聖 隣 寺
せいりんじ(亀岡市東竪町)


聖隣寺と毘沙門堂


毘沙門天立像
亀岡の城下町に聖隣寺という臨済宗天竜寺派のお寺があります。

 お寺の角に毘沙門堂があり、鎌倉時代後期の作といわれる毘沙門天立像が安置されています。丹波国分寺の守護として祀られていた毘沙門天立像を、明智光秀が亀山城を築城した際に城の鎮守のため城内に移し、その後、羽柴秀俊(後の小早川秀秋)が城主を務めた頃に、ここ聖隣寺に安置したものです。当時は聖隣庵といったようです。毎年6月の第1日曜日に毘沙門天祭が行われます。

 聖隣寺境内の墓地に「総見院殿」と彫られた五輪塔があります。「総見院」は織田信長の院号です。なぜ、明智光秀が築いた亀山城下に信長の墓があるのか不思議ですが、本能寺で信長を討った光秀の後に亀山城主となったのは、信長の四男で羽柴秀吉の養子となった羽柴秀勝で、父の供養のためこの聖隣寺に供養塔を建てたということです。6月2日の命日に合わせ毘沙門天祭と一緒に信長公忌が営まれます。

亀岡にも戦国時代の史蹟がたくさんあり、時代の鼓動が感じられます。