■WHAT'S FTO? 【 FTOとは 】


三菱が生み出した往年の名車「ギャランクーペ FTO」、
その名前を復活させたのが、このモデル。
この車は1994年10月デビューなので、実に23年ぶりの復活となった。
先代はFRクーペだが、新型モデルは新機構を盛り込んだFFスペシャリティークーペとして誕生した。
ミラージュ/ランサー系と同じ2500mmのホイールベース上に載るボディーは、
小さめのキャビンで全高は1300mmと低く、
運動性能を高めるために前後オーバーハングを極端に切り詰めて全長は4320mmに、
逆に全幅は1735mmへと広げられたことで3ナンバー登録となる。

FTOで最も目を引くのはそのボディラインである。
フロントフェンダーの盛り上がりがボンネットまで食い込むそのスタイリングは、既存の日本車には無かったもの。
抑揚の強いサイドライン、ブリスターフェンダーとなっているリアフェンダー、
スパッと切り落としたリアエンド、トランクリットにエンボスで入っている「FTO」の車名エンブレムなど、
今までに無かったスタイリングである。否応無しにその存在感を振りまいている。
そのため、FTOに惚れ込む人と嫌う人の差がハッキリしているのもおもしろい。
インテリアは前席優先の、典型的なスポーツクーペのもの。

そのボディーデザインと並んで注目されるのが、新機構AT、「INVECS-2」である。
ドライバーの癖を学習し、搭載されるコンピュータが路面状況に応じて自動的に最適な シフトパターンを選択する。
下りのワインディングの場合、セレクターを動かさなくても勝手に1速落としてエンジンブレーキをかけるという、
スポーツ走行をスポイルしない、今までに無いATであった。
又、今では多くの車に搭載されているスポーツモードを日本車で初めて搭載した。
デビュー当時、数車種しか無かったこの機能の中でもFTOのATは非常に出来がよく、
単なるギミックでは収まらない、非常に注目を集めた新機構ATであった。

上記の様な理由でFTOは1994年のカーオブザイヤーを受賞した。

搭載されるエンジンは、3種類。
GSに搭載される125馬力を発生する1800cc 直列4気筒の「4G93」型、
GR/GXに搭載される180馬力を発生する2000cc V型6気筒の「6A12」型、
そしてトップグレードのGPX/GP Version Rに搭載される200馬力を発生する「MIVEC 6A12」型

足回りはフロントがマクファーソン・ストラット/コイル、
リアはトレーリングアーム式マルチリンク/コイルの4輪独立。
ブレーキは前がベンチレーテッドの4輪ディスクで、
GPXのフロントのみは15インチサイズに拡大される。
セーフティー機構付パワーウィンドウ、パワーステアリング、前席バケットシート、
フルオートエアコン、電動格納式ドアミラーなどを標準装備する。

エンジンが若干重く、ノーズの動きはさほど俊敏では無いが、
足回りのセッティングが秀逸でスタビリティーが高く、
フロントのグリップがとてもしっかりしているので、
登りでも下りでもかなりのハイペースでワインディングをクリアできる。
見た目とは違い、走りの面ではとっても硬派な車である。

デビュー当初、展開グレードはGPX、GR、GSの3種類しか無かったが、
1996年2月にGRスポーツパッケージ、GPXの簡易グレードのGPを追加、
1997年2月にGXスポーツパッケージ、最もスポーツに振ったモデルのGP Version Rが登場、
1997年11月に派手なエアロパーツを装備したGP Version R、GXのエアロバージョンが追加された。

側面衝突安全基準をクリア出来なかった為、
残念ながら兄貴分のGTOと共に2000年夏に生産が終了した。

FTOとは英語でFresh Touring Origination(若々しい走りの創造)の略





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