彷徨inマカオ
フェリー乗り場を出るとさっそくの客引きの登場。名所を回ってやると言う。
私は香港では香港人になりすましていたので、この旅最初で最後の客引きとの出会いだった。
輪タクのおじさんを振り払って、私はまずヤオハンに向った。経営不振と聞いていたが、
マカオのフェリー乗り場の前にはニュー八百伴というデパートがあった。目的は最上階の大衆食堂。
まだ11時とあって、客はいない。かたやきそばを食べながら、
フェリーターミナルの旅行社でただで貰った市街地図を見て目的地を探した。目的地は一つ。
聖ポール天主堂跡。あとは適当に島を歩こう。
ヤオハンを出てしばらく歩くと、「金城娯楽場」というビルに出くわした。カジノだ。
私はカジノで遊ぶ気はなかったが、
どこかのカジノで道を曲がらなければいけなかったことを思い出し、地図を探した。
いや、探すまでも無い。私は地図をリュックにはしまわなかったのだ。
手に持ったままヤオハンのトイレに入り、持たずに出てきたってことだ。
ピンチ!地図がない。
だけど私は引き返す気にはなれなかった。
行って帰っても10分とかからないだろうが、
トイレに地図が無かったら全く無意味だ。
「地図なんて無しでもいいや。」そう思ってしまった。
とにかく暑い。
それに、半径500mほどの小さな島を歩くのに地図は不要だと思えた。
だいたいの地理はかたやきそばを食べながら頭に入れてしまった。
頭の中の地図をたよりに歩き初めたが、暑さのせいで疲労度が強く、
距離感がつかめない。
警察署の前のバス停で媽閣行きのバスを見つけて乗り込んだ。
私の記憶が確かならば、そこがこの島の南端である。案の定、終点までは大した距離では無かった。
バスを降りてからは来た道を歩いて戻る。道沿いにある風景はどう見たってアジアの風景。
ポルトガルの匂いは感じられない。もっとも、ポルトガルがどんな所かも知らないのだが。
海沿いの道を歩いていると、漁民子弟学校という建て物が目に入った。
ここは漁師街なのだ。
適当に歩きながら、英語と漢字の筆談で地元の人に道を尋ねた。
一番あてになったのは中学生らしき制服姿の女の子だった。
彼女のおかげで聖ポール天主堂跡にたどり着くことができた。
最初から学生に狙いはつけていたのだが、近づくとにげてしまうので、
しかたなく店のおじさんに聞いたりしていたのだがどうにもあやしく、
バス停に一人でいた女の子に英語で話しかけたら、英語で親切に教えてくれた。
マカオの街を歩いていて気が付いたが、マカオの物価は香港に比べて異常に安い。
ホテルの宿泊費も半分だし、足つぼマッサージも半額。
帰りのフェリーでは電子ジャーを持ち帰るおばさんの姿を見た。
多分電気製品もかなり安いのだろう。
フェリー乗り場のそばにマカオグランプリ博物館とワイン博物館がある。
レースに興味のない私には猫に小判だが、本物のレースカーが展示されていたし、
試飲のワインも美味しい。
守衛さんは一見こわそうだったけど、
話し掛けてみると風貌に似合わない可愛い笑顔を見せてくれた。
聖ポール天主堂跡
旅のIndex