【さよなら旅行】で道に迷い、とある山荘に逃げ込む聡と真奈美。
霧に閉ざされ、外に出られず、暇をもてあました二人はお互いにうんざりしている。
『ここは昔、町があったんですよ。』語り始める怪しげなこの家の主人。
突然、鳴り響く鐘の音。
『不思議ですね。鐘などとっくに無いのに。誰がついているんでしょうね...。』
いつしか主人の話す物語の中に入り込んでしまった二人。
そこは奇妙な病にかかってしまった妙にノーテンキな市民が闊歩する町だった。
背中に木がはえている者、遠くが見え過ぎる者、どうしても指に鳥が止まってしまう者、
羽のはえた嘘つき、偉くなれない腰の低い王様。病にかかっていても皆全く悲壮感がない。
(泣くと卵を産んでそれを販売するウミガメ病の橋本氏、高血圧で常にでっかいヒルに血を
吸わせている男の若松氏等、新キャラが増えていました。)
―不思議な村―
ミョーに腰の低い国王が市民に懇願する。
『奇跡をおこす剣を探しに行ってもらえませんかねえ。』
しかし、誰も出られぬよう森に怪獣を放し、軍隊に町を封鎖させ、しかもそれをすっかり
忘れてしまった王に対して市民は非難轟々。自分の病を理由に押し付け合っている。
『私が行こう!』とってもかっこつけて名乗り出る真奈美。
『私は旅人とでも呼ぶがいい。こいつは下男。』勝手に名付けられてしまった聡。
怪獣に乗って市長登場。『王の前で乗り物に乗ったままとは失礼ではないか!』
『ことわーるっ!理由は説明できないが
断るっっっ!』
(怪獣の足にはなるしさんの足が入っています。そりゃ降りられませんよねえ。笑。)
反対する市長を尻目に、旅立つ真奈美と聡。
四葉のクローバーを探す乙女が一人。
『四葉のクローバー?もう二三歩行ったところにあるよ。』頭上から声が降ってくる。
声の主はカビ人間。見た目は醜くカビだらけ。しかし心は優しい村の鐘つき男。
娘はおさえ。《思ったことと反対の言葉しか出せない病》にかかった美少女である。
しかし娘は悲鳴をあげ、逃げさってしまう。
『彼女に何をしたーっ!』剣を振り回し、乱入する男が約一名。
自称《おさえの婚約者》の戦士である。
(さとしさんの声のひっくり返った「おさえちゅあ〜ん!」は何回聞いても笑えます。)
戦士を訪ねて、ど派手な怪しい神父がやってくる。
『奇跡の剣を探しに出たという旅人の話はご存知か?』『それは素晴らしい若者だと。』
『【笑っちゃうわよあっはっはー】ですな。』(ものすごーく真面目な顔でさらっと言う神父。)
『きゃつらは邪教団の密使、悪の教団【闇の蝙蝠と地獄ファイブ】(すごい名前..。)。
やつらに剣を渡すな。ゆけ!戦士よ!』戦士が己の馬を呼ぶ。(この馬が最高!)
背中がなく、丸太にピノキオの鼻と胡坐をかいた三白眼(すわった眼)がはりつき、しかも
直立二足歩行というけったいな生物。戦士と共に縦列に並んで立ち去ってゆく。
(無表情な馬もどきなのですが、さとしさんにおもちゃにされ、一発ぶん殴られた時には
身体をふるふる震わせ怒りを表現しています。そしてくるりと踵を返し、戦士をうっちゃって
さっさと立ち去ってゆくのでありました。)
胡散臭い生臭坊主の前にこれまた胡散臭い市長が現われ、教会への献金と引き換えに、
奇跡の剣を横取りしようとを画策している。ふたりはかつて群馬水産高校野球部の黄金の
バッテリーと呼ばれた同級生であった。(まるで悪代官と越後屋のような会話である。
群馬水産高校校歌がおかしい。♪海〜がなくても水産学ぶ、ぐ〜んまあ〜す〜いさん
こおとおが〜あっこ〜っっ♪ざんざかざん♪♪思わず一緒に歌ってしまいそうに...。)
―教会にて―
村人のいたずらで教会に閉じ込められてしまったカビ人間。同様にミサに来ていたおさえも
閉じ込められてしまう。
怯えるおさえ。逃げるはずの村人と違い彼女は『側に来て、私に触って。』と言う。
おそるおそる彼女の頬に触れるカビ人間。柔らかい初めての感触に戸惑う。
一方、魔物の徘徊する森の中では、戦士や真奈美達が奮闘している。
その後、度々花を持っておさえの家を訪ねるカビ人間。父親に会わない方がいいと止め
られるが、『上がってきて。』おさえは言う。しかし『側に来て。』と言いながらも泣き続ける
彼女の姿に戸惑うカビ人間。
想いが伝えられないおさえ。自分がもどかしくてたまらない。錯乱したおさえはカビ人間が
贈った花を植えた鉢を外に投げつける。
間の悪いことに鉢は侍従長の頭を直撃し、大怪我を負わせてしまう。やがて犯人探しの
お触れが村中を駆け巡る。『やったのはぼくです!』名乗り出るカビ人間。
―彼女の微笑―
釈放されるカビ人間。『おさえを助けたかったか?』優しく声をかける父親。おさえの病気の
ことは牢屋で聞いたと告げるカビ人間。
『どうして私を見殺しにしたの?ぶん殴ってやるから覚悟しなさい。』花を渡し、そっと彼の頬を
なでるおさえ。(悪態をつくおさえと一言一言に狂喜乱舞するカビ人間のやりとりがおかしい。)
―市長の不運―
『なぜ私が死なねばならんのだーっ!』市長の絶叫。胡散臭い神父の占いによると
『セント・スティーブンスデイの12時10分前の鐘が鳴り響く時、市長が死ぬ。』という。
(変な人形とミョーな笛で占うのですがこれがまたびみょーにリアルで笑えます。)
カビ人間に鐘をつかせまいとする画策する二人。
自分の教会に火をつけ、その罪をカビ人間になすりつけることを計画する。
殺気立つ村人。止めようとおさえは飛び込むが彼女の口は『やったのはカビ人間!
彼を殺して!』と心とは反対の言葉ばかりを紡ぎだす。村人の怒りは頂点に。
―奇跡の剣をゲット!―
次々と難問奇問をかたずける戦士と真奈美達。反目していた彼らはいつしか互いを認め、
協力して剣を探している。そして最大の関門へ。
聡のへたくそなエルビスの歌のおかげで見えない怪獣を倒し、これまた聡の記憶のおかげ
で剣を見つけることができた一行は急いで村をめざす。(聡の姿はザリガニ?になったり
びらびらのついたエルビスのステージ衣装に変ったり忙しい。でも姜氏はあまりにも男前
すぎてさほどおかしくないのです。)
―僕は鐘つきなんだ。―
なんとかカビ人間を逃がそうとするおさえ。懸命に説明するが彼はそれでも鐘をつくという。
『僕はこの村の鐘つきだからね。』微笑みながらおずおずとおさえに告げる。
『ぼくは、おさえちゃんが好きだなあ。』
カビ人間と入れ替わりに剣を手に戦士が現われる。そこに手勢を引き連れた神父が現われ
剣を奪おうとするが、返り討ちになる。『あと一人!』はじかれたようにおさえはその剣を奪い
外に飛び出す。
村はますます殺気立っている。聡と真奈美は懸命になだめようとするがその声は届かない。
二人は物語からはじき出された。
武器を手に殺気立つ村人の前に現れるカビ人間。真っ直ぐ教会の鐘つき場に向かう。
『つづけて!殺して!お願い!』おさえの絶叫。おかしくなった侍従長が引き金を引く。
何度も何度もカビ人間を目がけて。『お願い!殺して!』階段に倒れこむカビ人間。
『わたしは...わたしだけは、おまえがだいっ嫌いなの!』泣きながら叫ぶおさえ。
『奇跡なんかクソっくらえ!』鐘の紐に手を伸ばすカビ人間。剣を自分に突き立てるおさえ。
銃声が響き渡る。
病が消えてゆく村人。娘の亡骸を抱き上げる戦士。泣き続ける真奈美を抱きしめる聡。
―次の奇跡―
語り終える主人。
『私にも奇跡は起こりましたよ。あれから何度も鐘の音を聞いているのですが、一向に
死ねないのです。いずれ後を追いますよ。次の奇跡が起こればね....。』
血に染まった奇跡の剣。崩れ落ちる聡と真奈美。すべては、霧の中...。
【むずかしい〜】
今回はwowowの映像があったんでセリフは楽だったんですが、笑いを文字で再現するのは、
また逆に映像があるからこそ難しかったです。(想像が入る余地がないと申しましょうか。)
さとしさんが最後に泣かせてくれるんです。黙って抱き上げるところがなんだか小さい子供の
亡骸か、壊れたお人形を抱きしめてるみたいで切なくて。(ふと思ったんですが、井上君に
カビ人間やってほしいなあ。顔をわからないくらいメイクして、体型かえてあどけない子供
みたいなキャラで。そうすればさとしさんや、なるしさんとの共演が見られる!聡じゃ当たり
前すぎてつまらないですから。)
【カーテンコール】
おもむろに後藤さんはギターを手に現れ、全員英語で合唱。(なんだかカントリーっぽい曲
だったと思いますが。)ちょっと得した気分。