土つくり
1.土を耕す目的
 a.土壌を深くまでやわらかくして、酸素を多く含ませる。
 b.土塊を細かく砕き、堆肥や土壌改良剤や肥料を土の粒子になじませる。
 c.排水を良くし、根の張る部分を深くする。



2.土の耕し方
 土の水分がやや湿り気味のときに耕すと雨水と空気の透過がよくなる。つまり土が団粒構造となり、苗を定着するときの植付け水をかけても水の吸い込みが非常によいし、雨に叩かれても土の表面が板状になりにくい。
 これに対して、過乾燥の畑を耕した場合、土は灰のように単粒構造になり、植付け水も吸い込まないし、雨が降れば土の表面は板のようになり、土中に空気がとおらなくなる。
一方過湿度状態で耕すと作業が大変なだけでなく、土魂も細かくなりにくく、土壌を練ってかえって固めてしまう結果となります。
 ただ、いつも適湿で耕すことは、天候に左右されて難しいので、過乾燥の時は、一雨降るまで待って、過湿度のときは、ある程度乾くまで待つくらいの気持ちが大切です。



3.畑の土の種類
 a.砂質土
水に濡らして指先でこするとザラザラしている。水はけはよいが、肥もちが悪く肥料が速くなくなります。従って、砂質の畑では普通の畑より、肥料や石灰資材を控えめに少しずつ施さないと肥やけやガス 障害が起こります。
 b.粘土質土
水に濡れるとヌルヌルしてベトつきます。肥もちや水もちはいいのですが、逆に排水性や通気性が劣ります。排水性や通気性を高めるためには、繊維質の多い堆肥を多めに施すことです。



4.不耕起栽培
 土は耕起しないと土中に空気が入らないと思いがちですが、実は、案外通気がよいのです。それは、前作の根の腐り後がパイプ役を果たし雨水の通路となったり、空気パイプとなるからです。雨水の通ったあとに空気が追いかける結果となります。
ところが、耕起するとこのパイプをつぶしてしまい、細かく耕すほどパイプがなくなります。でも、耕すことにより団粒構造を作ってやると、団粒の間に水、空気を保持することができるんです。
 どんな野菜も不耕起がよいかというとそうではありません。向かない野菜もあるんで注意が必要です。たとえば、ダイコン、ニンジンなど直根の伸びと肌の仕上がりが大切な野菜は、「九耕十耕無毛」といわれるくらい充分な耕起と深耕が必要です。この時、土は単粒構造になってもかまいません。その代わり、高畝にして、側面からの通気が必要になってきます。

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