恋愛初心者な私にはどれも無理です。




スキンシップがすこしはげしいです



先輩との日常は危険がいっぱい。
デートだってするけど、いつでも第六感を働かせておかなきゃいけない。

二人っきりになって、ちょっとでも甘い雰囲気になろうものなら即危険。

抱きすくめられる。キスされる。押し倒される。

ただでさえ、いっぱいいっぱいなのに。
そんなの完全に容量オーバーだ。

お子様と言われようと何と言われようと、手を繋いでデートとか、そういうのがしたいんです。


なので、素直に提案してみた。

「いいよ。別に」
「え?」
「お子様デートがしたいんでしょ?」

あっさり承諾してくれてちょっと拍子抜け。けど、嬉しい。

水族館に行って。ご飯食べて。ウィンド−ショッピングして。お茶して。
水族館でもお買い物でも、手、繋いで。

何だか恥ずかしいというか、くすぐったかったけど。でも、嬉しかった。
迫られると困るけど、先輩の傍は居心地いいと、思う。



最後に、ショッピングモールにある、おっきな観覧車に乗った。
高いところって結構好きなんだ。
先輩は窓に貼り付くようにして景色を見ていた私を見ながら、笑みを浮かべた。
その笑みがいつもの意地悪なやつじゃなくて、穏やかっていうか、何だか優しくて、困る。

「満足していただけましたか?」

先輩の言葉にこくりと頷く。

そこまでは良かった。

「今日一日は、小都のいうデートに付き合ったんだから」

ん?
何か、声の調子変わったような・・・やな予感。

「次は、俺の提案するデートに付き合ってくれるよね?」

はい?!

さっきまで浮かべてた好青年な笑みは何処へ行ったのか、違う意味でとっても爽やかな笑みを浮かべていた。

「あと、今日大人しくしてたご褒美ちょうだい?」

そう言って、引き寄せられて唇を重ねられた。

「・・・ふ・・・っ・・・」

腕に力を込めて離れようとしても、先輩は離してくれなくて。

「んん・・・っ」

お子様デートって言ったのに。

キスのせいで力が抜けて、体が言う事きかない。
もう、景色どころじゃない。
ていうか、もうすぐ下に着くし。

「う、嘘つき・・・」
「ご褒美って言ったでしょ。それに、デートの締めくくりにキスっていうのは、普通でしょ?」

睨みながら抗議すると、先輩は涼しい顔でそんなことを言い、さらに恐ろしい宣告をされた。

「次のデート、楽しみにしてるから」

そう言った先輩は、すっごく楽しそうで。

・・・・・・悪寒が。

風邪とか、ひかないかな。
そんな都合よくひかないだろうけど。


―――教訓。上手い話には、裏がある。


もう、先輩の優しさなんて、信用しないんだから。




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