6. 上部タンク内空気層に発生した、上方向の吸引力(収縮エネルギー)は、 既に4項で述べた様に
降水管中の水柱1Mの自然落下による、エネルギーによって発生したものである。
ここで上部タンク水面より 降水管を経て水車の中心までの高さを11Mとすると、上部タンク内空気層に発生した(−0.1KG/cm平方の圧力)は上方向の吸引力(収縮エネルギー)の為に、降水管に装設されている 水車中心に加わる圧力は 1.1KG/CM(平方)から1KG/CM(平方)に減少する。
此れは、ベルヌーイの定理
l
Z1+P1/R+V12/2G=Z2+P2/R+V22/2G=一定
によって証明できる。
7. 上部タンク内空気層と揚水管、ポンプとのエネルギー関係に就いては、6項同様上部タンク水面より
揚水管を経てポンプの中心までの高さを11Mとすると、前6項同様 揚水管ポンプ中心に加わる圧力は
1.1KG/CM(平方)から1KG/CM(平方)に減少する。
8. ポンプが1KG(1L)の水を10Mの高さに揚げる 揚水動力エネルギー Lwは
水動力Lwは、
l
水動力 Lw=rHQx9.8
l
水動力 Lw=1x10x1x9.8=98J(ジュール)
である。
配管抵抗等全エネルギー減失を考慮しても、経験則上 全効率60%と見れば十分である。従って
揚水動力エネルギーは
l
98÷0.6=163J(ジュール)
となる
以上4) 5) 6) 7) 8) の各項で述べた エネルギー関係より 今度は本願揚液装置のシステム全体を系としたエネルギー収支を理論的に説明する。
9 .前記 8項のポンプ〜揚水菅〜上部タンク〜降水菅〜水車〜下部水槽と循環する水量1L(1KG)/Sと仮定して エネルギー収支。を計算する
10. 上部タンクより 降水菅を通って 水車に流れる エネルギーは、前記6項に述べたように、
1KG/CM(平方)の圧力エネルギーとなるので エネルギー方程式は
l
1KGX10Mx9.8 =98J(ジュール)
であり 前記8項と、同様,全効率 70%とすれば、
1KGX10Mx9.8=98X0.7=68.6J(ジュール)
となる。
11.ポンプから揚水菅を経て 上部タンクへ 揚水する事に要するエネルギーは 前記 8項に述べた様に揚水菅のポンプ中心に加わる圧力が1KG/CM(平方)と成るため、前記8項同様 全効率を60%とすれば、
揚水エネルギー=98÷0.6=163J(ジュール)
となる。
12. 前期 4項で述べた通り、上部タンク内空気槽に弾性エネルギーとして 8654.6Jの上方向に働く力である為、 ポンプ動力は、上部タンクの吸引力(応力)と相殺されてポンプ動力は減少する。
13. 理論的にポンプ動力 0 で吸上げられた 水 1L が上部タンク空気層の弾性エネルギー8654.6J に作用して 得られる 吸引力は 489J である。
よって弾性エネルギーを 489J 減少させる。此れにより 上部タンク内の水量は増加する。
14. 前9項記載の水1L(1KG)は、降水管を流下し、水車位置に於いて圧力エネルギーは,自然落下して速度エネルギーに変換され、その結果 水車発電機を回転させる事が可能となる為、 10項で述べた様に エネルギーを外部に 電気エネルギーとして取り出すことが出来る
15. 前項14項の時点に於けるエネルギー計算式は、以下の通りである
l
圧力エネルギー=rHQX9.8 =1X1X10X9.8=98J である。
.
l
速度水頭 =V=ルート2GH= ルート19.6X10 =14M/S であるから。
l
速度エネルギー=(WV2/2GX9.8=(1X14X9.8)/19.6=98J である。
以上が本願揚液装置に於ける、理論的エネルギー収支計算の概略である。