名曲座・メジャー篇

VOL.1   「月光」/B’z  (from “RUN”/1992)

RUN
 1992年、B'zが発表したアルバム“RUN”の9曲目に収録されていた、珠玉のバラード、とゆうより、日本音楽史上最高峰に位置する名曲中の名曲(と、私一人思っている。これは今も変わらない)。初めてこの曲を聴いたときは魂から涙が出た。おそらく、自分の歴史の中で、一番最初に泣いた曲で、そして最も泣いた曲であろう。

 今回のテーマについて語る前に、アルバムについて簡単に語ろうと思うが、“RUN”自体、アルバムとして非常に優れていて、捨て曲無しの名盤と言ってなんら差し支えが無いだろう。荘厳さを感じさせるキーボードのオープニングで幕を開ける、クール・ドライヴィング・チューン、「THE GAMBLER」、シングルヒットした「ZERO」、哀愁溢れる「紅い陽炎」、疾走感が心地よいタイトルトラック「RUN」、まさにタイトルどおり制御不能なへヴィ・ナンバー「Out Of Control」、ダンサブルだがどこか哀しさをおぼえる佳曲「NATIVE DANCE」・・・。他にも「MR.ROLLING THUNDER」、「さよならなんかは言わせない」、「Baby,you're my home」といった曲も好んで聴く良い曲である。

 その中で、私が最も好きなのが「月光」なのである。稲葉浩志の絶唱、松本孝弘の、ゲイリー・ムーアを思わせる泣きのギター、バックでドラマティックに曲を盛り上げる、増田隆宣のキーボード(ストリングス・シンセが特に絶品)と、演奏だけでも素晴らしいのに(リズム隊はどうした!?)、ここまで、美しく、メロディアスに、しかも哀しい曲は聴いたことがなかった。あるいはあまりにも美しいがゆえに哀しくなってしまうのか?
 
 『我が心の平井和正』でも述べたように、1992年は私の第1次黄金時代だったが、このときに出会ったのが、『ウルフガイシリーズ』と「月光」だったのである。この頃は部屋を真っ暗にして「月光」を聴き、犬神 明に想いを馳せていた。そうやって、至福の感情を味わっていたのである。

 さて、少し思い出したことだが、以前、平井作品を読むときにかけるBGM特集とゆうのを某所で企画したが(苦笑)このとき私は「月光」を、『幻魔大戦DNA』第8巻のパーミター(人美ですね)とマーのラヴ・シーンのところでかけていたと言っていたが、これが最初ではない。最初に使ったのは、『黄金の少女』4(旧題:タイガー・ウーマン)のラスト近く、虎2(林梨花)がアルフレッド・キンケイドを蘇生させるシーンである。
実際このシーンはものすごく美しく、神秘的だったので、最も好きだった「月光」をかけて読んでいたのだ。

 それにしても「月光」、なんと美しい響きなのでしょうか。この曲を聴くたびに私はあの何もかもが楽しかった最初の黄金時代を想いだし、陶然とするのである・・・。(ヴァレーリエ)


トップへ
戻る
前へ