ああ、長かった...。しかしなんて取りにくいチケットだったのでしょう。
今回は3回は観たいな♪などという甘っちょろい浅はかな私の考えは一瞬のうちに粉砕。
本当によくぞ取れたもの。しかも1枚はオペラグラスを使わないで観られる席。
エリザは後ろか二階席でしか観たことがありません。ああ、神様ありがとう。(落涙)
でもいきなり毒を吐きたい!音が悪ーい!山口さんの声にエコーのかけすぎ!
PA何考えてるの!井上君も高島兄もみんな頑張ってるのにー!ああくやしい!
(帝劇さん、音響だけでもなんとかしてくださいまし!)
嬉しいことはあのつぶつぶ(電飾)がなくなったこと。視界でちかちかつぶつぶされるのは
はっきり言って目障りでした。真後ろだからイヤでも視界に入ります。
役者さんに集中できなくてイライラしていたんです。(もう一つ欲を言うと木登りシシィの
映像はなくてもよいなと。あんまり前と変わらなくて泣きました。)
トート隊や亡霊達のせわしい振り付けも変わらず。
なんだか懐かしのマイケル・○ャクソンのス○ラーを思い出して、笑えるんです。
なんとかこう、ゴシック・ホラーのにおいというのでしょうか、妖しい感じが欲しい〜。
トート隊のロング・ジャケットの裾とかもっと綺麗に翻りはしないかと。
(あまりにもちゃきちゃき動くものだから、身体に巻きついてしまって、なんだかなあ。)
ああ、力一杯毒を吐きまくってしまいました。
ではではあらためて。
演出はさほど去年とは変わってないように思えましたので気がついたことだけ。
山口トート。今回はシシィへの愛を感じました。いつものオレ様な毒気(笑)が幾分薄め?
(でも山口さんも体調が悪かったのでしょうか?ものすごい汗!元気がない様に見えた
のは私だけでしょうか?)
【謁見の間】
側近がバートイシュル行きの馬車が用意出来たと告げると、綜馬フランツはほっとした
嬉しそうな表情を浮かべていました。実はお見合いの為と聞かされると『結婚...?』
とぽつり一言。そんな話は聞いていない!といった様子でした。
【バートイシュル】
高島氏負傷の為、いつもはルキーニが大荷物を運んでくるのですが、28日はなんと
一路さんが荷台を押してきました。『んもうっ!』とシシィは毒づいてましたけど。
【婚礼の夜】
28日。山口トートは《最後のダンス》の出だしが遅れていました。
【娘の死】
《闇が広がる》始まりはえらく弱々しい感じ。以前の余裕たっぷりのミョーに優しい
歌い方のほうが好みですねえ。途中からは復活しておられましたが。
【最後通牒】
山口トートのささやくような優しい《エリザベート〜愛のテーマ〜》(そりゃあ、シシィでなくとも
ふらっとしそうになりますわあ。笑)
シシィに拒絶され、トートは羽ペンを床に投げますが、いつも上手くささってるな〜と感心。
山口閣下の背中に怒りを感じます。
それでは二幕。
【ゾフィーの死】
驚くほど年老いて(歩き方がまるっきり違います。)恐ろしく気難しい表情のゾフィー。
息子に非難され、『義務を忘れた者は滅びてしまう。』と言うゾフィー。初風さんは母の顔で
諭していましたが、寿さんはどこまでも施政者の顔。
胸をおさえて崩れ落ちる姿はハプスブルクの終焉を体現しておられました。
【父と息子の諍い】
はい、お待ちかねの井上王子の登場です(笑)。いやあ、結構ツボだった井上君と綜馬さんの
ガンとばし(笑)。『アンタがしっかりせえへんからあかんのじゃ!』(何故大阪弁...。)と
言わんばかりの冷たい息子の目つき。反発どころじゃなかったですねえ。
【憎しみ】
ナチの旗(?横断幕じゃあないですよね?)を引き摺り降ろし、地面に叩きつけるルドルフ。
(以前は叩きつけていましたっけ?)
民衆が一人去り、二人去り、遂にたった一人取り残され、壁にすがり膝を付く皇太子。
『子供の頃のあの約束を覚えているか?』いつか聞いた懐かしい声。
悲痛な表情に笑顔が浮かぶ。『友達を忘れたりはしない。』
(井上君はあまり腰が引けていませんし、後ずさる時間は随分短かったのですが、やっぱり
この振り付けは好きになれません。)
初演では翻弄される繊細な王子様でしたけど、今回はものすごく自分の意志を感じました。
無力な己に悔しさ、歯がゆさを覚え、父に叛旗を翻すことにまだ迷いを持っている、最後の
一線をトートが一押しして越えさせたといった感じでしょうか。
(『立ち上がる』と強い口調で言った後、考えてはならぬことをとうとう口に出してしまったと
呆然としている井上氏の表情がこれまたツボ。)二日ともショーストップでした。
【独立運動】
革命家達の謀議に加わる皇太子。
(ダンスシーンで井上氏の『はっ!』という掛け声が聞こえます。)
役人に踏み込まれ、取調べで名を尋ねられて姓を答えるまでの間の長いこと。万策尽きたと
いう様子で天を仰ぐ井上氏。
父に咎められる息子。『お前の処分は追って沙汰する。』石川フランツは怒った口調。
綜馬フランツは穏やかな口調。(かえって余計に息子に対する怒りと失望を感じます。)
待ち焦がれた母。しかしその母はかつての輝かしい姿は面影も無く、心を病んで自分の闇に
閉じこもり、息子の姿も声も届いていない。(一路さんまた解釈がかわりましたね。冷たい母
とかの次元じゃなくて完全にあちら側に行ってしまっている人です。)
井上君も初演の見捨てられた孤独な息子ではなくて、『自分は一体、何を期待していたんだ
ろう?自分がやってきた事は一体何だったんだろう?』といったむなしさが伝わってきます。
【マイヤーリンク】
絶望感に打ちのめされる皇太子。女の姿で現われる死の使い達に嬲られるルドルフ。
心臓を掴みだされ悲鳴が響き渡る。
(上着を脱がされた理由がわかった気がします。身分も権力も皇太子としての矜持も全部
剥ぎ取られ、ただのルドルフとして死神の前に放り出されたのではないかと。死ぬ時は何も
持ってはいけませんもの。)
駆け寄ろうとして初めて気付く。友達と思っていた者が一体何であったかを。
(山口さん立ってるだけなのに怖い!いつものオレ様な魔王様ではなく死神でした。)
身を翻すルドルフ。遂に死の腕に捕らえられる。死の接吻。(井上氏は自分から目を閉じて
身をゆだねていました。しかし山口さん、何だかキスの時間長くなってません?演出かわり
ました?以前はもっとあっさりしてましたのに。笑)
トートに銃を渡され、震える手で自分のこめかみにあてるルドルフ。
(井上君の嗚咽が聞こえます。死の恐怖に怯えて、怯えて身体を震わせています。
今回はほんとにリアルです。あれだけ間が長すぎると思っていたのに全く気になりません
でした。井上君、芝居が細かくなりましたね。)
【悪夢】
トートと対峙する皇帝。熱いぞ!石川フランツ!むっちゃシシィを愛してますねえ。(笑)
【カーテンコール】
一路さん自分は手を振りながら、山口氏の右手をがしっと掴み、手を振らせていました。
28日。今度は山口さんが一路さんの左手を掴み、手を振らせていました。
二人ともにこやかに微笑みながら。なんかオカシイ。
井上君はいつも和馬君の背中に手を添えて前に押し出してあげていました。
【個人的に】
友人間では石川フランツ派が多いんですよねえ。綜馬フランツ派は私とRさんの二人。
生き方のドンくさい綜馬さんが好き。帝王学は習っても野生の小鳥の扱い方は誰も教えて
くれないし。もういかにもそういうことに疎いぼんぼんって感じで。
自分がそういう環境で育ったので、それが当たり前。シシィが何に不満を感じているのか
全く理解できていない。ほら、いかにも王子様じゃないですか。(笑)