宿り





突然の夕立ち

あわてて木陰に

身を隠す午後



衣の雫を払いながら

顔を見合わせ

2人微笑む



遠い雷を聞きながら

先刻までの 青い空を懐かしんだり

こんなのも悪くないなと

楽しんでみたり



ふいに途切れた会話

包み込むような 雨音の響き

微かに漂ってくる香

心臓の音まで聞こえそうな距離を 唐突に意識する




雨よ

このまま降り続け

と き   
時間よ

2人を切り取り 止まってしまえ

------。




虹を見つけて喜ぶ声に

ふと我に返る



空は青から茜色への

グラデーション

急速に色を取り戻す世界に

時間が流れ出したのを知る



前触れなく うなじを叩く

木の葉の雫

昨日までとはどこか違う

夏の夕暮れ










こちらは勝真サイドから書いた詩ですが、
同じ状況を花梨サイドからの
ショートストーリーにしてみました。

SS「雨宿り」
季節の設定は、夕立ちといえば夏!という理由で
こうなってしまいました。
突っ込まないで下さいね〜。