エネルギー収支に就いての理論と計算
1. 先ず本願発明にかかる揚液装置システムの各寸法を、別紙 装置の立体図(2ページ)、装置の要素
の表(3.4ページ)の通りとする。
此れを実際に作動させたデーター等に基き、エネルギー収支を計算して理論的に詳述する
2.出願明細書記載の通り、最初期状態に於いて、上部タンクの空気層は上部タンクの天井より100ミリ下方の水平面上にある、其の空気層の空気圧は、大気圧に等しい。
3.次に降水管のバルブを開放して、水を自然落下させる、すると上部タンク内の水位は下がり、
上部タンク天井より110ミリの位置に水面が来るとバルブを閉じる、この時上部タンク内空気層は
容積を増し、空気圧は -0.1kg/cm(平方)となる。
4. 上記3項の時点に措いて、上部タンク内空気層の圧力エネルギー、即ち収縮エネルギーは
水1766kg即ち1766Lを1m落下させた、エネルギーに相当する.
この時のエネルギー方程式は
l
=1/2xRHQ
l
=1/2x1766kgx1mx9.8 =8654.6j(ジュール)
となる。
5. 気体を圧縮。膨張。させると仕事をする。
気体の体積が変化すると仕事をする。
この方程式は
l
気体にされる仕事 =W=-P△V
l
気体がする仕事 =W=P=△V
である。
一定量の気体をシリンダーに封入し、ピストンを押し、引き、して気体を圧縮、膨張させた場合
W=PS△X である
(W=仕事 P=圧力 S=ピストン面積 X=ピストンの移動距離)
これにより圧力とピストンの移動距離の関係から、フックの法則が成立する。
l
フックの法則 F=KX
である。
フックの法則は弾性エネルギーの式である。
弾性エネルギーは、バネ定数 Kと変形量Xに関係する量である。
4項で述べた空気層の圧力エネルギー(収縮エネルギー)を フックの法則 F=KX で計算してみると
l
バネ定数=0.1x9.8=0.98 0.98(k[n/m])《割る》(0.11-0.10)=98N
l
圧力エネルギー=1/298x0.01x17662.5=8654.6J(ジュール)
となる。
4項で述べた 水の落下エネルギー8654.6Jと一致する。 以上の結果 上部タンクの空気層は収縮力が働いて、水面を上方ヘ吸引しようとする 吸引力(応力)が発生した事になる。
この力は降水管下部までは其の影響力は及ばさない。
応力とは。下部ポンプが作動して水を圧送して 上部タンクの空気層を音速で圧迫した時に初めて発生する現象であり、其の影響力は ポンプ動力の減少にまで及ぶ。