昔 の 子 供 の あ そ び (屋外の遊び)

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◆ セミとり

夏休みになると鎮守の森や雑木林は、セミとりの子供たちでにぎわう。 
長い柄のタマでふせるが、小さい子はタマの柄が短いので、高いところはとどかない。 
カゴに入れて飼うが翌朝死んでいることもあり、よく母親からひと晩おいたら明日は放してやりなさいと言われたものだ。 
       
これは地中で過ごす幼虫の期間が6年間もあるのにくらべ、成虫の寿命はわずかに1ヶ月足らずと、まことにはかなく、あわれをさそう故であろうが、それでも子供たちは、セミの尻に草などを差し込んで飛ばすこともあった。 
夕方から夜にかけて、地上に出てきた幼虫が木の枝にのぼり、背中を開いてふ化しているところを偶然に発見し、驚きをおさえ密かに観察を続け、子供心に不思議な感動を覚えたものだ。 

またセミのぬけがらを拾い集め、木の枝にとまらせて遊んだ。



◆ 草履かくし

夏の宵、涼み台の回りに子供が集まるとよく遊んだのが、「草履かくし」である。 
めいめいの履物を片方ずつ脱いで並べ、 ♪ じょうりき じょうばん おてんにはばらん鏡餅 かみそり買うて 刀(とう)買うて 頭じょきじょき剃ってやろ なのやのきゃとんぼ 後へ戻って白狐♪   
こうして履物を指さしながら歌をうたい、歌の終わったところの草履は引っ込められ、何回も繰り返した末、最後に残った草履が隠される。 それを片足でぴょンぴょんとびながら探す。 
                                            
この時の歌に次のようなものもあった。 
♪♪ ぞうり隠し きゅうねんぼ / 橋の下のネズミが / ぞうりをくわえてちゅっちゅくちゅ / ちゅっちゅくまんじゅう誰が食うた / だーれも食やせんわしが食た / 表の看板 しゃみせん屋 / 裏から回って3軒目♪



◆ ソラマメの舟
ソラマメの莢を割って中の豆をはずす。豆のからにマッチの棒を半分くらいに折って支えを入れてやるとそれで立派な豆の舟。 
莢を割るとき、反った背のほうを割ること。 背の方の繊維の筋をそっと引いてとらないと、船底にまでひびが入り、舟が沈むもととなる。 
はずしたソラマメは、頭をちょっと削って中身を出せば、マメホオヅキ。 口にふくらませて豆を鳴らしながら豆の舟を浮かべて遊ぶ。