昔 の 子 供 の あ そ び (屋内の遊び)

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◆ かげ絵 

影絵は、手指の組み合わせと箸、皿など身近な器具を使って、障子に映る映像を楽しむ遊びである。ほの暗いランプやろうそくの光の中で、障子に映る影絵は、妖しい世界へ子供の夢を誘ったものだ。
                                          
かげ絵の歴史は古く、わが国では江戸初期にすでに遊びとして定着していた。 初期には手かげ絵、身かげ絵が行われ、それから発展して影絵人形やからくりかげ絵のような寄席芸となった。 

簡単にできるものに、両手を甲同士くっつけ小指と人差し指を絡めてできる 「うさぎ」 や、片手の人差し指と小指を立てて、中指と薬指、親指をくっつけてできる 「きつね」 親指を立てて、小指を少し離し、手を水平に置くとできる 「いぬ」 などがあった。  

本の箸が、富田川を渡す船頭さんをかたどったり、みかんがカタツムリの殻にみえるなど、子供の創意と工夫がいろんなかげ絵を作ったが、燈火や家具の変換と共に、今や忘れられようとしている。


◆ 狐くくり

正月休みやもらい風呂などで大勢寄ったとき、コタツの上や座敷の上で狐を括る遊戯をした。
あり合せの干し柿、みかん、菓子等をエサと仮定し、紐、細引きなどで罠をつくり、この紐の両端を1人または2人で持っていて、狐が罠を潜ってエサを取る瞬間を括ろうとするもので、ルールとして 「キツネノモリノキツネヲトロヤトロヤカカイノカイカイ」 と言う約10秒内外の制約があって、狐役も捕らえ役も虚々実々で、手早くこの罠をくぐって食べ物をつかみ取ることが出来たら柿もみかんもキツネ役の者の賞品となる。
 
みんな寄りたかって見るにぎやかな遊戯で、攻守いずれも交替するが、時間切れとなるカカイノカイカイと言う瞬間が呼吸どころで、それより早くエサを取ろうとするキツネの術策にかかり素早く紐を締めればキツネを逃がし、捕り手の失敗となる。
今はこうした遊びも見ることが出来ない。


◆ ことばあそび

早口ことばで、舌をかみそうな、言いにくいことばを組み合わせて、間違いなく、正しく、しかも早く繰り返すようにする遊び。代表的なものに
  ○ なまむぎ なまごめ なまたまご
  ○ となりのきゃくは よくかきくうきゃくだ
  ○ ぼうずが びょうぶに じょうずに ぼうずの絵をかいた
などがあった。