グルメ17 ぼくらの卵戦争
扉ページ。いろんな種類の卵をバックに食井が
「食用の卵にはみんなが知ってるニワトリの卵以外にもこんなに沢山の種類があるんだよ」
とかウンチクたれてますが、そんな料理に関係あるようなウンチクはもちろん本編と無関係です。

「さあグルマン・キッズ・レース第2Rもいよいよ最高潮! 当初50人もいた天才グルマン・キッズたちがいよいよ2人にしぼられようとしています」
という本編初セリフからもうツッコミどころ満載です。
テクニカルにツッコむのめんどくさいからもう適当にいきます。箇条書きで。

食井がおでん作ってるだけなのがそれほどまでに最高潮なんですか?
●第2R開始時点で50人からたったの4人に絞られちゃうってのは観に来た観客的には萎える展開だろ。
●「料理対決」なんか観戦して面白いんか? 自分も試食できるならともかく。(これは他の料理マンガにも言えることだね)
●「キッズたち」って変な言い回しだなあ。「キッズ」の時点ですでに複数形だろ。
●ていうかいつのまに第2Rで2人にしぼられる設定になってますか?
●王府とカンロが2人とも醤男より美味いものを作る可能性は無いんですか?
●王府とカンロが2人ともクソマズイものを作る可能性も大アリだと思うんですがどうなんですか?

そして 一足先に「ウィナー・チェア」に座り、その戦いを高見の見物するは 茶屋醤男!

・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・なんだこりゃ? ナメてんのか?
これ絶対小学生の発想だろ!
「ええとー、りょうりたいけつでかった人がすわるイスだからぁー。そうだ、食べものをうめこもう。食べものといえば、ええと、リンゴにバナナにぶどうにみかんにぃー、ええと、にんじんじゃがいも・・・」
って発想だろ!ううう・・・
なんかこうやってツッコんでるとホントにいたいけな小学生いじめてるみたいで気が引けるな・・・。
・・・は! それが狙いかっ!? くそ、だまされるところだったぜ! やるな、ゆでたまご先生!(一人相撲)
なんにせよ、醤男くんにはとってもお似合いですよ。このイス。
あと細かすぎてすみません。ウィナーチェアにしないとシックリこなくないですか?

こんなセンスのかけらも感じられない変なイスに座りたがってるかどうかはともかく、
王府くんは「一切水は使わず卵50個と小麦粉と塩だけを丹念に練り合わせて作った」生地を手延べ方式で麺に変えていきます。
解説の田力さんによると13歳で手延べ技術を持ってるのはスゴイことだそうです。

一方の食井カンロはおでん作りに時間を費やし、たった1個の卵をようやく調理に入ったところ。
ここで制限時間残り10分のアナウンスが入ります。

そうそう、前回ツッコミ忘れてた。
前回の第16話で唐突に「20分経過!残り時間は40分」ってアナウンスが入るのですが、第15話の卵試しスタート時はそんな時間制限があるなんて一切触れられていません。さりげない後付け設定に脱力脱帽です。
卵試しが始まったばかりの第15話は時間の概念自体が全く無いっぽいしなあ・・・特に我夢くんに注目すると。
彼は、料理の全工程(調理時間はもちろんのこと、第16話の試食タイム・料理が冷めてまずくなるまで)を5分程度で済ませてるっぽいですよ。すごすぎます。さすが天才グルマンキッズです!えへへえへ

話を戻します。残り10分! このアナウンスを聞いた王府くんは余裕の表情で冬瓜の器を作り、その表面に見事な龍の飾り彫りを施します。たぶん1分くらいでやってます。「どうでもいい小細工をありえないスピードでやる」事でしかすごさを表現できないのかこのマンガは。すごいですね。
そしてその冬瓜の器を豚骨スープに沈めます。

一方カンロはゆであがった卵に包丁でチマチマ穴を開けています。ここではその意図するところは明かされません。ええ、みなさんの予想通り「どうでもいい小細工をありえないスピードでやる」です。
それは置いといて、カンロは長時間−−作中時間20分位のはずですがゆで先生的には1ヶ月経ってるので長時間です−−長時間煮込んだおでんを全部捨てます。どうやら使うのはおでんの汁だけだそうです。食べ物を粗末に扱う食井家らしいやり方にうんざりです。
そしてさきほどのゆで卵をそのおでんの汁に浸けます。
残り時間5分!
左の絵をご覧ください。
セリフを見ていただければわかると思いますが
これは残り5分を告げられた直後のカンロの顔のドアップです。
なんか変ですよね? 目の所が妙にゴチャゴチャしてる。

私はずうっと、つい最近までコレを、
下描きの時の鉛筆の線か何かが残ってて消し忘れてんだろ?
と思っていました。
なんだかシックリ来ないなあと思いつつも、
一応「目」の下書き消し忘れに見えなくもないからね。

しかし、違いました。
これ、「カンロの瞳に映った鍋」なんですよ。
鍋に汁が張ってあって、卵が浮かんでる。
うむ、これはシックリくる。つじつまも・・・
つじつまは合わねえよ!
うっかりだまされるところだったぜ。

普通、「瞳に映る」って描写をするときは、
黒目だけに描くだろ!!!
なんで白目に映ってるんだよ!!
お前の強膜はガラスでできてんのか!

と声を大にして主張したいと思います。

いや、すみません。本当はそこまで気にはなってないんですけどね。
最近までダマされてたのが悔しくってつい。

残り5分!
王府くんに目をうつすと、さきほどの冬瓜の器に麺を入れています。
ここで実況が「なんと冬瓜はラーメンの器だったーーっ!」とか言って驚いてるんですがコイツは他にどんな使い道があると思ったんだ?
まさか頭にかぶるとでも? ・・・ハハハ、そんな頭に変なものを搭載するなんてバカなことあるわけないじゃないですか。
・・・・・・そんなバカなこと・・・そんな・・・バカな・・・こ・・・




ごめん、じゅうぶんありえる選択肢だった。


さて、運良く普通に「器」として使ってもらえた冬瓜に麺を入れたところに話を戻そう。
これにもやしを乗せて王府くんの調理は終了。純粋卵大王麺の大完成です。


残り時間1分!
あわてふためく与輪木くんを尻目に、さして急ぐ様子もないカンロ。ゆで卵の殻をキレイに剥くためのウンチクをたれはじめます。
さすが神(作者)に愛された主人公。彼にとっては制限時間なんぞ あって無いようなものです。不公平です。まさにデキレースです。
(たったの4分で)おつゆが染み込み「いい色」に染まったゆで卵を剥くと・・・
なんと白身に勇ましい虎がしょうゆ色に染め描かれているーーーーっ!
これぞカンロ作天上一・しょうゆ染め卵だーーっ!!


ええいこんなものはどうでもいい! 問題はさきほどの「ゆで卵をキレイに剥くためのウンチク」です。
おそらく10秒くらいで描かれたと思われるどうでもいい勇ましい虎なんかよりコッチのが断然気になります。その内容は・・・

卵をスプーンで叩き、テーブルの上で軽く転がすことで卵全体にきめ細かくヒビを入れます。
フィニッシュは卵を立てて柳刃包丁を軽く当てる・・・と卵の殻と薄皮だけがバリバリバリ!とキレイにはじけ飛びますふざけるなコレ絶対ウソだろいいかげんにしろ。

料理マンガではウンチク部分こそが作者の取材の気合の入れ所・知識の見せ所だと思うんですけど・・・、
よりによって題材が「ゆで卵の剥き方」というとてもショボイ事で、なおかつウンチクのラストを超常現象で締めるな。
それに 個人的にゆで卵を剥く時は、一旦冷水にひたすほうがキレイに剥けると思います。もちろん殻がはじけ飛んだりはしないですがね。
はじけ飛ぶといえば電子レンジに入れてもはじけ飛ぶけど、それは卵自体が爆発するのであって「殻だけ」ってのは無理だしなぁ。やっぱどう考えても超常現象です。
ていうか、「細かくヒビ入れて包丁を立てる」って初めて聞いたな。ひょっとして間違ってるんじゃないの?まさか・・・ねえ?

その前の調理法にも着目すると、先に殻をむいてからおでん汁に漬ける方が味がよく染み込むと思うがどうか。殻をロクにむいてないゆで卵をおでんの残り汁に3・4分漬けるだけで こんなクッキリしょうゆ染ができるんでしょうか。味はちゃんと染み込むんでしょうか。考えれば考えるほど無茶苦茶です。

さらに追い討ちをかけるようで申し訳ない。直後のカンロ本人による虎の絵の解説。
「さっきの殻の穴開けはこの虎の絵を彫っていたんだ。おでんスープに入れることで穴からつゆがしみこんで濃く染まるってことか
とほざくのですが なんで他人事みたいな口調ですか。お前がやったんだろ? 大丈夫か?

このゆで卵は半分に切られ(審査員が二人いるから)、丸い部分は下を向くのでせっかく描いた虎は速攻で見えなくなります
上の画像が、「しょうゆで染められた勇ましい虎の絵」の最初で最後の登場シーンです。これ1枚ッきりです。
この先1コマたりとも表を向くことはありません。なんだったんだ・・・
純粋卵大王麺ですらコピーとはいえ数コマ登場したのに・・・コピー以下かよ主人公の料理。
冬瓜の飾り彫りの龍に対する しょうゆ染の虎で、「龍虎決戦」とか言いたかったんでしょうが、
そのあたりは全然強調されません。強調どころか1コマだけじゃなあ(笑)誰も気づかないんじゃないか?(笑)


グルマン・キッズ・レース、益々ヒートアップ!(大ウソ

続く