「海員組合使用者性裁判」の控訴審判決が2003年12月24日大阪高裁で言い渡されました。この裁判は、本四海峡バス株式会社の筆頭株主である海員組合は、実質的な「使用者」であり、団交の当事者にあたるとして、兵庫地労委に会社と海員組合を被申立人として、全港湾との団交拒否に対する救済命令を求めたところ、兵庫県地労委は、会社に対しては団交応諾命令を発したものの、「海員組合は会社経営にかなりの影響力を有している」としながらも、海員組合に対する申立を却下する命令を下しました。
 この兵庫県地労委命令の海員組合に対する部分を容認することは、外部の団体や個人が労働組合つぶしをおこなっても、不当労働行為にあたらないことを意味します。このことは労働組合として到底看過し得ないことであり、私たち全港湾は、この命令の一部取消しを求め神戸地裁へ提訴しました。
 神戸地裁は2002年12月26日、「海員組合は、雇用主ではないが、会社に対する実質的な影響力及び支配力にかんがみると、労組法7条の「使用者」にあたると解するのが相当であって、兵庫県地労委が、その使用者性を認めず、海員組合に対する各救済申立てを却下したのは、労組法7条の解釈を誤ったものであり、違法である。」として、海員組合は「使用者」に当たるとする判決を言い渡しました。兵庫県地労委と海員組合側は、この判決を不服として大阪高裁に控訴していましたが、2003年12月24日、大阪高裁において「控訴棄却」が言い渡されました。この判決は、確定判決にひとしく、最高裁への上告も、上告不受理の決定が下されるであろうことが、容易に予想されるなか、海員組合、会社、兵庫地労委が上告しました。高裁判決を受け、海員組合、会社に追従して上告した兵庫地労委の姿勢にも問題を残すところとなっています。
 この判決が確定すれば、海員組合が不当労働行為の当事者になるということであり、日本で初めて労働組合が不当労働行為の当事者になるということになります。全日本海員組合は英断が迫られています。

                    「海員組合使用者性」神戸地裁判決全文

                    「海員組合使用者性」大阪高裁判決全文

                  全日本海員組合の使用者性判決の解説
全港湾完全勝利!12月24日大阪高裁判決! 
日本初!海員組合は労組法上の「使用者」にあたる!
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