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星から船の位置を求める方法(5)


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星を観測して船の位置を求める方法(最終回)です。

最後に確定位置の求めかたです。
もう一度、測高度と計算高度の差及びZ(方位角)を見てみましょう。

《Canopus》           《Acherner》           《Procyon》
   差        -8.0         差        +0.3          差       ±0.0
   Z      S29.3E         Z      S32.2W          Z      N61.1E
方眼紙のようなものを用意します。
中心が推定位置です。
これに対し、カノープスの位置を記入します。
カノープスの位置は、南から29.3°東の方向にマイナス8.0(分)ずれているということなので、実際には北から29.3°西の方向に線を引き8.0(分)のところで北から29.3°西の方向に対して垂直に線を引きます。

次にアケルナーも同様に引きます。
プロキオンはたまたま0なので、今回はこの2つの線の交点が推定位置からのズレになります。
3線以上の時は全ての線が交差する訳ではないので、その中心を推定位置からのズレとします。

今回は推定位置からのズレが3.0'北、7.2'西となりました。
これを推定位置から加減して決定位置とします。

さて、この決定位置はどれくらい正確かと言うと・・・
太陽を使った正午位置の計算はかなり正確であると以前書きましたが、この星を使った位置は太陽に比べると少し劣ります。極めればもう少しは正確になるのでしょうが、やはり夜の星の高度の測定が難しいので、その測定誤差が大きいためだと思います。

以上で、【天測の話し】を終わります。

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