キャブレター


 キャブレターはエンジンの調子を左右する非常に重要なパーツです。ですので、これの調子が悪かったり、調整がうまくできてなければ、絶対に気持ちよく走ることは出来ないと思います。街中で見かけるバイクでも、明らかにキャブの状態が悪そうなのがいっぱいいますが、恐らく最も調子の良い状態を知らないか、忘れちゃったのかな・・・と思ってしまいます。

 さて、3GMは前傾の大きいエンジンなんで、ダウンドラフトキャブが付いてます。ダウンドラフトキャブは、重力の方向に空気の流れがあるので充填効率が高いと言われてますが・・・ホンマやろか(^^; ま、それはおいといて、このようなレイアウトになっているので、キャブはエンジンの真上、タンクの真下にあるので、取り外しとか調整はかなり厄介です(-_-; 慣れてしまえばいいんやけどね・・・大幅にいじったりした時は、何度もタンクとかの脱着をせないかんのでかなりうっとおしいです。

 まずキャブレターを触るには、タンクとエアクリーナーを外さないといけません。3GMはキャブより燃料タンクの底が低い位置にあって、しかもリザーブとの切り替えは電機式(基本的にタンクの出口は1つで、センサーがある位置まで下がると、リザーブスイッチを切り替えないとポンプが動かない)なので、コックは


丁度ケーブルの陰になってます・・・(-_-;

のように、マイナスドライバー(No,2)で時計回りに回してガソリンを止めます。間違って逆に回すと速攻割れます(-_-;
このコックを閉じて、タンクに付いているホースとセンサーのプラグ(1箇所)を外すとタンクは簡単に外せます。外したタンクは必ず上面が地面と平行になるように置かないと、特にガソリンが沢山入ってる時は漏れます。エアクリーナーはキャブのジョイントのネジと前のボルト1本で外せます。


真ん中のアクセルワイヤーを外して、インテークとのジョイントクランプのネジを緩める

 キャブ自体は、まずアクセルワイヤーを外して、次にエンジンとのジョイント部分のクランプのネジを緩めてキャブをねじ上げるように外します。この時、右左方向からめくり取るような感じで外すと同調が狂う事が多いです。私は気持ちキャブの前を後ろ側に倒すような感じで持ち上げるようにしています。ま、キャブは1度外すと同調を取った方がいいように思いますけどね。

 基本は掃除です。キャブのフロートカップのネジを外しますが、あまり外してなかったら猛烈に硬い場合がありますので、上等のドライバーを使った方がいいですね。私はここのネジはステンの六角キャップボルトに変えてます。フロートカップを外したら、まずフロートを丁寧に外します。間違ってもニードルがぶら下がっている部分を触っちゃいけません。その部分をいじると油面が変ってしまい後で調整に難儀する事になるでしょう(-_-;
  普通は各ジェットをエアで吹いたり、キャブクリーナーをかければ十分ですが、ついでに負圧ダイアフラムの部分を外して、このダイアフラムのゴムにラバーグリス等のシリコン系のオイルで可塑性を保ってやるようにすると長持ちします。ダイアフラムは物凄く高いので・・・(^^;もちろん、ダイアフラムにはスライドバルブが付いているので、これもきれいに洗浄して、シリコン系のグリスを軽く吹いておきます。
それと、ダイアフラムの入っている部分はすごく汚れてる事が多いので、ついでにキャブクリーナーなんかできれいにしてやります。特に下の吸気ポート側に繋がってる穴(Oリングが入ってます)は入念に。
スライドバルブのガイドの取り外しは、フロート側のネジを外して引き抜くのですが、取り付ける際には無理なトルクで締めこむと速攻ねじ切れますので注意!(1度やってしまった・・・(>_<))

 基本的には、難しい作業は無いので、問題ないと思いますが・・・気をつけること
○ 火気厳禁(^^;
○ キャブを外したインテークポートには必ずウェスとかガムテープとかで異物が入らないようにする。入ったらエンジンオシャカです(-_-;
○ 出来る限りキャブを左右にねじるような力はかけない。
○ 組み付け時はホースの取り付け、ネジ等の締め忘れは何度も確認する。走行中にガソリンが漏れ出すと・・・まさに火の車になります(>_<)
○ Oリングとかは絶対にケチらない。少しでもヒビが入っていたら即交換!元気そうでもシリコングリスなどを付けて出来るだけ劣化を防ぐようにします。
○ 一度取り外したら、リンケージなどの可動部のグリスアップも忘れずに。


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