「はあぁぁぁ!!?サガが何だってぇ!!!?テメェ、もいっぺん言ってみろやコラぁぁ!!!!」
「ひいいぃ!!」
教皇宮の拝謁室で、カノンの怒声が聖域中に響き渡った。






anaway 『G』 to 『J』 W






サガの怒りが治まるまで大人しく双児宮で待機しようと決めたカノンは、久々に入ったキッチンに立ち 、兄の好物を用意してサガが帰ってくるのを待っていた。
が、いくら待てども兄は一向に帰ってこず、そろそろ心配になったカノンはこっちにくれば何か分かる かも知れないと思いたち、この教皇宮にやってきたのだ。
しかしそこで聞いた驚愕の事実に、カノンは思わず人目もはばからず、内容を伝えた雑兵の首元を絞め 殺す勢いでガクガクと前後に揺さぶった。
「オラ―――ッ!もっかい言ってみろって言ってんだよぉ!!」
「ひっ・・・!ですから・・・サガ様は、大分前に女神様と星矢様達と共に日本に向かわれたと・・・ ・」
「テメッ!いい度胸じゃねぇかよ!ざけんなよコラ―――――!!」
(きゃぁぁ〜〜〜言えっていったのアンタじゃん〜〜〜〜〜!!!)
余りに不条理な怒りに晒されて、雑兵は恐怖にプルプルと震えながら思わず心の中でツッコミを入れた 。
もうダメだ。自分はこの暴君に殺されてしまう。
雑兵は悲しいまでに強烈な絶望に浸って死を覚悟した。が、瞬間自分の首を絞めている腕の力がフッと 途切れた。
「うろたえるな小僧――――ッ!!!!!!」
「ぎゃ―――――――!!!!」
二つの絶叫が聞こえ、支えを失った雑兵はドスンとその場で尻餅をついた。
咳き込みながら雑兵が見たものといえば、一瞬で消えたカノンが次の瞬間遥か彼方の壁に無様に叩きつ けられた姿だった。
「・・・・き、教皇様・・・!?」
いつの間にか後ろに立っていたシオンの姿に雑兵は素直にビックリした。そして先程カノンを吹き飛ば したのもこの人だと理解し、そそくさと安全な場所に避難した。
「カノンよ、取り乱す気持ちは分からんでもないが、無闇な暴力は関心せんな」
「グッ・・・手加減ナシにやりやがって・・・・」
ボソリと本音を呟いたカノンは、一応上司のシオンに対して流石に乱暴な態度はヤバイと判断し、業務 用の冷静な顔を無理やり顔にへばりつかせた。
「・・・・も、申し訳ありません教皇。・・しかし・・・一体これはどういう事なのですか?」
「ウム、何分私にも詳しいことは知らんのだが、星矢がサガを日本に連れて行きたいと女神に頼んでい たらしくてな」
(あのクソ餓鬼・・・・ッ!)
「女神もその申し出に喜んで承諾しておったぞ」
(・・・・女神〜〜〜〜!余計な事を!)
因縁深い星矢と大恩ある女神のことを思い、カノンは苦虫を潰したような顔になった。
日本に連れって行った直接的な原因は星矢にあるようだが、その手引きをしたのがあの絶対的権力者の 沙織であっては、ぐうの音も出ないカノンだった。
それに、いくら仮に星矢が日本に行こうとサガを誘ったとしても、普段のサガならば断るはずだ。
責任感の塊みたいな兄は、聖域の仕事を放り出して何処かへ出かける、等という事なんて出来ない人間 なのは弟である自分がよく知っている。
その兄がとっとと日本に同行したという事は、理由はただ一つしかない。きっと数時間前の喧嘩が堪え て、この場所にいるのが嫌になって飛び出してしまったのだろう。
改めて己の軽挙さを呪ったカノンは、自分の沽券などかなぐり捨ててさっさとサガを迎えにいこうと体 を起こした。

「ところでのぅ、カノン」
「ハイ?」
「お主・・・・・ここ1週間海底で仕事をしてきたそうじゃな。いやはやご苦労ご苦労」
シオンは、同じ美人系ではあるが、サガとは全く異なる種類の艶麗な美女のような顔で持って、器用に 口元だけでニコリと笑った。
その只ならぬ空気に、カノンは一瞬にして何か危険な事が起こりそうな危険信号を察知した。
「き・・・・教皇?」
「何やら普段の数倍のスピードで執務をこなしていったそうではないか。凄いことではないか、素晴ら しいぞカノン偉いぞカノン、・・・・・・それに内容がついていっていればの話だがなぁ・・・・」
最初は笑いながら語りかけていったシオンだったが、最後の方のセリフを言う頃には完璧に笑みはその 顔から欠落していた。
カノンはうっすらとだが、シオンの言う事を理解してタラタラと冷や汗を掻き始めていた。
その言わんとしている内容は、カノンにとって身に覚えのありすぎる所業だったのだ。
体調を崩したままのサガを置いてきてからの1週間。カノンは普段からは考えられないほどの仕事ぶり を見せていた。
その勢いたるや、1度は「殺す価値無し」と10歳以上年の離れたカノンに侮蔑の言葉をかけた、腹黒 美少年のソレントですら舌を巻くもので。
「ようやくあのシードラゴンもやる気を出すようになったか」等と柄にもなく関心したような素振りを 見せた。
が、カノンに限って、そんなことある訳が無かった。
実際カノンは懸命に仕事をやっていた。だが、その質を聞かれると少々以上にヤバイものがあった。
さっさとサガのいる双児宮に戻りたい一心で、カノンは形だけでも雑務を終わらせようと必死になって 仕事をこなした。
しかし、元よりこのような細かい作業は、サガならば得意中の得意分野で楽々こなせるような代物だっ たが、悲しいかな双子の弟にはそのような才能は全く二分されず、カノンにとっては1番面倒で苦手な 作業だったのだ。
普段から苦手で上手くないのに加えて、形だけ終わらせようとするカノンの大雑把な仕事の内容は、寧 ろやる前よりも酷くなってしまったと言い切っても差し支えないレベルで。
カノンが逃げるように帰っていった後、ソレントがやって来て「どれどれ」とその書類を見た瞬間あま りのヒドさに逆上して、あわや己の武器である笛1本引っさげて、カノンの元へと乗り込んでいってや ろうかと思ったぐらいだ。
つまりは、カノンは最悪のトンズラをかましていきやがったのである、

「馬っ鹿者が――――!!適当に仕事を終わらせてきよって!!!海底からお前のやった書類がメチャ クチャになっているとのクレームが来たのだっ!!この聖域の恥晒しが―――――!!!!」
「ぎゃ――――!!!」
再度シオンに吹っ飛ばされたカノンは、呆気なく床にベチャリと叩き付けられた。
「グェ!」
潰れた声を漏らし、苦痛に呻くカノンを無慈悲な瞳でシオンは見やると、追い討ちのようなセリフをカ ノンに向かって吐いた。
「さぁ、とっとと海底に戻らぬか!もう1度自分の仕出かした後始末をつけてこい!終わるまで海底か ら出る事は許さんからな!!!」
「そっ、そんな―――!」
情けない悲鳴を上げたカノンは、一体どれぐらいの時間がかかるかも分からぬ業務に思考を廻らし、絶 望する。
「そんなもこんなも無いわ!途中抜け出そうものなら、海底をお主の常時勤務地にするからな!覚悟し ておけ!!」
カノンの考えなどお見通しと言わんがばかりに、見た目18歳のピチピチ美少年・中身200歳代のス ーパーお爺ちゃんのシオンは、ハンと意地悪く笑った。
「嘘だろぉぉ〜〜〜〜〜!!」
再度カノンの悲壮な叫びが教皇宮に木霊した。
こうしてカノンは、サガを日本に置いたまま海底へと泣く泣く出張するはめになってしまったのであっ た。(自業自得)




「うんめ〜〜〜〜!サガめちゃめちゃ料理上手いんだな〜!」
広い室内に、星矢の元気な声が響いた。
「本当だ、下手な料理人よりよっぽど凄いよね」
感心したような瞬の声を受け、厨房から出てきたサガは恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「何を言っているんだ、今まで散々1流シェフの料理を食べてきたじゃないか」
淡いピンクのエプロンを首から外しながら、サガは星矢の隣の開いている席に座った。

サガが日本に来てから早1週間。
すっかり日本を満喫し生活習慣にも慣れたサガは、星矢のお願い事として手料理をご馳走している所だ った。
この道のりまではちょっとした経路があった。
1週間の間、沙織の「サガで遊ぼうプラン」は熾烈を極めたと言っても過言では無いもので。
沙織はサガと青銅をお供に引き連れて、あっちだこっちだと怒涛のバイタリティで移動しまくった。
その都度、サガは沙織の趣味で着せ替え人形のごとく強制衣装チェンジをさせられ、そしてそんな思惑 にも全く気づかないサガは、日本の色々な行事に眼を光らせて無邪気な様子で喜んでいた。
勿論、その様子は沙織の高性能カメラでバッチリと収めていったのは言うまでもなく。
そして、流石世界の城戸カンパニーの力とうべきか、沙織が行く先々では天下の城戸が来たとなって 毎回重役や社長自らがお出ましになって上へ下への大騒ぎとなり、毎回毎回最高級の待遇でもって星矢 達一行は持て成された。
食事はいつも三つ星以上の最高のシェフが腕によりをかけて作り、星矢達もやはり10代前半の子供ら しく最初は大喜びでめったに食べる事の出来ない料理に舌鼓を打っていた。
しかし、悲しいかな。星矢たち元孤児院組は、幼少時代より沙織の強烈な奴隷期間と地獄のような聖闘 士の修行期間を経て、根っからの貧乏体質に育て上げられてしまっていたのだった。
美人は3日で飽きるというのは嘘だと思うけど、プロの整いすぎた高級料理に星矢達はスグにうんざり してしまった。

飽きた、と簡潔に述べた星矢にサガは苦笑いのような微笑を浮かべていたが、次の星矢のセリフに少々 面食らった。
「俺、サガの手料理が食べたい」
「え?」
「サガ前言ってたじゃん、料理すんの好きだって!なぁお願い!今日の晩御飯サガが作ってくれよー」
甘えるような星矢の顔に、サガは困ったように首を傾げた。
星矢達を貧乏体質と称するなら、子供のこういう顔には滅法弱いサガは根っからのお母さん体質らしく 。
まるで駄々っ子のように懇願してくる星矢の頼みごとに根負けして、サガは結局最後にはYESと言っ てしまったのだった。

「だってさ〜俺今まで食った1流シェフとかなんとかの料理より、コッチのほうが旨いと思うし!」
「・・・それは褒めすぎだろう、どう考えたってプロの方が美味しいに決まっている」
「いんや!絶対俺以外も同意見だって!なぁ、瞬たちもそう思うだろ?」
突然会話を振られた瞬たちは、同じく笑いながらサガに素直な賞賛の言葉を浴びせかけた。
「うん、僕もこっちの方が好きだな〜シェフが作った料理は最高級の食材と最高級の技術!って感じで 、僕達一般市民にしたら少し気後れしちゃう内容だったし」
「真心のこもったモノは、どんな高価なモノより価値があるのだと老師も仰っていたしな」
「・・・このシチュー・・・マーマの味がする・・・」
「「「は?」」」
最後の締めの氷河のトンチンカンな一言に怪訝な表情をする星矢達だったが、氷河のマザコンは何時も の事なので軽くスルーする方向にもっていった。
そんな星矢達の様子を、それこそ母親のような表情で見ていたサガはくすぐったそうに笑い、ありがと う、と礼を言った。
「お世辞でも嬉しいよ。得意と言っても実はデスの受け売りの技術なんだが・・・」
「なっ・・・!デスマスクにですか!」
突然反応した紫龍に、サガは少しビックリしたが、紫龍とデスマスクは確か12宮にて正に命をかけた 死闘を繰り広げた事を思い出し、少し困ったように眉を顰めた。
「あ、ああ・・・そうだよ。ああ見えてデスは12人の中でも1番の料理上手なんだ。私の料理は殆ど デスに教えてもらったものだし」
「信じられん・・・あのデスマスクが・・・・」
デスマスクの非道な行いに今までかつて無いほどの激昂で鉄槌を下した紫龍としては、「デスマスク= 料理」という構図がどうにも理解しがたかった。
(良くて「デスマスク≒料理」。いや、寧ろ「デスマスク≠料理」だろう。)
そう一人脳内で数学記号を並べる紫龍の顔は、普段からキリリと真面目そうな顔つきをしているので、 何やら今は怒っているようにも見えた。
「し・・・紫龍?そんなに怒らないでくれ、デスは確かにお前の大切な子に酷い事をしてしまったから 、怒る気持ちは分かるが・・・あの後ちゃんとデスには私からキッチリお灸を据えておいたし・・・・ 」
((据えたんだ・・・・お灸・・・))
考えに没頭している紫龍と、マーマに没頭している氷河以外の2人は、お灸を据えられているデスマス クの様子を想像してしまって、爆発してしまいそうな笑いの発作を懸命に抑えた。
あの粋がっているデスマスクも、聖域のお母さん的存在のサガには適わないらしい。
「何なら、私が話をつけて今度デスマスクの晩餐に招待するよ。今ならデスも丸くなったし、和解も出 来ると思う。つもる話もあるだろう?」
「いえ!!!結構です!」
余りにキッパリと申し出を断られて、やはり紫龍は未だデスマスクを許せないのかと思うとサガは顔を 曇らせた。
「ああ、勘違いしないでください。俺は昔の事を許せないから嫌だと言っているわけではないんです。 解決した事で何時までもグチグチいう程、度量は狭くないつもりですし」
「そうか・・・それは良かった。では何故デスと食事は嫌なんだ?」
「同じ料理ならば、此方の方がずっと良いと思ったまでです。デスマスクと二人っきりで食事なんて考 えただけでも恐ろしい」
紫龍は、誠実ゆえの余りに簡潔な言葉を述べた。
後ろの方で、本格的な笑いの発作にヒーヒー腹を抱えている星矢と瞬を尻目に、サガはイマイチ分かっ たような分かってないような曖昧な表情をした。
簡単な2者択一だ。同じ料理があって、片方にサガ、片方にデスマスク。
どちらと共に食卓を共にする?と問われたら、大多数がサガを選ぶのは当然の選択かもしれなかった。
別にサガを特別な感情で見ている訳ではないが、共に食事をするのだったら見目麗しい方がいいに決ま っている。
サガとしては、是非とも二人っきりで話し合って出来る事なら仲良くなって欲しかったのだが、どうや らいがみ合っているわけでは無いという事だけ確認できただけでも良しとしようと思い直し、そうか、 と呟き自分も食事に取り掛かった。

「・・・氷河はシチューが好きなのか?」
「え・・・」
不意にサガに声をかけられ、氷河は感情の読めない無表情な顔で視線を向けた。
こういった顔には見覚えがある。
覚えがあるのも当然で、氷河の師匠のカミュと全く同じ表情をしているんだとスグに気づき、サガは思 わず笑ってしまった。
氷河にとっては師匠のカミュも、サガにとっては手塩にかけて育てた可愛い弟みたいな存在で。
特に聞き分けが良く大人しいカミュはサガによく懐き、サガも同じくカミュを心底可愛がっていた。
そのカミュが成長し、自分と同じく弟子を取るようにまでなって愛情をかけて育てた弟子が氷河だと思 うと、何だか感慨深い思いになるサガだった。
「特に減りが早いから、好きなのかと思って・・・・おかわりもあるから沢山食べるといい。お前達は 育ち盛りなんだからな」
ニコリと笑うサガとは対照的に、その様子に氷河は更に顔から表情の色が抜けていく。
まずいことでも言ったか、と眉を顰めたサガだったが、氷河の口元が汚れている気づくと、無意識のう ちに手が動いていた。
「氷河、コッチ汚れてる」
手を丸めコシコシと口元を拭う様は、およそ14歳にもなった少年にやるべき事ではないのだろうが、 聖域でずっとお母さんの役割を果たしてきたサガは、その習性が未だ抜けずにいたのだ。
しかしスグにサガは、ハッと己のやった事が相手に失礼に値するものだと気づき、慌てて氷河に向かっ て謝った。
「す、すまない氷河、つい癖でな」
「・・・・マ」
「うん?」
「マーマァァァァァァ――――!!!!」
「うわっ!ひょ、氷河ッ!?」
突然今までの無表情が嘘だったかのような激情ぶりで、氷河はヒシッとサガに抱きついた。
何が何だが分からないサガは軽くパニックになりかけたが、とりあえず氷河を落ち着かせようと試みよ うとし、氷河の肩に手をかけようとした。
が、次の瞬間、それはあえなく不可能になってしまった。

「ペガサス流星拳―――――!!」
「ネビュラチェーンッ!!」
「ぐわ―――っ!」

あえなく年少2人組によって吹き飛ばされた氷河は、星矢の流星拳で吹っ飛び、すかさず瞬のネビュラ チェーンによって絡め取られ、捕獲された。
「だーれーがマーマかっ!イキナリトチ狂うなよ氷河!サガがビックリしてるだろうが!」
「どうりで大人しいと思ったら、いつの間にかサガの行動でマーマの世界へとトリップしていたみたい だね。全く!オチオチご飯も食べれないなんて本当良い迷惑だよ!!」
プリプリ怒る2人を見ながら、やはりサガはこの状況について行けず、恐る恐る2人に声をかけてみた 。
「星矢・・・瞬、これは一体どういう状況なのだ?というか氷河は大丈夫なのか?」
「ああ、へーきへーき!コイツこれぐらいじゃ全っ然堪えないから!」
「むしろ捕獲しておかないとサガが危ないんだから!今の氷河、ママ発作起こってるし!」
「何だソレは・・・?」
「コイツ重度のマザコンだからさぁ〜さっきから表情おかしかったろ?アレ、多分サガの料理とか行動 とかで、昔の事を思い出してサガと重ねてったんだと思うぜ?」
「重度という言うより、寧ろ末期だよね〜サガも不用意にあんな事しちゃダメだよ〜さっきのとか特に !!モロお母さんポイント刺激しちゃってさ〜」
「はぁ・・・・」
さっきというのは、沢山食べろと言った事か、それとも口元を拭った事だろうか。
いかにも母親が息子にするような行動を次々やったサガは、ボンヤリと考え込んだ。
しかし、あのクール一徹の氷河がこれ程までに暴走するとは思ってもいなかったサガは、氷河の筋金入 りのマザコンをまだ甘く見ていた。
「・・・という事は、氷河は私を母のように思ってくれているのだろう?私はそういうのに慣れている し、一向に構わないのが・・・寧ろ慕われている感じで嬉しいし・・・」
「甘いってサガ!氷河のマーマ好きを舐めてかかったら危ないぜ!?」
そういう間にも、氷河はマーマァァ〜〜〜と遠吠えのように呻っている。かなり重度の発作だ。
1週間もマーマに会っていない氷河は、完全にマーマ欠乏症に陥っていた。
「安心してよサガ。多分、後2・3時間ぐらいフン縛ってたらイイ具合に衰弱するからさ。さァご飯 ご飯!」
事も無げに恐ろしい事を言い放った瞬は、もう興味の失せた顔つきで氷河を見やると、さっさと自分の 席に戻った。
「ほ・・・本当にいいのだろうかアレで・・・・・?」
「あぁサガ!氷河の半径5メートル以内に近づいたら危ないって!そんぐらいなら氷河、鎖ごとジャン プするからさ!!!」
星矢は既に食事を再開していて、口をモグモグさせながらサガに注意を呼びかけた。
「あ・・・あぁ、分かった・・・・・」
血の繋がった兄弟というものはこんなものなのだろうか、いや、信頼しあっているからこその兄弟だか ら、心を置かずに気兼ねなく行動するのかもしれない。
兄弟喧嘩とは中々微笑ましい以上に奥が深い。私もカノンとこんな風に喧嘩する日が来るのだろうか・ ・・・
サガはかなり捻じ曲がった方向に、それでも前向きに星矢達の少々派手が過ぎる喧嘩を見守り、結論づ けたのであった。
それから数時間後、氷河の緊縛弱体化作戦は瞬によってマジに実行に移されていったのであった・・・ ・






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お先に謝っときます。 ぎゃああああああ!氷河fanゴメンなさい―――!!!!!!!
まっ!マジにスンマセン!!自分でも何でこんなんになったのか分かりません!(待てコラ)
青銅とサガの晩餐会書きたかっただけです。
寧ろこれ番外編で!(本編より長い番外編って!!!)
ちなみに、流石に紫龍や氷河がサガを好きになるとかって展開は無いので安心してください!(何の)
青銅でサガ受っつたらやっぱ星矢サガぐらいしかないよなぁ・・・あ、一輝サガも無くはない(マジか !!)
折角出した青銅たちとサガの絡みをやりたかったんすけど、思いのほか青銅の性格がつかめなくて難産 に・・・;
紫龍分からんね〜〜;紫龍ってサガとかには敬語なのかしら・・・どうでもいいや、もう(オイオイ)
次こそプチ家出最終回で!!ってか読んでる人いらっしゃるのかコレ!(笑)




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