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オークランド〜東京(4) --
哀愁?郷愁?:感動の終わりと始まり



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もうすぐ東京です。
父島を過ぎるとここからの経路は毎回同じです。
(といっても今回が初めてなんですけど・・・(^^;)
鳥島→八丈島→三宅島→大島と通過し東京湾に向かいます。
(このあたりの話しは、拙作「帆船の話し・海外編」にもありますので、よろしければそちらもご覧ください)

もうこの航海の終了です。
3月6日の日記(毎日書いている訳ではない(^^;)に、少しかっこつけた文章があります。
最後にそれを引用したいと思います。

1989-3-6
0730 孀婦岩通過。
1020 鳥島通過。
今晩2130くらいに八丈島。
明日0800〜NOONの当直で東京港外仮泊の予定。
もうこの航海も終了。

鳥島(1)

 (↑)見る方向によって全然形の違う鳥島(↓)

鳥島(2)
自然のど真ん中に、この青雲丸と共にほうり出されて思ったことは、人を感動させるものは自然だし、
人を苦しめるのも自然だ、ということ。
人は自然をこわしているけれど、地球を支配しているのはまだ自然だし、人は永久にこれには勝てない。
だから、人の営みの中で自然をこわす行為は、いつか必ず人や他の動物たちにも返ってくる。
町はあまり自然を感じさせないから、たまに見せる自然の美しさには感動するが、自然の大切さにはあまり気付かない。

今はこれくらいしかわからないが、帆船ではもっと自然を感じることだろう。
もっと、自然に感動し、もっと自然に苦しめられ、自然を利用した航海が終わるころには、自然のすばらしさ、おそろしさを今以上に理解することができると思う。

本日の朝をもって、船内時がJSTとなった。
この航海では、素晴らしい星空や虹などに感動し、サイクロンに苦しめられるなど、バラエティーに富んでいたため、このような表現も出て来たのだろうと思います。
そして、地球の、自然の大きさを知り、これにはとっても勝てないナ、と思った正直な気持ちです。

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