一汁一菜の映画鑑賞記 その 10 2008.1〜 ) 

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インデックス

  2008.1月  □東京タワー オカンとボク、時々オトン   □デッド・ゾーン(DEAD ZONE)  □善き人のためのソナタ  □アフリカン・ダンク                     ダイ・ハード4.0  □主人公は僕だった トランスフォーマー(TRANSFORMERS)
         
パイレーツ・オブ・カリビアン3・ワールドエンド  アポカリプト(APOCALYPTO)

 

 

 

 9  アポカリプト(APOCALYPTO) 鑑賞 レンタルDVDにて 2008.1.28(月) (今年9本目)
2006年 アメリカ映画 138分
監督 メル・ギブソン
出演 ルディ・ヤングブラッド/ダリア・エンナンデス/ジョナサン・ブリューワ/他

 16世紀初頭の南アメリカ。ユカタン半島。部族の長の息子ジャガー・バウは仲間とともに狩猟をし妻と子とともに平和に暮らしていた。その部族が突然帝国の傭兵に襲撃されます。村は焼かれ捕虜として捕まるか殺されるか。バウの父は殺されバウと仲間は捕虜として町へ送られる。町は王が支配し凶作の生贄に捕虜の心臓をささげていた‥‥。

 監督メル・ギブソンのアクション活劇映画としてみた方がいいでしょう。マヤ帝国傭兵の容赦ない暴力が全編を支配し、画面から一瞬とも目を離すことは出来ません。暴力が支配する恐怖。村が襲われる・連れ去られる・生贄になる・逃亡と追跡。どれも手加減がありません。その意味ではグロテスクで残酷です。心臓に悪いかも知れません。しかし、私は森の中の活劇映画として楽しみました。CGで作製した画面は迫力があっても無機質です。この映画の森の中におけるアクションはそれがない。走る・走る・走る。20分位走り通しています。そして最後は巨大な滝へダイブ。
 マヤ文明を現すような巨大な空中都市の建設場面が出てきます。こうした都市は奴隷労働の膨大な犠牲の上に出来たということを言いたいのでしょうか。


推薦度★★★☆☆

 

8  パイレーツ・オブ・カリビアン3・ワールドエンド 鑑賞 レンタルDVDにて 2008.1.27(日) (今年8本目)
 2007年 アメリカ映画
監督 ゴア・バーギンスキー
出演 ジョニー・デップ/オーランド・ブルーム/キーラ・ナイトレイ/チョウ・ユンファ/ジェフリー・ラッシュ/他


 東インド会社は「タコ」船長と組んで海賊を次々撃破、海を制覇する勢いだ。そこで9人いるという伝説の海賊が一同に会して東インド会社とやり合うことに。その9人目がジャック・スパロウだった。彼はワールドエンド(地の果て)で囚われの身。救出劇が始まる‥‥。

 パーレーツ・オブ・カリビアン3部作の三作目・解決篇です。ヒーローのジャック・スパロウとエリザベス・スワンとウイル・ターナーの活躍を描くファンタジーSF物語。ストーリーを追ったりしないで、理屈抜きで場面を観て楽しむ映画です。戦闘場面の激しさは堪能できます。1作目は怖かったのに、今回は何が出てきても怖くないのが残念です。ただただ闘います。一作目が一番良いと思うのは仕方のないことでしょうか。これで「解決」、次作はないでしょう。


推薦度★★☆☆☆

 

7  トランスフォーマー(TRANSFORMERS) 鑑賞 レンタルDVDにて 2008.1.26 (今年7本目)
2007年 アメリカ映画 144分
監督 マイケル・ベイ
総指揮 スチーブン・スピルバーグ
出演 シャイア・ラブーフ/ミーガン・フォックス/他


 中東の米軍基地が丸ごと何者かに襲われる事件が起きる。生存者はいないのか。データが盗まれる事件があちこちで起きる。16歳の少年サムはお父さんに車と購入してもらう。ボロ車。だが不思議なことに一人でラジオが鳴ったり音楽がかかったりする。エンジンはすごい。通信網への侵入は大統領専用機にまでおよび事態は深刻となる。ロシア・中国の仕業か。中東の基地に生存者がいて謎の物体と闘う映像を見て仰天する。金属の塊が生命体であるかのように躍動している‥‥。

 金属があらゆる形に変形して闘いを始めるというSFの話。地球侵略する悪者とそれを防衛する人類に加勢する良者が出てきて闘うというのは単純で分かり易い。ラジカセが金属生命体に変身するのがワンカットですからすごい。暴れて暴れて破壊の連続です。ストーリーは少年を絡ませて、生命体の意思を画面に伝達しています。特撮をとにかく楽しみました。

推薦度★★☆☆☆

 

6  主人公は僕だった 鑑賞 レンタルDVDにて 2008.1.22(火) (今年6本目)
2006年 アメリカ映画 112分
監督 マーク・フォースター
出演 ウイル・フェレル/エマ・トンプソン/ダスティン・ホフマン/マギー・ギレンホール/他


 ハロルドは米・国税局に勤務する税調査官。毎日同じ時間に起き歯磨きし同じ歩数でバス停に行き夕方は家で食事して決まった時間に眠る。12年間変わりがない生活。ある時、頭の中で女性の声が聞こえた。行動を逐一表現しているような口ぶり。気になって仕方がない。カレンという悲劇作家がいた。10 年ぶりの大傑作を執筆中。「税務官の死」。声の主はカレンではないか? ハロルドは税調査でクッキー屋に出かけ、女主人に興味を抱く‥‥。

 自らの意思で自分の人生を歩いているはずなのに誰かがつくったストーリーの上をただ単になぞっているだけと知ったら‥‥。
 冴えない主人公が自分を取り戻すために定められた自分の運命を変えるために奮闘するファンタジーなお話です。ジム・キャリーの「トルーマンショー」にちょっと似ていますが、作家自身が展開をどうしようと悩む所が新しいかも。クッキー屋との恋も花を添えています。楽しく見ました。


推薦度★★★☆☆

 

5  ダイ・ハード4.0 鑑賞 レンタルDVDにて 2008.1.17(木) (今年5本目)  
 2007年 アメリカ映画 129分
監督 レン・ワイズマン
出演 ブルース・ウィルス/ジャスティン・ロング/マギーQ/ティモシー・オリファント/他


 アメリカ全土を襲うサイバーテロが発生した。彼らは「ハッカー」の力を利用して攻撃を行うプログラムを作っていた。ジョン・マクレーンは一人の若いハッカーを連行するうよう命じられる。彼の家に入った時、利用したハッカーを亡き者にしようとするテロ集団の襲撃を受ける。彼を連行するための闘いが始まるのだった‥‥。

 ご存知「ダイ・ハードシリーズ」の第4弾です。不運で不死身な男が帰ってきました。三作目からは12年の間隔があるということです。今度はマクレーンの娘さんが登場します。かなり気の強い役です。それと非力そうな若いハッカーが一緒に行動します。この組み合わせは面白い。「16ブロック」に設定が少し似ています。アクションは何でもありです。今回は外での場面が多く、カーチェイスがあります。といっても相手は戦闘ヘリコプターだったり戦闘機だったりしますから、相手にはならない。そこをくぐり抜けるのがマクレーンの腕です。

 封切時に映画館で鑑賞して今回2回目。アナログ人間マクレーンとサイバーテロ・デジタルの対比が売り物の映画かも知れませんが、戦闘場面はやっぱり銃中心になっています。理屈なしでアクションを楽しむ映画ということでしょう。


 推薦度★★☆☆☆

 

 4  アフリカン・ダンク 鑑賞 CATVにて 2008.1.12(土) (今年4本目)
1993年 アメリカ映画
監督 ポール・マイケル・グレイザー
出演 ケヴィン・ベーコン/チャールズ・ギトンガ・マイーナ/ヨランダ・ヴァスケス/他


 バスケットボールのアシスタントコーチであるジミーは時期監督を狙っているが、そのためには優秀な選手をスカウトする必要があった。ある時、アフリカの地でバスケに興じる青年をTVで見かける。単身、アフリカに乗り込み、青年サレをスカウトしようとするが、彼はウナビ族の酋長の息子だった。‥‥。

 バスケットボールの試合を通じて描くスポーツ友情物語。さわやかな印象が残る映画でした。言葉が通じないアフリカの地であっても、バスケットという共通のスポーツを通して通じ合うことができるというよくある話かもしれませんが、ケビン・ベーコンが彼らに溶け込もうとするジミーを熱演しています。ウナビ族が住む土地には銅が埋蔵されているという話も絡んで話は進展していきます。楽しく鑑賞した映画でした。

推薦度★★★☆☆

 

3  善き人のためのソナタ 鑑賞 2008.1.14(月) (今年3本目)
 2006年 ドイツ映画 138分
 監督 フトリアン・ヘンケル・ミューエ
 出演 ラル・リッヒ・ミューエ/セバスチャン・コッホ/マルティーナ・ゲデック/他


 1984年の旧東ドイツ。当時の東ドイツは国家の中枢である国家保安省(シュタージ)が盗聴と密告制度による恐怖政治で国を治めていた。劇作家ドライマンと恋人で舞台女優のクリスタも、そんなシュタージの標的となった。「反体制的」である証拠を見つけよと盗聴を命じられるシュタージのヴィスラー大尉。早速、住処に盗聴器が仕掛けられ、それを知ったアパートの住人も脅され、告げることはできない。舞台女優も舞台に立ち続けるためにはシュタージ役人の個人的要求も断ることができない。全てが筒抜けとなる社会‥‥。

 ベルリンの壁が崩壊するのはこの5年後です。この監視社会は旧東ドイツに深く根を下ろしていて特に密告制度は人々に深い心の傷を負わせているとありました。密告に関わった人もされた人もとてもまともには事実を見られません。この国家保安省が収集した個人情報は本人に限って公開されているといいます。その記録を読む劇作家ベルイマンが最後に出てきます。膨大な資料。「密告制度」はゲシュタボに匹敵する最悪の精神的拷問制度でしょう。このテーマを正面から捕らえるのに17年を要したと解説にありました。

 主人公の大佐を演じたミューエ自身も、監視の対象とされ、俳優の友人と妻の密告を受け続けていたといいます。

 強力な印象を残した映画でした。


推薦度★★★★☆

 

2  デッド・ゾーン(DEAD ZONE) 鑑賞 CATVにて 2008.1.11 (今年2本目)
1983年 米映画
監督 デヴィッド・クローネンバーグ
原作 スティーヴン・キング
出演 クリストファー・ウオーケン/ブリック・アダムス/トム・スイリット/他


 青年教師・ジョニースミスは恋人サラと結婚寸前の夜、大きな交通事故に遇って意識不明の重体となってしまう。意識が目覚めたとき、包帯はなく事故の後遺症は全くないように見えたが、実は5年間眠り続けたのだった。そのため、足の機能は衰え、歩くことはリハビリでどこまで回復できるか。それよりも、サラは既に別人と結婚していたのだった。ジョニーの落胆。
 そんなある日、看護婦の手に触れた時、看護婦の家が火事にあって子どもが助けを求めていることが頭の中に映像として流れた。そのことを看護婦に伝えた。それは本当のことだった。ジョニーは未来を予見できる能力を授かったのか‥‥。

推薦度★★☆☆☆

 

1 東京タワー オカンとボク、時々オトン 鑑賞 レンタルDVDにて 2008.1.10(木) (今年1本目)
2007年 松竹映画 142分
監督 松岡錠司 
原作 リリー・フランキー
出演 オダギリ・ジョー/樹木希林/小林薫/松たか子/他

 ベストセラーとなったリリー・フランキーの同名小説の映画化。親子の愛情物語です。オトンは家に殆ど居なくて時々忘れた頃に帰って来るから「時々オトン」です。

 突然帰って来たオトンが4歳のボクに焼鶏を食わす所からはじまります。1960年代。斜陽とはいえ、炭鉱が盛んだった頃。そんなオトンを頼りにすることはできず、オカンはボクを育てるために、筑豊の妹宅に引越します。絵を描くことが好きなボク。やがて、東京へ出てデザインをするようになったボクはオカンを東京に呼び寄せます。

 昭和の時代、母親が必死の思いで子どもを育てる。子どもに愛情の全てを注ぎ込むような育て方。ボクのオカンに対する愛情も薄れることはありません。そんな愛情物語が抑えた演出で描かれています。いい映画でした。


推薦度★★★☆☆