昔 の 子 供 の あ そ び (屋内の遊び)
◆ すごろく 嬉遊笑覧巻四下に載するところによれば、すごろくには、「仏法双六」、「名目双六」、「絵双六」、「浄土双六」、「永沈双六」、「道中双六」、「おででこ双六」、「官位双六」など随分、数が多い。 中でも、絵双六は熊野の勧進比丘尼が地獄極楽の絵巻を開いて絵解きをしたことにヒントを得たものと言われている。 また、道中双六の発祥期は元禄時代で、 「役者談合衛」 には 「春雨しめやかにふり子供相手に道中双六まければ天目に水一盃づつのかけ云々」 とあるという。 こうして江戸時代より盛んになった双六は、子供たちの人気の的で、正月号の雑誌の付録には欠かせぬものとなり、図柄もその時代の風俗や好みを反映して興味あるものである。 今昔物語では 「双六は本より論(ことば)戦ひを以て宗とする」 として言い合いが昂じて真の組み打ちとなり、下女に杵で打ち殺された男の話が出ているが、昔も今も、相手を囃しながらムキになって争う魅力がすごろくにはあるのである。 ◆ 角力人形 往年の名横綱、当世人気の力士、その力士人形を厚紙なり薄板に印刷したのを切り抜き、それを台上に向き合わせて、台を叩いて揺すり、倒れた方を負けとする。 嬉遊笑覧には 「すまふとりの画をきりぬきて、後につけぎをほそくさきたるを貼りつけて立つやうにして二人は向はせ、息をふきて倒し勝負をみるものあり、板にて作れるといづれ先なるか、これも古きものとみゆ」 とあるので、吹いたり叩いたりの勝負があったことがわかる。 ![]() ◆ 将棋あそび わが国に将棋が伝えられたのは12世紀のことである。 当時、大将棋、中将棋、小将棋の3種があったと言われる。 子供は、この 「将棋の駒} を使っていろんな遊びを創造した。 はさみしょうぎ、とびしょうぎ、しょうぎだおし、ふりしょうぎ、ぬすみしょうぎ、はじきしょうぎ、まわりしょうぎ、おみやまいりなどがそれである。 以下簡単にその遊びを紹介すると * はさみしょうぎ・・・・ 盤の両端に、1列に駒を並べ、口語にひとつずつ 駒を動かして、相手の駒を、前後左右どちらでもはさんだ方がとる。 相手の駒をひとつにした方が勝ち。 * とびしょうぎ・・・・・・ 双方、1列または2列に駒を並べて、前へ進める。 進む際相手に駒と出会ったり、自分の駒が前にある場合、それをとび越して進むことができる。 早く相手の陣へ駒を進めた方が勝ち。 * しょうぎだおし・・・・小さな駒から大きな駒へ、駒を順に並べて立てて、端の駒を倒すと次々と倒れていく。 * ふりしょうぎ・・・・・・駒のうち 「金」 を4枚使って、手のひらにのせ盤面に振る。その駒の状態で点数を決める。 上向きのものは 1、 横になったもの 5、 真っ直ぐ立ったもの 10、逆立ちしたもの 50、 裏返しになったもの 0、 重なり合ったときは失格。 こう決めて、たとえば1枚が表をみせ、1枚が横に立って、あと2枚が裏向けの時は 6として計算、金以外の駒をやり取りする。 これは、おみやまいり、まわりしょうぎの時にも利用する。 * ぬすみしょうぎ・・・駒を山盛りに積み、指先で他の駒を動かさないように盗んでくる。失敗するまでいくつでもとれる。 このほか、メンコ替わりにする 「はじきしょうぎ」 双六のようにあそぶ 「まわりしょうぎ」 「おもやまいり」 など、いろいろな遊び方がある。 |