目は口ほどにものを言うってやつ?




あそぶのがとってもすきです



小都は言動は素直じゃないことも多いけど、表情は素直だ。
感情と顔の筋肉が直結してるっていうか。

デートしようっていうと、嬉しそうな顔をする。
一応隠そうとしてるみたいだけど、バレバレ。
お気に入りなのは遊園地。

だから、今回は遊園地。
前回ホラー映画を見せて機嫌を損ねたみたいだから。

ジェットコースターやら何やら、正直酔うかと思った。
平和にメリーゴ−ラウンドでも乗る?って言ったら、普段よくからかってるせいか「子供じゃないもん!」って拒否された。でも、小都はメリーゴ−ラウンドとか好きだと思うんだけど。

ちなみに、観覧車も断られた。
信用ないなぁ。
まあ、前科もあることだし、間違ってはないけど。

後でお化け屋敷に連れて行く気なのは、横ではしゃぎ気味な小都にはまだ内緒。


「はい」
「え?」

一日遊んだ後、小都に遊園地のロゴの入った袋を渡す。
中身は、さっきお土産のとこで見てたぬいぐるみ。

「ほしかったんでしょ?」

今生の別れみたいな顔して棚に戻してたくらいだ。

「え、でも・・・」

ためらいを見せる彼女の手の中のぬいぐるみに手を置いて言った。

「いらないんなら、捨てるよ?」
「や、やだっ」

俺の言葉を鵜呑みにした小都は、俺から隠すようにぬいぐるみを抱きしめる。

「人の好意は素直に受け取っておくものだよ?」
「・・・ありがとう」

小都は嬉しそうな顔をしながらそう言って、大切そうにぬいぐるみを抱きしめる。

・・・・・・。

「小都」
「はい?」

振り向いた小都の唇に自分のそれを重ねた。
何かもがいてたけど、力の差は歴然としてるし、キスを深めると大人しくなった。

「ん・・・」

そんな顔されると、いろいろ困るんだけど。
俺の胸中なんて知りもしない小都は、真っ赤な顔して睨みつけてくる。
ほんと、分かってない。

「い・・・いきなり何するんですか?!」
「感謝の気持ちは言葉より行動で示して欲しいな、と思って」
「だからって、何もこんなとこで・・・!」
「小都ちゃんはそんなに二人っきりになりたいの? 積極的だね」
「馬鹿―――っ!!!」



小都といると一生退屈しなさそう。





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