ドラケンのダイオラマの制作

 このサイトは「どらけんの洞穴」であり、私のHNはどらけんである。そのHNの由来となったのはSAAB J-35ドラケンであるのだが、無性にドラケンを作りたくなってしまったのである。
 SAAB J-35ドラケンといえばその独特の形状が有名であるが、その最大の特徴であるダブルデルタ翼は、胴体と主翼を一体化して空力を向上させるブレンデッドウイングボディの始祖ともいえ、形状としてはスペースシャトルの祖とも言える。
 そして、スウェーデンでは通常は山をくりぬいたシェルターなどに機体格納しておいて、有事には高速道を滑走路にするという独特の運用が行われている為、整備性についてよく考えられており、主翼のうちボルト数本を外せば胴体と一体化した内翼と外翼を容易に外す事が出来る。この外翼を外した時の幅は4.4mとなり、トレーラーなどでの陸上輸送を容易にしているなど、。割り切った運用方法によりスウェーデンの生み出した名機として知られている。
 ちなみに、日本ではエリア88に出てくるのでアメリカ製戦闘機以外では比較的有名な機体とも言える。
そして、2008年は1/48スケールでのドラケン発売となったわけであるが、待ち望んで購入したものの1/48スケールの戦闘機は少々置き場所に困るという事。そして、作るのなら一寸違った作り方をしてみたいと思い、1/48を購入したのにあえて1/72を買って改造してみようと考え始めたのである。
改造と言っても、大仰な改造をするわけではなく、上に書いたような主翼を取り外した状態のダイオラマに挑戦するといった程度のもの。それでも、これまではデカールや塗装を自分でアレンジしていた程度なので、何処まで出来るか…

キットを探す

 現在の所発売されたドラケンは、ハセガワの1/72・1/48スケール、エアフィックス・レベルの1/72スケール、そしてタミヤの1/100スケール辺りになる。しかし、ハセガワの1/72キットは絶版であり入手はし辛い状況にあった。
 それでも、今はネットで通販をやっている模型店はいくらでもあるが、それでも1/72・ドラケンで検索してもなかなか見つからない。恐らくは人気がある機体だけに大きな所には残っていないということなんだろうけど。他にネットオークション等もあるが、こっちに手を出すのは一寸怖いものもある。
 で、某巨大掲示板の模型関係のところで情報を集めてみたのだが、近所で置いている店あるという情報があったので即購入する事に。
 ただ、問題は本命のスウェーデン仕様でなくオーストリア仕様ということ。
 今回は、スウェーデン空軍での野戦基地での分解というコンセプトなので、残念ながらオーストリア空軍使用では野戦基地のダイオラマはし辛いものがある。とはいえ、ドラケンのキットは1つ手に入れられたのだから、気長に探せればスウェーデン仕様も見つかるだろうと前向きにに考えて制作を開始する。

制作

 仕様が決まったのなら資料集めの開始である。
 まず、「世界の傑作機」で分解中などの画像はないかを見てみるが、なかなかいいものが見つからないので、ネットでJ35・分解といった単語で画像検索をかけることに。それで簡単に見つかるのだから良い時代になったものだと。
 で、手を加える箇所は、主翼の切り離しと補助翼を下げた状態にするという事。
 まず、主翼については内翼と外翼は別パーツなので問題ないが、外翼の差込用のダボは余分なので切り落としてしまい、内翼にはパテを詰め込んで平滑にする。ただ、実機ではこの箇所に構造が見えているのでどうにかしたいとは思うものの、ここを彫って再現するのは難しいのでデカールを自作する。
 そして、一番難しいのか補助翼。内翼はそのままエッチングソーで切り落とせばすぐなのだが、外翼は直線で切り落とせばよいというわけではないので、エッチングソーとけがき用ノコの併用でチマチマと分離するしかない。
 そして、切り落とした後にペーパーで切断面を整え、左右補助翼の角度をあわせで瞬間接着剤で固定。パテで余計な隙間を埋めていく。
 ここまでいけば制作の面倒な所は通過したのだが、この段階で未だにキットが見つからないので、とにかく可能なところを組み上げ、分離した事で見えるようになった機体構造部分をデカールで作ることにする。
 そして3ヶ月が経過した事になってやっとスウェーデン仕様が見つかったので、塗装と仕上げを開始する。
 塗装及びデカールについては問題なく進み、追加のエッチングパーツも問題なく取り付けを完了。そして、機体に取り付ける最後のパーツの制作となる。
地上にある機体は、エンジンのインテークとノズルにカバーがかけられているのだが、分解中ならこういったものも必要であろうと考える。ちなみに、1/48ならこういったパーツもあるのだが、1/72ではそうはいかないので自作する事に。
 とりあえす、塗装前にかたどりしていたインテークとノズル部分の形状を確認し、0.2mm厚のプラ板を型に合わせて削っていく。それなりの厚さが最終的に必要となるので、プラ板を数枚重ねてやると左右同時に出来るので楽である。
 そして、削りだしたものを重ねてここにマスキングテープを巻きつける。マスキングテープもカバーの一部として使うのだが、弱いながらも粘着力があり塗装面を侵さないので丁度良い。
 で、これにサーフェイサーを吹いて少々くすませた黄色を塗って完成。インテークとノズルに取り付ける。
仕上げ

 機体は完成したので、あとは仕上げ・飾りとなる。
 ダイオラマにするにはwaveのTケース、1/72にはMサイズが丁度良い。
 これに、プラ板と鉄道模型用のシーナリー用具を使って野戦駐機場を作成。それに加えてハセガワの1/72アメリカ武装搭載作業セットからリフト・ドリー・作業員を流用して、主翼の取り外し風景を再現した

 殆ど想像の風景というか妄想みたいなものだけど、考えていたものが出来たので満足している。
 しかし、このキットを完成させるまでに、買い足していったドラケンのキットが大小合わせて10個。仕様変更でオーストリア仕様のキットも一つ浮いてしまったし、一寸これで違う遊びをしてみようかな。とか。



いろいろと遊ぶへ戻る