昔 の 子 供 の あ そ び (屋外の遊び)

戻る

◆ 落とし穴

学校の校庭か、遊び場の人のよく通る地点を選んで穴を掘り、木の枝とか小木などで簀を編んで、その上に土をもって普通の地面を装い、ある時は草などでカモフラージュをして、近くの物蔭にかくれ通る人を待ち、落ちるのを待つ。

田辺の場合は砂地の所が多く、手とか板切れで簡単に穴が掘れたが、下半身がすっぽりはまるような大きなものはつくれなかったようであり、目隠しして鬼ごっこのときなど、よくつくって遊んだ。



◆ 鬼ごっこ

鬼ごっこは、いつでもどこでもできて、一番人気のある遊びで、人数も4,5人から10数人と多くても少なくてもできる。
 「助け鬼ごっこ」 と 「すわり鬼ごっこ」 の二通りががあり、助け鬼ごっこの場合は ”陣” となる電柱か立ち木、柱がほしい。 

鬼は、陣を離れてつかまえに走り、つかまったものは陣に片手をつけ助けを待つ。 初めにつかまった人が陣をつかみ、他は手を長くつないで助けを求める。
まだつかまっていない者はこれを助けようと近づき、鬼と追いかけっこする。 鬼につかまらず味方に手が触れると、今まで捕らえられていた者は逃げることができる。

すわり鬼ごっこは、丸く円をかいて、鬼を真ん中において座る。立ったり座ったりして鬼を呼ぶが、座りきらないうちにつかまるとその人が鬼になって交替する。 



◆ 泳 ぎ

夏休みの富田川はカッパ天国だった。 川岸の、少し淵になったところが泳ぎ場。出水のときに、堤防に打ち寄せられた丸太や橋板をつかって、ボートの代わりをさしたり、飛び込み台になったり、白いめの、目立つ石を水中に投げ込んでは、もぐって拾う競争。 
                       

もぐることを 「あまり入る」 と呼んだ。 あまり入って、水中でにらみっこして、相手を笑わせるあそび。 
寒くなると、甲羅干しに陸に上がる。 
背中を干しながら、砂を浴びたり、トンネルを作ったり、落とし穴の仕掛けに夢中になる。 相撲をする。 
そうかと思うと、軟らかい白い石を探して、少し水をつけて石の上でこすると、乳状の駅が出来る。 それを指先につけて、お腹に仮面を描いたり、顔に装飾を施したり、それに飽きるとまた水に飛び込む。 
 
泳ぎ場にも縄張りがあって、見知らぬ顔が泳いでいることはない。 いつ行ってもそこは自分らの泳ぎ場である。だが、ひと夏に何回かは洪水のために淵は移動するのであった。