昔 の 子 供 の あ そ び(屋外の遊び)

戻 る

◆ かにとり

山間では子供たちは、夏になると小さい谷でサワガニを捕る。 
サワガニはこの地方でヒメガ二と呼んでいるが、その名にふさわしく小型で赤く可憐である。 谷の石をおこすとはいでて、面白いほど捕れる。 

捕ったカニを囲いの中に入れて遊ぶが、ヒメガニとはいえ油断すると、はさまれて痛い目にあう。
河口付近では高学年の子供たちが、雨が降って川水がにごると、四つ手網のような仕掛けでモクズガ二を捕った。
大型で爪の周りに柔らかい毛のふさがついた。この地方でズガニまたはズゴと呼んでいるカニである。
まず大きい目のタマの椽に、三方の紐をつけ竹竿の先に結びつける。 
それをカニのいそうな捨石付近にしばらくの間つけておき、頃を見計らってひきあげると、タマの中にモクズガニが入っている。

 


◆ カブトムシとり

夏の早朝や夕方、子供たちは、競ってカブトムシをとりに行った。 クヌギ・コナラ・クリなどの幹に集まって樹液をなめているところを捕まえる。
                 
カブトムシのいるところはおおよそきまっていたので、子供たちは自分だけの秘密の場所としていた。
捕まえたものは、箱にオガクズや木の古株を入れ、スイカや黒砂糖などを与えて飼うが、中でも頭に大きい角のあるオスや一緒に取れるクワガタが大事にされた。

けんかさせると、カブトムシは角を相手の腹の下にさしこんでもちあげ、相手をひっくりかえす。クワガタは角をひろげ、相手をはさんで倒す。 また、糸をつけたマッチ箱に小石をつめ、それを引かせたりして遊ぶ。
中辺路町ではクワガタをイシカナ と呼んでいる。




◆ かんのり

かんづめの空き缶を利用して遊ぶ。 作り方は簡単で、缶詰のカンを裏返し、つまり、口をあけたほうを下に、底の部分をうえにし、それに紐を通す。 足の甲が入るくらいのゆとりをもたせて結ぶ。 

左右2個のカンを1本の紐でつなぎ、胸元あたりまでくる長さにして手でつかみ、カンに両足を乗せて歩く。
右足が前へ出るときは、右手が紐を引いてカンが外れないように助ける。 左右こもごも歩けば、馬の蹄のように、かっぽかっぽと音がする。