2004年9月11日 更新

自転車のパンク修理=その1 > Top

 パンク修理に必要なものはパンク修理セット(250円ぐらい)とタイヤレバー、バケツと水。タイヤレバー

 タイヤレバーってこんな奴だけど →
 わざわざ買ってまで・・・と思うのなら、マイナスドライバーで代用します。ドライバーを使うのはあまりお勧めできませんが、細心の注意を払えば出来ないこともないでしょう。説明上、車輪をはずした状態ですが、自転車に取り付けた状態でも方法は同じです。

タイヤはずし

 まずはリムからタイヤをはずします。ここで失敗しがちなのが、タイヤのビードを傷つけてしまうことです。いきなりタイヤレバーをリムとビードの間に突っ込んで外そうとすると、無理がたたってビードを傷つけてしまうのです。ドライバーを使うとなおさらひどくなります。右図のようにビード部はリムに沿ってぴったりとくっついています。

 バルブをはずし空気を抜いたら、バルブとリムを固定しているナットもはずし、一度バルブをリムの中側へ押し込みます。次にタイヤ全体をもむようにしながら、リムからビードを剥がしていきます。右の図がリムからビードを剥がした状態。

ビードはずし

 全体のビードが剥がれたら、初めてタイヤレバーを使います。タイヤレバーはバルブの近くから入れていきます。レバーを入れる対角側のビードが確実にリムの内側に落ちているのを確認しながら、2本のレバーを交互に入れてビードを外していきます。ビードが確実に落ちていれば、たいした力も無しに外すことが出来るはずです。

 全体の2分の1ほどビードが外せたら、あとは手で外せるはずです。

 自転車のタイヤの脱着は通常そんなに硬くないはずです。どうしても外しにくい、もしくは硬いと言う場合はたいていビードが完全に外れていないか、ビードとリムの間にチューブが噛みこんでいるかです。それを無理して外そうとするとビードに致命的な損傷を与えることになります。

正常なビード
傷ついたビード 伸びてしまったビード

 右の写真はタイヤのビード部分の例です。上段の写真は正常な状態で、下段左の写真はレバーによって傷つけられた状態です。写真では解りににくいですが、ゴムがすり切れて中にあるワイヤーが見えてしまっています。正規のタイヤレバーでここまで傷つくことはありませんが、ドライバーを使用した場合はあり得るので注意が必要です。
 下段右の写真は無理にビードを引き出そうとしてワイヤーが伸びてしまった状態です。ビード内部のワイヤーが伸びてしまうと、もう元には戻りません。
 いずれの場合もこのタイヤの再使用は不可能です。あきらめましょう・・・(-。-;)

チューブを取り出し修復する

 さて、タイヤの片面が外せたらチューブはそのまま引っぱり出せます。バルブのナットを外してチューブを取り出します。パンク修理セット

 市販されているパンク修理セットの中には普通パッチゴムと紙やすり、ゴムのり、虫ゴムなどが梱包されています。虫ゴムはこのさいあっさり交換してしまいましょう。パンクしている場所を調べるには、バケツなどの容器にたっぷりと水を張り、空気をいれたチューブを水につけて順番にゆっくりと調べていきます。

 穴が開いていればプクプクと気泡が出てきます。小さな穴だと水につけて調べることが出来ますが、大きな穴は空気を入れてもすぐに抜けてしまうので、目視で発見するほうが早いでしょう。

 穴を特定できたら、穴を中心にパッチゴムと同じぐらいの大きさの範囲を紙やすりで削ります。ここは根気よく、チューブの表面が全体的にザラつくように削ります。そうさねぇ・・・たとえて言うと、カラカラに痩せた畑を丹念に耕すって感じかな・・・「変なたとえ!」m(_ _;)m削る方向

 このチューブを削る工程でパンク修理の良し悪しが決まります。チューブの表面はつやがあり、場合によってはシリコン皮膜を形成しているものもあります。この状態のままゴムのりを塗りこんでも、のりは弾かれてしまうだけです。このつやを消すようにペーパーで丹念にまんべんなく削りましょう。

 右の図のように縦・横・両斜めに削る工程を何度も繰り返してつや消しにします。次にゴムのりを少量指に乗せて、削った部分より大きめに塗り広げます。塗りすぎてもだめ、少なくてもだめ、少々塗りすぎ気味に塗り広げたら、表面が乾くのを待ちます。最近のゴムのりは1分もあれば乾きますが、念のため5分ぐらいは放置します。すると乾くと同時に、耕した畑に水がしみこむように、ゴムのリがチューブの表面に染み込みます。

のりを塗る
パッチゴムを貼る

 均等に乾いたら、パッチゴムをしっかり張ります。パッチゴムには裏表があるので間違わないようにしましょう。たいてい銀紙がついている方が接着面になります。透明のナイロンとともにチューブに貼り付け、上から指でしっかり揉むようにして、全体を接着します。

 張り付いたら、透明のナイロンははがします。これで安心は出来ません。もう一度チューブに空気を入れて、パッチゴムが剥がれないか確認したら、再度水にチューブ全体をつけて、今回修復した場所と他の箇所に穴が開いていないか確認しておきましょう。

 はい、これでタイヤはずしからチューブの修復は終了です。ページの容量上、今回はここまでにしておきます。次回で完結!

自転車のパンク修理・その2

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