昔 の 子 供 の あ そ び (屋外の遊び)
◆ 三つ編み 戦前の小学生は5・6年生になるとほとんどの女児が髪を伸ばし、三つ編みにして肩にたらしていた。 それで紐でも草の葉でも手に入ると、手すさびに髪を編むように編んでいるのを見かけた。 これに適した葉はセキショブの葉である。 ![]() 費用もかからず、危険の心配もなく、いろいろ創意工夫していた。 ◆ 宮遊び 山の子らは子供の知恵でそれぞれの遊びごとをたくらんだ。 正月休に家々に餅のあるのを幸いにお宮を作り、餅を持ち寄ってここで投げようと、14,5歳の年長少年の発議でそれは面白いと相談が一決し、急速に在所外れの山際に鍬で一坪ほどの屋敷をこしらえ、のこぎり・くぎ・金槌の大工道具板類を持ち寄り日がな1日宮ごしらえ。 石も周囲に置き並べ、大人1人はしゃがんではいれる大きさのからくりが出来た。屋根も杉皮で葺いた。 翌日は、榊を立て幣に見まがう紙切れも下げた。 この計画を知った隣の番の子供らも馳せ参じ仲間入りをした。 かれこれ10数名が懐に餅をネジ込んで集まり、幼い弟妹も加わって20数名、こうして子供らの宮造りと投げ餅行事はいとも賑やかに終わったが、この宮は誰にもこわされず山際にあって餅のある季節季節には子供らの餅まきの場所となった。 今は昔の話である。 ◆ 麦 笛 麦の黒穂はクロベと呼ぶが、この穂を抜き取って、5センチ位に切り、口にくわえて吹けば、ピーピーと音を出す。 このクロベは病穂なので、農家にとっては麦笛遊びはありがたいことでもあった。 ◆ 虫送り 旧6月の丑の日には百姓衆が氏神さんへ集まって、青田ご祈祷をしてから 「虫送り」 の行事にかかる。 平家の武将として有名な実盛(斎藤)を害虫として藁で人形を作り ![]() 「♪斎藤実盛さん、実盛さんのお通りじゃ、虫もケラもお供せよ♪」 と歌い、 鐘・太鼓ではやしながら、川縁まで行列をつくって村中の田を回って送り、害虫追い払いの行事は楽しみであった。 |