越え(からとごえ)


 山本・仏坂からみすぎ山を望む

 山道沿いの石垣(山本の山城跡?)

 みすぎ山・山頂からの眺望

 唐越えの山道
 光秀は老の坂峠から西国街道を西に進むと見せかけて、「敵は本能寺にあり」と本能寺に攻め入ったとされてますが、ここ亀岡から京への道は老の坂越えの他に「明智越え」とか「唐櫃越え」という道があります。実は用意周到な明智光秀は本能寺を攻めるのに老の坂峠だけでなく、この3つの道を使ったのではないかと考えられています。

 その昔、足利尊氏も通ったと言われる「唐櫃越え」がどんなものか歩いてきました。
 亀山城からまっすぐ東に進むと篠町山本のみすぎ山にあたります。山本の如意寺の横の山道を登ると、石垣を積んだ昔の砦のような跡があります。戦国時代の山本の山城(やまじろ)跡でしょうか?。山を真っ正面に登ること40分、かなり険しい山道でしたがようやく尾根にあがります。尾根沿いに進むこと10分程で「みすぎ山」頂上に着きました。JR馬堀駅からだとちょうど1時間です。そこには三角点(430m)があり、とても眺望が良く西つつじヶ丘や篠町が良く見えます。
 
 唐櫃越えは基本的に尾根づたいに進みます。夜中に京都に入るのには、谷筋よりも尾根づたいの方が進軍の音が響かないので良いといわれています。
 さて、現在の唐櫃越えは途中から新しい林道ができており、1時間余り林道を進み、西山団地との分岐点から再び尾根沿いに入ります。そこには沓掛山まで1時間、上桂駅まで3時間30分と目立たない標識があります。尾根は幅1mほどの馬の背のようになった所もあり、ほんとにこんなところを大軍が通ったのかとちょっと疑問です。

 沓掛山山頂(415m)で昼食、いよいよ本能寺を目指して歩き始めましたが、20分ほど歩くと桂坂野鳥公園への分岐点があり、桂坂、洛西方面が一望できました。さらに下っていくと雑木林から竹林になります。竹林の山道もなかなか良いものです。竹林を抜けるともう上桂の住宅街に出ます。

 『唐櫃越えハイキングコース』の標準行程は、JR馬堀駅〜みすぎ山(約1時間)、みすぎ山〜沓掛山(約2時間)、沓掛山〜阪急上桂駅(2時間30分)、計5時間30分の行程です。
 みすぎ山からの眺望がよかったので、馬堀〜みすぎ山の往復コースだけでも十分森林浴が出来て気持ちいいですし、西山団地や桂坂へ降り、老の坂の旧道を通って返るコースも良いかもしれません。体力に応じてコース設定してください。(国道9号線の老の坂峠は歩くのはとても危険ですからやめた方が良いです)