オニバス(ミズブキ)スイレン科
 直径2mほどもある丸い葉を水面に広げるオニバスは、湖沼や池などに生息するスイレン化の一年草です。葉の表面は光沢のある緑色でしわととげがあり、裏面は紫色で脈が隆起し、長い柄が縦状についています。夏になると直径4cmの小さな花を付け、9月半ば頃まで咲きます。赤紫色の細長い花弁は、目も醒めるような鮮やかさ。その麗姿はオニバスが三千年以上も生き続けてきたことから、「古代紫」と称されています。
 かつては全国各地で見られましたが、環境汚染などにより現在の生息地は富山県氷見市の十二町潟をはじめ数える程度。亀岡市馬路町の平の沢池も、京都府内唯一の自生地として「京都の自然二百選」に登録されています。

    (平ノ沢池の蓮の花)