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[2] 武庫渓谷とトンネル
我々はハイキングイベント参加者にまぎれて武庫渓谷に入った。
GNG:北山第1トンネル(318.4m)まで来ました。我々は以前の調査からある仮説を立てました。それはトンネルの外側(渓流側)にもレールがあったのではないかという仮説です。前回の調査でトンネルの恐怖を堪能した我々は、仮説を証明するべく危険を承知でトンネルを迂回しました。トンネルの迂回路をゆく我々の後ろ姿が写っています(写真2,4)。トンネルの周囲に岩盤が露出していました(写真3)。
ゑゐぢ:ここには間違いなく旧線の旧線がありました。この旧々線は1899年(明治32年)1月25日の阪鶴鉄道有馬口駅(現 生瀬駅)〜三田駅間延伸開業時のもので、1923年(大正12年)に線形改良と防災上の理由で北山(第1)トンネルが新たに建設されたことによって破棄されたため、ほかの区間と比べるとかなり自然に還っていました。
また旧々線の武田尾駅側の終端付近には工事途中で(事故のため?)放棄された60mほど掘られた未成トンネルの導坑もあるそうですが、我々は気が付きませんでした。
注)阪鶴鉄道は1907年(明治40年)8月1日に国有化。北山(第1)トンネルは鉄道省による建設。
IXE:この付近に兵庫県による治水ダムの建設計画が持ち上がっており、これが完成すると廃線跡の大部分は水没するらしいです。2004年(平成16年)頃には着工予定だそうです。調査と見られる足場が対岸の斜面に認められました。
ゑゐぢ:(写真1)の左端に写っている鉄扉の奥はダム関連の試掘抗だそうです。その後、治水ダムの建設計画は2010年(平成22年)に計画凍結しました。
PSG:トンネルの横の道は歩く人もないので荒れるに任せた状態でした。
武田尾までの区間で、旧々線があるのはここだけのようです。
追記:トンネルの長さですが、「にしのみや観光協会」の「廃線敷マップ」では北山第1トンネルは319mとなっていますが、より正確と思われる手元の資料の北山(第1)トンネル318.4mを採用しています。