とりあえず安易に 無難編

さて、2001年春。 再び750を手に入れました。
京都のとある御仁から。実動車。検査付き。
 
1983年 750S−2 プルバックハンドル仕様、写真では外しているがカウルも付いてました。
マフラーはサビサビだけどヨシムラサイクロン

あとはほとんどノーマルだったかなぁ。

この車体を買った経緯は、前回でドチューンなカタナで苦汁をなめたので、今回はあくまでノーマルにこだわって、ベースとしたいと考えた。

うーん、ノーマルを再生、修正するのは楽しい。
俺はもともと、モディファイの男なので素直な気持ちでこつこつレストアというのができない。

前後輪タイヤの交換をする。チェーンも変えた。
プラグコードをウルトラに。
リアサスはヨシムラカヤバの黒が付いていたので、調子こいてバネだけ赤色に塗ってスペシャルな感じにしてみる。

タンクカウルともに外装関係はなかなか状態がよく、純正カラーの Alien silver metallic が渋くて気に入っていたので、破れているシートだけ張り替えて完成とするつもりでいたのだ。

乗りやすさを優先してハンドルはトップブリッジ上に。ゲー、今、見たらカッコ悪ぅ
メーターの針はお約束どおり、劣化で折れていたので、アルミで自作して再生。(これ、スゲー地味な作業でやりがいないわー)

この後オイルクーラーもゲット、ハンドルスイッチ類はとりあえずガレージに転がっていた、ヤマハFZ400のASSYを流用、本来他メーカーの部品をモディファイするのは私の中では邪道なのだが、とりあえずだ。
とりあえず。

とりあえず走れるようになった。そこまではよしとしよう。
問題は、やはりブレーキだった。
しばらく通勤で試乗もかねて走らせていたのだが、ある雨の日の朝のパニックブレーキ。

通常通りロックして滑り出す感覚を予測していたのだが、こない・・・。
路面の摩擦係数は雨で下がっているはずなのに、ブレーキがロックしないのだ。

勘違いしないでくれ、現代のようなABSの時代では、補足せねばならんだろう。
フルブレーキにもかかわらず、ホイールがロックしないという現象はタイヤがグリップしているからではない、ブレーキが全く効いていないということなのだ。

これは怖かった。

その日の晩から急遽、片押し1ポッドのキャリパーを廃棄し、またしてもガレージに転がっていたCB400SFの対向4ポッドを装着に取り掛かる。

当然ながらキャリパーサポートなど無いので、純正のキャリパーブラケットを切削してマウントを自作した。
無論、マスターシリンダーも交換した。

先にも書いたが、俺は他社製の部品をモディファイするのが嫌いだ。
だが、世の中には廃品利用といういい言葉がある。今回もその言葉に甘んじてとりあえず装着した。

おおっ!効くではないか!

夢のような効き心地だ。


結局、夏を迎えるまでには、数箇所がモディファイリングされ、ノーマルに乗るぞという当初の意気込みは既に、過去のいい思い出となっていた。

  

写真のように、当初から比べると格段にポテンシャルを上げたS−2だったが、このとき既にお別れが近づいていることを知る由も無かった。


なんで!いきなり!?  そのわけは次回に・・・。



           衝動買い! 無情編 へGO!