と、その前に確認しておこう


減速比の話。

バイクや車の場合、エンジンが一分間に何千回転と回っている。はっきりいって目にも止まらぬ速さで回っているのである。それをミッションという機構で減速している。
この目にも止まらぬ速さで回転するクランク軸をミッションのギアで減速するのだが、なぜ減速せねばならないのか?
単純にそう疑問に思うことだろう。

減速とは二次的なものであり本来はトルクを稼ぐために小さなギアで大きなギアを回していると考えればよい。その結果減速しているということだ。であるから、クランク回転軸の回転数とドライブスプロケット(またはドライブギア)の回転数は違う。
自転車に近い形をしているバイクだが、ミッションの他に最終減速比(ファイナルギア)というものがある。表向きチェーンがかかっている部分である。これはフロントのスプロケット(ドライブスプロケット)のほうがリアのスプロケット(ドリブンスプロケット)よりも小さい。
フロント15Tのリア48Tなんてのは当たり前である。自転車とは全く逆である。
これが減速比というものである。

自転車の変速はクランクからフロントのチェーンリングとリアのスプロケットをチェーンで介して変速機構を形作っているわけで、バイクや車はこれがエンジンと一緒になっているのである。
なので、バイクでも車でもファイナルが1:1であってもそれなりに変速して走る事はできる。

さて、では自転車はなぜフロントの歯数が多いのか?
それはバイクや車とは逆の事をしているからである、足でクランク回す入力回転数とと、リアのハブの出力回転数はどちらが高いだろうか?

無論、リアのハブの方が回転数が高い。

車やバイクが回転数をトルクに変えているのに対して、自転車はトルクを回転数に変えて走っているのである。だから自転車は踏力が速さに反映するのである。

踏力が強いと高いギアを踏める事になる。
正確には自転車の場合増速比と呼ぶほうが正しいのかもしれない。

では一般的なロードレーサーの減速比(増速比)とはどのくらいのものなのか?

A: 27インチ×2.54cm(1インチ)=68.58×3.14(円周率)=215(27インチの外周)
B:
 52T(フロントトップギア)÷11T(リアトップギア)=4.7(減速比)

A:215 × B:4.7 = 1010.5 となる。

つまりクランク一回転につきトップでは約10メートルも進む事になる。

ちなみにロードレーサーで時速60キロで走ろうと思ったら。

6000メートル÷10メートル=600回転÷60分=10回転

一分間に10回転踏めば60キロで走行することが出来る。

そりゃ速いわけだ。


ところがここで語るのは小径車(ミニベロ)である。27インチというわけにはいかないから、当然ホイール外周は小さくなる。

ドッペルFD−1516インチ、上記の公式に当てはめると

A: 16インチ×2.54cm(1インチ)=40.64×3.14(円周率)=127(16インチの外周)
B: 48T(フロントトップギア)÷14T(リアトップギア)=3.4(減速比)

A:127 × B:3.4 = 431.8

ちなみに

6000メートル÷4メートル31センチ=1392回転÷60分=23回転

まあ、実際は抵抗なんかもあるわけで、これで60キロが出せるとは到底思えない。しかも一分間に23回ということは、6秒間に2.3回転、3秒間に一回転以上踏むことになる。

そこで

もっと効率よく踏むために、減速比を変更する。

現状でフロント52Tを装備したので、減速比は3.7に上がっている。

この時点で、クランク一回転で進む距離は469.9センチ

これをロードレーサーと同じ減速比に当てはめると (52×11) 596.9センチ

じつのところ、16インチではこれが限界だと踏んでいる。その理由は後述するが、悔しいことにSimanoのCapreoのハブ、カセットコグのコンポーネントを使用すれば45×9という5.0の強力な減速比が得られる。これを52Tのチェーンリングと組み合わせると、なんと5.7!に。

16インチに使用すれば723.9センチ! ロードにも拮抗する。

ところが、Capreoにはハブ穴28Hの設定がないのだ。16インチのリムにそれほどラインナップがあるわけではないのでリム交換も不能。無理なのである。

しかし、しかし、20インチ採用のドッペル202だとリムの選択肢が増える可能性がある。
金はかかるが、52T×9T5.7減速比に20インチリムの組み合わせというと、なんと!

クランク一回転で909.2センチ!ロードレーサーとほぼ同じである。

しかし・・・たぶん速すぎて怖いと思う。

フレーム剛性、小径ショートホイールベースのため直進安定性、ジャイロ効果の不足で転倒の危険性大。安定走行は望むべくもない。

そんなわけで、ドッペルFD−15 は、Capreoが使えないため、夢のようなスーパートップギアが設定できなかった。

じゃあ、52×11で、って話になるだろうが・・・ここまでのわたしのこだわりが次に何をしでかすのか、それは今後明らかになるであろう。

お待ちでした。

やっとディレラー装着です。
→はい!