S.A.F.S.
PROTO TYPE-2w

Super Armored Fighting Suit
Proto Type-2w

※マイオリジナル設定です。公認設定ではありませんので御了承下さい。

 2884年9月、傭兵軍兵器実験場で行われた次期主力戦闘スーツ選考テストプログラムにおいて、傭兵軍兵器開発局の製作したS.A.F.S.プロトタイプ(以降PT)-1は火力、機動力共に高い評価を得たが、同時に装甲の弱さを指摘されていた。そこで、同プログラムにシュパンダウ工科大学からテストに参加し、最後まで模擬戦を戦い抜いた通称『アーケロン』の間接視認システム、新型複合装甲による優れた防御力を採用することにした。同年10月、傭兵軍兵器開発局、陸戦兵器開発部長フレール・フルマー技師は、シュパンダウ工科大学からスタッフを招き入れ、S.A.F.S.の製作開発に着手した。

 まずはPT-1の外装をアーケロンと同素材の複合装甲に置き換えて、機動性能や機体バランステストが行われた。幸い、どちらも従来のA.F.S.の骨格を基本に製作されていて、また重量増加の為に装着を見送られたアーケロンの手足の装甲も大学側から提供されたので装甲の換装は容易であった。

 しかし、アーケロンから導入した画期的な間接視認システムにも問題が無い訳ではなかった。この視神経及び網膜に直接画像を送るシステムを稼働するためにはノイズの軽減、及びパイロットのパーソナルな差異を吸収する為に搭乗者への定期的な投薬が不可欠で有ったのである。長期間に渡るパイロットへの投薬は問題視されており、さらには臨床実験中、初の中毒患者が出るにいたって『システムの根本からの改良の要あり』と判断された。
 しかしながら、敵ナッツロッカーの配備が進むにつれ、唯一対抗し得たドールハウスも戦略的優位には立てなくなり、ナッツロッカーに対抗できる兵器開発が急務だった開発局は、間接視認システムの問題を解決できなかった場合を考慮に入れ、従来の『のぞき窓』を持つタイプを平行して開発する事が決定された。 以降、間接視認システム装備の『PT-2a(ARCHELONの意)』とのぞき窓タイプの『PT-2w(Windowの意)』と呼ばれた。
 PT-2wは新型複合装甲を用いることにより、装甲の厚みが減った分PT-1よりも軽量化を実現、機体バランスが向上され、PT-1に搭載していたHL375Bエンジンも改良されたHL375Eに換装、出力を17%向上することができた。A.F.S.での弱点とされていた背部ラジエターへの被弾も新型エンジンの搭載に伴い問題は解決した。PT-2wは合計3機製作され、各種テストを受け膨大なデータを採取し、その性能の高さにフルマ−技師をはじめ開発スタッフ全員が(防弾上の最大の問題であるのぞき窓を除いて)満足していた。しかし、各種新装備を搭載したA.F.S.の骨格は補強を施されていたにもかかわらず、テストからわずか300時間後の機体検査で、3機中2機の基本骨格にクラックが入っていたのだ。現在の生産ラインの変更を最小限に止めたい傭兵軍にとって、それは深刻な問題であった。さらに、投薬問題を解消し完璧な間接視認システムも完成したが、従来の骨格にこれ以上追加装備を搭載するのは不可能であった。
 2884年11月3日、テストの結果報告を受けた傭兵軍総司令部は兵器開発局に対し、「次期主力装甲戦闘服の基本骨格からの設計変更」を命令した。しかしこの時点で、開発局は命令を待たずに作業を進め、すでに新設計の試作骨格がほぼ組み上がっていた。同年12月14日、S.A.F.S.先行試作機4機をわずか2ケ月で組み上げ、戦線へ送りだしている。

(HOBBY JAPAN 84/3月号『THE A.F.S.』より一部抜粋、引用)
(設定協力:関口岩魚氏)

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