赤ワインにはポリフェノールが豊富

 赤ワインの中にはフラボノイド、アントシアニン、カテキンといったポリフェノールをはじめ、小さい分子のシンプルフェノールや、逆にカテキンがいくつもつながってできた、分子の大きいタンニンに至るまで、ポリフェノールのオンパレードといってもいいくらい様々なものが含まれています。これはワインを作るとき果皮や種子、それに果梗(カコウ。ブドウの房のジクの部分)も一緒に発酵にかけ、さらにオークの木の樽に詰めて熟成させるといったプロセスによるものです。こうした過程で果皮、果肉、種子、果梗、さらには樽の木などから色々なポリフェノールが溶けだし、さらに熟成の間に緩やかな反応や結合を起こして、また別のポリフェノールが作り出されます。
 赤ワインの100mlの中には200mg弱ものポリフェノールが含まれています。白ワインの方は果皮と種子を使わないので赤の約10分の1、グレープジュースでは果皮の色素アントシアニンだけなので赤ワインの4分の1くらいだそうです。

『赤ワイン』中のおもなポリフェノール類

アントシアニン 果皮、果肉から マルビジン、デルフィニジン、シアニジン、ペチュニジンとその配糖体。
種子から プロアントシアニジン(ロイコアントシアンともいい酸性で加熱するとアントシアニジンになる)。
フラボノイド 種子とその回りから ケルセチン、ケルシトリン、ルチンなど
カテキン、タンニン 種子、果柄、樽から カテキン、ガロカテキン、エラグタンニンなど
シンプルフェノールのカルボン酸類 種子、果柄、樽(発酵中の分解物も含む)から 没食子酸(ガリック酸ともいう)、バニリン酸、カフェ酸(コーヒー酸)、エラグ酸、タンニン酸など
その他OH基の多い化合物 各部(発酵、熟成中生成物も含む)から クロロゲン酸、キナ酸、シキミ酸など
樽から リグニン

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