所有)である海員組合は、代表取締役専務及び労務担当取締役常務を会社に送り込み、事実上、会社を支配し相当な影響力を行使しています。筆頭株主である海員組合に対しては、大阪高裁において「海員組合は使用者にあたる」との判決が下され、最高裁への上告がなされています。この上告も、最高裁の棄却・不受理決定を待つだけであろうことは明らかです。これまでの流れからいうと「最高裁決定」は本年6〜7月頃に出されることが予測できます。判決が確定すると、労働組合である海員組合が不当労働行為の当事者ということになり、上記同様に史上初の事例になります。
このように、労働組合が実権を握る会社において、不当労働行為が繰り返されていることに、この争議の異常さが浮き彫りにされています。海員組合と本四海峡バス株式会社は、最高裁決定を真摯に受け止め、この争議の全面解決と会社を正常化させなければなりません。公益事業を営む会社と労働組合である海員組合は、その社会的責務において英断が迫られています。
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神戸地裁が緊急命令不履行調査
  いよいよ罰金か!?

これは昨年春、中労委が「緊急命令」(全港湾との団体交渉に応じなければならない)の履行調査をおこない、本四海峡バス(株)と全港湾神戸支部、双方から「緊急命令」に対する履行状況の報告がおこなわれました。この報告に対し中労委は、「履行義務者である会社からは、団体交渉に応じている旨報告してきたが、本件不当労働行為事件の申立人である組合からは、会社が団体交渉と称する折衝の席上で『全港湾とは労使関係を認めておらず、労働協約は書面化しない』旨主張しており、このような会合は団体交渉とは到底認められるものではなく、決定を履行していない旨報告があった」として、「これら会社及び組合からの報告内容から判断すると、会社の対応は、使用者に要求される誠実団体交渉義務に反するものであり、緊急命令の履行がなされたとは言えない状況にある」として、神戸地裁へ「緊急命令不履行通知」(2003年8月8日付)を提出しました。
 中央労働委員会からの「緊急命令不履行通知」(中労委審二発第0808001号、平成15年8月8日付)に基づき、緊急命令履行債務者である本四海峡バス(株)に対し、神戸地裁から「緊急命令」の履行状況についての調査がおこなわれていた事が判明しました。(平成15年(ホ)第944号緊急命令不履行(労働組合法違反)過料事件)
 この調査に対し会社は、本年1月9日、性懲りも無く「全港湾との団体交渉に応じている」「緊急命令を履行している」「誠実な交渉を拒絶するような発言をしたことは一度もない」などと回答しています。この会社回答は、昨年春に中労委の緊急命令履行調査に対して、おこなった報告とまったく同じ内容です。

外航船員より激励とカンパ!

海員組合の外航船員より、全港湾神戸支部本四海峡バス分会へ激励の手紙と、カンパが寄せられました。
 これまでも、海員組合員の方から何度も手紙や電話で激励していただいたりカンパを頂いてきました。すべてをご紹介できていませんが、組織や立場を越え労働者として、人として、連帯してくださっている皆さんへの、敬意と感謝の念でいっぱいです。

本当にありがとうございます。私たちは、最後まで頑張ります。最後までのご支援をよろしくお願い致します。
        全港湾神戸支部本四海峡バス分会一同
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 労働組合が発行株式の55%を所有する筆頭株主である会社において、組織統制の名の下に、団交拒否にはじまるあらゆる不当労働行為が繰り返されている。海員組合は、3万組合員の総意として、本四海峡バス株式会社での跳梁跋扈を続けている。会社を支配し、会社権力による卑劣な恫喝を組織結集の方途とする労働組合に対し、「使用者にあたる」とする最高裁決定が、まもなく下されるであろう。
 労働組合の必要性が問われる昨今、海員組合は労働組合として襟を正さなければ、労働者からの信頼を永遠に失ってしまうのではなかろうか。

3名の方が復職することは全港湾だけでなく、今後の海員組合のためにもなると思います。
 最後まで頑張って下さい。

外航船員

 現在、「海員組合の使用者性」についての訴訟は、海員組合側が最高裁への上告をおこなっているが、上告棄却が夏前に下されるであろうことは、想像に難くない。
海員組合使用者性判決
労働組合でなくなるのか!?
神戸新聞
2002年
12月29日
  神戸新聞
2003年12月25日
証人席から
 私は、1999年の夏に、この争議が始まって以来、不当解雇や未払い賃金裁判など多くの裁判と労働委員会を原告として争ってきましたが、証人尋問を1度も受けたことがありませんでした。しかし、昨年の12月19日(主尋問)と今年の1月23日(反対尋問)に、労働委員会の場で初めて証人尋問を受けました。この申立は、「最高裁決定」において解雇無効が確定した以降も、会社が私を含む3名の就労を拒否していることに対し、全港湾組合員であることを嫌悪し働かさないのは不当労働行為であるとして、原職復帰を求め兵庫地労委に申立てた事件(兵庫地労委平成15年(不)第5号事件)です。
 私は、悪いのは相手だから尋問も「なにも取繕う必要はなく事実を証言すればいい」と思っていました。それでも尋問は、やはり緊張し、主尋問でも頭が真っ白になることが何度かありました。反対尋問では、主尋問のとき以上に緊張していましたが、おかしな質問には切り返してやろうと、虎視眈々と機会をうかがっていました?が、相手は二つ三つの質問で尋問を終了しました。このときは、正直に言ってホッと胸を撫で下ろし、相手側の弁護士の顔が異様に優しく思えました。なにはともあれ、無事に尋問を終えることができました。
 次回4月5日(13:30地労委)は、会社側証人の坪根専務、玉城常務に対する反対尋問です。どういう証言をするのか今から楽しみです。今考えると会社側は、海員組合出身者以外に誰も尋問に出て来ていません。このことからも、この争議の異様さの一端がうかがえます。

                       全港湾神戸支部本四海峡バス分会  副分会長 日野 隆文