積みプラを消す

 相方古い模型を引き取った。というか押し付けられた。
 だって、大半の模型が半端に組んでいて放置されているんだもの。
 とはいえ、貧乏性が災いしてしまいつい貰える物は貰ってしまうのだけど、いい加減溜まっていくキットをどうにかしないといけないので組んでしまう事に。
 キットはハセガワの1/72シーハリアー。箱のデザインや退色の仕方を考えればどう考えても20近く以上前に購入されたと見られるキットで、見事なまでの放置プレイ。
 まずは、パーツの欠品などが無い事を確認するが、困った事に半端なところばかり組んでいるしパーツの合いも物凄く悪い。更には接着面が変色しているのである。
 ここまで駄目になっているのなら。手をかけるより最近のキットを探した方が金も手間もかからないんだけど、そのまま放置するのも勿体無い話なので逆の考え方をする。
 モールドやデティールが駄目ならば全部消せばいいと。つまり、博物館とかでみやげ物として売っているソリッドモデルみたいにしてしまえばモールドなんか全部消えてしまっても問題ないのだ。そう考えれば気分も楽だし好き勝手出来るので、ソリッドモデル風プラモデルとして組む事にする。
組み立て
 普通のキットならコクピットをちゃんと仕上げないといけないが、これは「ソリッドモデル風」なのでコクピットの中からキャノピーパーツまで全てパテで埋めて内部強度を確保する。ついでに、既に組まれているけど不必要なところはどんどん外してはサンドペーパーで削っていく。これにより必要最低限のデティールは残すものの、基本的にはツルペタな仕上がりになるはず。で乾いたところでパテとサーフェイサーにより隙間という隙間をどんどん消していくのである。
盛っては削り、ラインを確認して滑らかにならないところには、もう一度サーフェイサーを吹き付けるなりパテで埋めるなりして削りカスだけが増えていく。とにかく余計なモノは削り落としていかないと。
 気がつくとサーフェイサー層・パテ盛り層・地肌が年輪のようになり、削ったラインも微妙に左右対称になってないようにも見えるけど、「これぞまさしく手作りの味」とか言って自分を誤魔化していく。そうでもなければここまでやってしまったキットを完成させる事は不可能である。
 しかし、この段階でサーフェイサーを2缶使い切っているのである。すでにキット価格を超えているって。
塗装
 はっきり言って、シーハリアーの塗装はシンプルそのものである。基本的に上下分割のツートンカラーなので、下塗りとして機体下面のホワイトをベースとして全面をエアブラシで塗装。今回の製作はどちらかといえばリアリティより見栄え重視なのでMrカラーのクールホワイトを使用。この塗料は食いつきが良いので下塗り用には最適なのである。そして、下半分のホワイトが汚れないようにしたところでキャノピー周辺をライトブルーで塗装、ここに、塗装前のキャノピーパーツから型取りしておいたベースを使いキャノピー部分のマスキングテープを行う。
 あとは、上面をダークシーグレーで塗ればOK.。ここで、エンジン周りなどの細かいパーツを取り付けて、軽く磨いた後一度クリアーを吹き付ける。

仕上げ。
 基本的にはシンプルな仕上げにするために最低限のマーキングをデカールで行えばいいものの、全てのモールドが消えてしまっているので、主翼の補助翼及び垂直尾翼の方向舵のモールド代わりに、PCでラインを描いてデカールにしてしまう。
 しかし、問題は本来キットについていたデカールは古さのために変色しており強度も落ちているので使い物にならない
 結局、付属及び自作のデカールのうち英国軍の蛇の目などの最低限のものを使用し、再度トップコートを何層にも吹きつけ、クロスで磨き上げることにより博物館のみやげ物っぽいツヤツヤのデスクトップモデルみたいになるのだ。
 最後に、適当なスタンドに機体を固定して完成。
 ほぼ予定通りの製作となったものの、予想以上に資材をつぎ込んだのでそちらが増えてしまい、積みプラを消費するという目的とは少々外れてしまったような気がする。
 でも、楽しかったからまあいいかなと。


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