「Magical Logical 〜論理は理論と違うんだ!!〜」
第一章 3
暗号の謎
選択1「聞く。」
とりあえず僕は、春奈に聞いてみることに…。
「なぁ、春奈。」
「なに?」
「あのさ、これどこで手に入れたんだ?」
「それは、ねぇ…。」
……。
「……。」
お?
「はーちゃんどしたの?」
久美が聞く。
「話せば、結構時間がかかるってこと。」
「話せば長くなる…か?」
今度は、僕が聞く。
「そう。」
でも、答えは、短かった。
「もう、ベルも鳴るし。」
「そうだな。じゃあ、また後で聞くか。」
「……。」
なぜ、話が長くなるんだろう?
ひょっとして。
否。
ひょっとしなくても、かなり危ないものなのか、これ?
と、思うと、さらに気になってしまうので、やめだ。
昼休みなら、ゆっくり聞けるか。
などと思いつつ、授業に臨むことにした…。
* * *
……昼休み。
昼食。
我ながら、この発想もどうかと思うけど…。
ま、いっか。
いつもなら、一人で食べるところだが、今日はいろいろあるしな。
春奈んとこ行きますか。
「春奈。で、さっきの続きの事聞くぞ。」
「いいけど。」
「はいは〜い。私も聞くよ〜。」
「くーちゃん、いらっしゃ−い。」
ご機嫌だね。
…いつものことだけど。
「で、早速だけど、どこで拾ったの?」
「う〜ん。拾ったっていうのはちょっと違うかな?」
「どういう意味だ?」
「もらったの。」
「はあ?誰から?」
「男の人。名前は確か……。」
(ごくり)
(ちなみにつばを飲み込むところ。 talk:御子☆)
「忘れた。」
「おいっ!」
「まあ、名前はいいんじゃないの?」
「いくねーよ!」
「こらこら、正しい日本語使おうね。」
「…で、いつ?」
「無視するな〜!」
「昨日だよ。」
「あんたもかよ〜!」
「ふ〜ん。ちなみに、どこだ?」
「学校出てすぐ、ぐらいのところ。」
「ねね、くーちゃん。ちなみにどんな感じだったの?」
「その人?」
「そうそう。」
「そうだな〜。若い感じで、微妙に怪しかったよ。」
「おいおい…。」
ますますヤバいぞ……。
「で、で、だ。なんか言ってたのかその男?」
「『これを、解いてみるといいよ。』とか。」
「そうか。」
…やはり何かの暗号なのか、これは。
だとすると何かヒントはないのか?
「ほかには、何も言ってないのか?」
「う〜ん。……あ、そうだ。
『しかし、この時代じゃ、ろくなことがないな。』
とか、帰るときに言ってたよ。」
「そっか。よしっ!」
「何さ?」
「早速、この暗号とやらを解いてやろうじゃねーか!!」
「あんた、正気?」
「は??」
「こんなの怪しすぎるじゃないの。」
「だから、解くんだよ。何か、分かるかも知んないだろ?」
「そういうものなのか?」
「そういうものなの。」
「じゃ、じゃあ、頑張れよ。」
「ああ。」
…とは言ったものの、全然分からないけど。
でも、解かなきゃ、ね。
「普通じゃ…ないよな。」
そう、いつもの台詞を呟きつつ、僕は食べ終えるのだった……。