昔 の 子 供 の あ そ び (屋外の遊び)

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◆ 石投げ

高い山に立って谷底を望んだときとか、海辺や川岸、池の土手に立ったとき、なぜか石を投げてみたい衝動にかられる。それも只投げるのではつまらなく、水の上を滑空させたり、空中を飛翔するように投げる。

それには、なるたけ偏平な石がよい。 偏平な石を、体を傾けるようにして水面すれすれに投げれば、石はかいつぶりが波を蹴って走るように走る。 何回水を蹴り、どこまで飛んだか、その競争が石投げの魅力なのである。  



◆ 石けり

石を使っての遊び方には色々ある。二組に分かれて3メートルほどの距離に対峙し、立ててある石を遠くから投げて倒し合うとか、股にはさんだり、肩にのせて相手の陣に近づき、上から落として倒すなどがある。

石けりもそのひとつで、立ててある相手の石へ片足とびで石を蹴りながら近づき、蹴った石で倒す。 
また、地面に棒切れで輪を縦に二つ、横に二つ、また縦に二つ横二つかき、小学1年から高等科2年までに見立て、まず小1の所へ石を置く。

競技者は小1をとび越して2年の輪へ片足で立ち、ついで3・4年へ両足を広げて立つ。 また5・6年を片足とび、高1・2年へ両足でまたぐ。 次は振り返りざま片足で6年の輪へ、以下同じようにして戻り、2年の所で片足のまま屈んで石を拾いもとの場所に帰り、今度は2年の輪の中へその石を投げ入れる。 

順次学年が進行するにつれて投げる位置も遠くなり、輪の中に入らなかったり、途中で線を踏むとか、足や手をつくと交代する。 2,3人でするため、石の入っている輪が続くと大変な跳躍力が要求される。 丸い輪を跳ぶときに「チンチンパー、チンチンパー」と声を出しながら呼吸を整える。 
                                        

この他に、長方形の桝を書き真ん中に線を引き左右4つずつ8つ、上部に半円をつける。半円は「天」と呼ぶ休み所。 右手前の桝へ偏平の石(テンキと呼ぶ) を置き、片足とびで桝から桝へ蹴りだしてゆく。
「天」で休む以外は足を下ろしても、また蹴りだす石も線にかかってはいけない。 その上桝へ入れるのに、次の動作がしやすい様に入れなければならないため、そのこきゅうがむつかしい。 手前の線きりぎりに石が入ったときなど、蹴れる位置まで石を移動させねばならない。 

草履の裏へ押さえて、後ろへ引きずるようにとび、足指でにじらせながらよい位置へ捉える。
たかが石蹴りといっても、なかなか技術の要る遊びなのである。 



◆ 磯あそび

3月ともなれば水も温む。


凪ぎ日和に磯に出て潮干狩りなどをする、小蟹をつかまえたり、磯につく海草など採ったり、あるいは色いろの貝類を採った。 磯ものとよばれ、獲物が多いとゆでて間食にした。
潮干の大岩を飛び回るのも面白く、持参の茣蓙を敷いて、弁当とか菓子とかを食べて1日を楽しく休息した。