第9回被災地メーデー

この国に生まれてよかった!?
 5月1日、JR兵庫駅前のキャナルタウンにおいて、恒例となった第9回被災地メーデーが開催されました。
 天気にもめぐまれ3,500人の働く仲間や市民が集まりました。
 特設ステージでは、講談や落語、歌に踊りと、次からつぎと出てくる催しに、集まった人たちは屋台村のビールや食べ物を片手にステージを満喫していました。
 

君にしかできない事がある

 国連の調査によると、「この国に生まれて良かった」と答える住民の比率が最も高い国はスウェーデン、最も低い国は日本!この調査結果について、あなたは「まさかそんな」と思いますか、それとも「そうだろうなあ」と思いますか?
 賃金破壊、雇用破壊、年金破綻、そしてイラク派兵。そして、戦禍にあえぐイラクの人々を支援しようとして「人質」となり、やっと開放されて帰国した日本人を、「国に迷惑をかけた」という非難と「自己責任」追及の嵐が迎える国・・・・・。たった15年ほどの間に、日本社会は急激に変化してきました。そして今、どこへ向おうとしているのでしょう。
 しかし、明らかな事実は、日本の社会をこのように変えたのは一部の政治家や官僚ではなく、私たち自身だということ。だから私たちは、2004年の被災地メーデーのテーマを「この国に生まれて良かった!?」としました。こんな社会をつくったのが私たちであるなら、私たち人間は変えることもできる!みんなで考え、みんなが「イヤだ」と考えるなら、きっとできると思ったからです。
 違憲論議のなかイラク派兵を強行した小泉政権は、低迷する経済からの脱却を謳い文句に、「聖域無き構造改革」を断行しています。この構造改革は「大企業が倒産すると経済への影響が大きすぎる」と、何十兆円ともいわれる税金を大企業に補填し、法人税の大幅減税をするかたわら、労働者は雇用不安と増税、さらには賃金低下と、弱者には厳しいものとなっています。さらに、憲法にはじまり労働法制、年金法など、様々な改正法案が目白押しです。いずれも労働者にとっては、手放しで歓迎できるものではありません。
 他方経済界は、汚職事件で自粛していた政治献金の再開を発表し、経団連の意向と合う政党などには献金額を多くするなどと、なかば議会買収とも取れる発言を、公然と言ってのけました。
 新自由主義(経済至上主義の完全競争社会)の波に圧され、この国は急激に変わろうとしています。その変化は、労働者にとって、けっして好ましい方向とはいえないものであることを、労働者自身が、いま身をもって体験しています。本当に、みんなが「この国に生まれてよかった!」と、胸を張っていえる国に、みんなで変えて行きましょう。

       本四海峡バス分会分会員(匿名)
OSK日本歌劇団
  OSK日本歌劇団

 1兆5,000億円ともいわれる負債を抱える近鉄がOSKの元経営母体でした。
 近鉄は、経営再建のリストラの一つとして、OSK団員全員を突然解雇。ここでも放漫経営のつけは、一生懸命に働く労働者にふりかかりました。
 団員たちは、署名活動など再建運動に立ち上がり、みごと劇団の再建をはたしました。
 本四海峡バス分会もビールを片手にステージを満喫した様子?????でした。
 争議労組紹介では、神戸ワーカーズユニオンオークラ神戸フローリスト分会神戸国際協力交流センター分会関西先端研究センター分会全港湾神戸支部本四海峡バス分会の闘いなどが紹介されました。
 
 天気とBeerに恵まれ本当に楽しいメーデーとなりました。
メーデーアピール

  子供たちが「この国に生まれてよかった」という国に向って
 
 国連が実施した調査によると、「この国に生まれてよかった」と答えた住民の比率が最も高い国はスウェーデン。それでは低かった国は?下から順に日本、ロシア、韓国・・・・・・・・。この調査結果について、私たちは「まさかそんなことはあり得ない」とは言えませんでした。
 日本の社会は、この15年ほどの間に急速に変化しました。「年収300万円時代」が流行語となり、それを「200万円」に修正しなければならないほどの賃金破壊。一方、雇用構造が一変し、「雇用破壊」という言葉までが生まれています。労働者の失業が最大の社会問題となるなか、若者については最も深刻で、学校に行っていない24歳以下のうち5人に1人が完全失業者という事態です。また、庶民のライフ・サイクルを支えていた年金についても、「制度破綻」が誰の目にも見えてきました。そして自衛隊のイラク派兵。日本の軍隊が59年ぶりに海を渡り、ついに戦争に参加する事態となりました。
 そして、さらに衝撃だったのは「イラク人質事件」です。戦禍にあえぐイラクの人々を支援し、あるいは戦争の真実を伝えようとして「人質」となり、やっと開放されて帰国した日本人とその家族を、「反日分子」「自業自得」「自己責任」などという非難の嵐が迎える国・・・・・・・。日本の社会は、このままどこに向かおうとするのでしょうか。そして、これだけの変化があっという間に進んだのであれば、これからの変化も瞬く間であるに違いありません。
 しかし、明らかな事実があります。日本の社会をこのように変えたのは、一部の政治家や官僚たちではなく、間違いなく私たち自身だということです。
 去る4月18日の『朝日新聞』に投稿した神戸市の47歳女性が、自分の母親が生前に言い続けた言葉を紹介していました。「太平洋戦争が終わるまで、私らに参政権はなかった。けど、あんたらには参政権がある。今度、戦争が始ったら、あんたらの責任やで。・・・・・・・・・・・よう覚えときや。」
 だから私たちは、今年の被災地メーデーのテーマを、「この国に生まれて良かった!?」としました。日本の今をどう考えるか−−− ここに集まった人たちの中にもさまざまな意見の違いがあるでしょう。しかし、私たちは、再び「知らない間に」という言葉を言うことだけはしたくないと考えました。
 そして、こんな会社を作ったのが私たちであるなら、私たちはそれを変えることだってできる!みんなで考え、みんなが「イヤだ」と考えるなら、きっとできる!わたしたちの子供たちが、「この国に生まれてよかった!」と言う国に向かって・・・・・・・。
メーデー川柳は、会場からの拍手が一番多かった
「自己責任
  とるのはあなた
     小泉さん」
が、最優秀作に選ばれました。
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