「廃線と廃駅の調査」

第4回 JR鍛冶屋線調査報告(後編)




[10] 調査を終えて

GNG:足が棒になりました。寝不足の人間にはけっこうきつい距離でした。もし西脇市駅に3人が集合できなかったら、単独で調査するつもりでした。しかし、途中で引き返していたかもしれません。さて、この廃線跡は地元の方たちの散歩やサイクリングに利用されていましたが、ちょっと持て余しているようでもありました。今回の調査では私はこれといった発見ができませんでした。もし、ここを列車に乗って通った経験があれば違った発見ができたかもしれません。ちなみに私の地元には、こんな立派な遊歩道はありません。強いて言えば、河川敷の歩道ですが、こんなにまっすぐではありません。

ゑゐぢ:わざわざ税金を投入して新築したであろう、市原駅舎を復元した建物での貴重な資料の展示はありがたい。帰りは鍛冶屋から西脇市行きの1時間に1本のバスに乗車。鍛冶屋のバスターミナル(?)には、新大阪行きの直行便(現在は廃止)もありました。バスはときどき廃線跡と交差しながら、鉄道とは違って、民家の間を抜けていく。鉄道とは違うコースを走っているので、鉄道が廃線になる前からあったバス路線かもしれません。乗客は我々を含めて平均して7〜8人程度でした。途中で乗り降りする人もいましたが、なぜか旧西脇駅で降りる人はいなかったので、運転手も「降りる人はいませんか」とわざわざ確認していました。1998年(平成10年)時点のバス料金は610円で、旧鍛冶屋線の同一区間の廃線直前の鉄道料金230円よりも遥かに高い。一般的に全国一律運賃のJR(国鉄)よりもバスの方が高いのかもしれません。

IXE:ハイキングと考えるなら楽しい道のりだった。廃止前は田園の中を走るのどかな路線だったんだろう。乗客は数人で居眠りしてしまうほどゆっくり運行されている風景を思い浮かべながら歩いた5時間でした。しかし、ほとんど線路の跡は見られず、盛り土もあまり残ってない、廃線であることを考えると少しさびしい内容だった。鉄道の痕跡を新しい駅舎を作り残すことも一つの方法ではあるが、古いものを残すほうが良かったのではないでしょうか。手間はかかるでしょうが実際に使用されたものは重みが違います。これからも廃止される路線が残念ながら出るでしょうが、ぜひ実物を保存していただきたいと鍛冶屋を訪れてあらためて思いました。まあ、日頃見落としがちな秋の風景を楽しめた一日でした。


←戻る ↑目次へ →次へ
back扉へ

Copyright (c)1998-2025 GWWERKS. All Rights Reserved.