GPS-CS1Kで遊ぶ

PS3やブルーレイディスク、バッテリーの発火など最近とみに評判の悪いSONYであるが、たまに面白そうなものを出す。
今回手にしたのは、サイバーショット用のオプションとして発売された「GPS-CS1K」。GPSの名前通りカーナビ同様にGPSの位置データを記録できるアイテムである。といっても、カメラに接続して使うわけでなく、この機体で記録したデータをPC上で結合。地図上に表示できるデジカメについてもとにかくメモリースティックに拘ったりして悪い意味で我が道を行こうとしているのだが、GPS-CS1Kサイバーショットのオプションではあるもののデジカメ画像のExifデータとして編集するものなので、Exif2.1以上のフォーマットならメーカーは問わない。
そんな訳で、カメラはニコン、カメラつきの携帯はシャープを使っている私にも何の問題なく使えるのだ。
私は、長距離移動時などには車の後部座席に三脚で固定したカメラを搭載し、インターバルタイマーを使用しての旅の記録を取る事にしている。また、先日もネタとして国道一号線を東京日本橋より大阪梅田新道までを走破したが、この時の記録は疲れのために半端なものとなっており、夜間ではどのタイミングでポイントを通過したなどかが判らずにいた。しかし、GPSにより記録が可能となれば、このようなたびの大きな味方となる。そんな訳で、なるべく避けたいと思っていたSONY製品ではあるが購入する事を決定した。

GPS-CS1Kの車へのセット。
電波受信の関係上窓に近いところが望ましいので、ダッシュボード上のモニターにカラビナで取り付けている。
ちなみに、私の車はセラであるが、天井までガラス張りとなっているセラはGPS-CS1Kを使用するのに適しているとも言える

使い方は非常に簡単。GPS-CS1Kには単三乾電池1つで駆動し、ボタンも電源ボタン1つしかない。本体側は電源さえ入れてしまえばあとはやる事は無い。というのも、これはただGPSデータを受信し記録するだけなのである。
電源を投入すると、この時点でGPSの受信ランプは短い点滅1回のあとに1秒間隔の点滅が行われ、これは測位準備の状態。この状態でアンテナ部分を上に向けて1分ほど待つと、常時2秒間隔の点滅となり測位が開始される。ただし、屋内や高架下、ビルの谷間などでは電波が遮断されるために現在位置確認の為に測位準備の状態となる。しかしながら、受信できないからといって電源を切るよりはそのままにしておいた方が開けた場所に出たときの受信までの速度は速いように思える。
なお、GPS-CS1Kの保持方法であるが、鞄などとの持ち歩きを考慮しているためにカラビナが用意されており、これを使用して鞄に取り付けておくと良い。ベルトへの取り付けについては、本体が結構大きいのでベルト装着では邪魔になる。
受信開始後は、15秒に1回自動で現在位置を受信してくれる。カメラは時計を間違いなく調整しておけば、撮影画のJPEG画像とあとから照合してExifデータの時間から撮影位置を確定する。

撮影後、GPS-CS1KをPCと接続し同梱のソフト「GPS ImageTracker」を起動、ログファイルを取り込むと共に、撮影したデジカメ画像を追加する事で画像のExifデータにGPS情報が追加される。次の画像は取り込んだ状態のもの。撮影時間とGPS記録時間の最も近いものからの照合したものなので、移動中には誤差が生じるが、位置だけでなく高度や移動速度なども記録されている。

位置情報の埋め込み後画像を保存するが、この時オリジナルデータに上書きするかそのまま新規にファイルを作成するかが選べる。

画像への位置データの埋め込み後、「GPS ImageTracker」と共に同梱されている「Super Mapple Digital Ver7」を起動し、「ファイル」の「インポートより」デジカメ画像を選択、位置データを埋め込んだ画像を開くと地図上に画像が表示される。なお、この時に縮尺を小さくしていた場合、フォルダにまとめて表示されるものの、地図を拡大する事で画像ごとの詳細な表示が可能となる。
また、確認してみると、時系列に沿っての位置推測も可能であり、受信不可能なトンネル内においてはその前後の時間よりGPS ImageTracker側で位置を推測して表示してくれる。ただし、トンネルでは入る前と出た後の位置からの直線で求めたものなので、表示に誤差が生じている。


デジカメは、最近のメディアの大容量化により残りを気にせずに取る事が可能となっているものの、写真の整理が大変になるという問題も発生している。しかし、これを使用すれば何時何処で撮った写真であるかと言うのが画像から判るので便利といえる。
そして、GPS-CS1Kにはまた違った楽しみ方もできる。

logファイルとして保存されている記録は、NMEAファイルに変換してカシミール3D等で編集する事により、txtデータとして地図で読み込む事が可能となる。これは、15秒毎の記録の全てであるために、詳細な移動情報が確認できるようになる。
上の画像は、宝塚より六甲山を経由して三宮へ。更にそこから新神戸トンネルより阪神高速北神戸線を使用して西宮山口東ICまでの移動記録をSuper Mapple Digital Ver7で表示したもの。
あえて六甲山のような山間部で急カーブの多い誤差の発生しやすい箇所を走ってみたが、拡大すると誤差が結構出ているものの、全体としては何時どの辺りを走ったかというのがよくわかる。また、上にも書いたが新神戸トンネル等のトンネルでは測位が不可能であるために直線となっているのは仕方が無い。しかしながら、数キロの長いトンネルを通過しているために6分間の測位不能時間があったはずなのにトンネルを出て僅かな時間で測位が再開されているというのは予想以上に反応が良い

まだ使い始めたばかりではあるが、町の中を歩いて使うというよりも、ドライブやサイクリング、またはトレッキングなど屋外をメインにするのならその使用方法はその人それぞれにある。
記録を取るということを楽むのにはお勧めのアイテムだ
SONY製品サイト http://www.sony.jp/products/Consumer/Peripheral/GPS/GPS-CS1K/index.html

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