なな養護学校へ

8月になって いよいよ足元が危うくなってきました。
階段の上り下りも危険を伴う・・・とは言え、上りたい。色々なことをしたいという欲求を満たすためには、階段は家庭の中では不可欠です。
私たちは遂に手すりをつけることにしました。
狭い階段でも、ないよりはあったほうが良いと言う結論でした。

そうしている間にも、食事の最中に舌を咬んでしまう。ラーメンを作るのに、卵が入れられなくなる・・・・。お箸で食べれたものが食べにくくなる。さほど硬くないものでさえ、「硬い」と食べきれず、切り刻まなければならなくなってきました。

薬も二種類の薬になりました。アーテンとランドセン。
どちらも大切な薬です。
二種類になったことで、ななの薬を用意する仕事が増えました。
ところが、同じような薬のため、うまく毎日の籠の中に入れられません。
同じ物を二つ入れたり、入れられなかったり・・・
自分でもどうすることも出来ないのに、「やりたい気持ち」は強く残っています。

早々に薬袋に線を入れ、色分けをすることにしました。
線の入っているのは「朝と夕」
籠にも線を入れます。
籠の線と薬の線とが合えば、うまく薬を入れることが出来た!と言う具合です。

まずは一安心・・・といったところでしょうか・・・


8月ももうすぐ終わります。
今年は、冷夏だったために随分と過ごしやすかったです。
けれども、娘の様子は少しも良くはありません。
安全面と体調を考え、養護学校へ行くことになりました。
新たな出会いが始まります。

なな

8月も終わり
明日は、中学校のお別れ会です。
2日から、養護学校に行きます。

体の変化が急激に起こって3年ぐらいでしょうか。
走っていた体も、歩くのさえしんどそうです。
小さな字を書いていたノートも、殴り書きでさえ まともに書けなくなりました。
歌が大好きで、大きな声で歌っていた歌も、なんて言っているのか わからなくなりつつあります。

今していたことも忘れてしまう様子を見ていると、いつか私を忘れてしまうのかも知れないという恐怖を感じることがあります。
そんな先のこと、考えたって なるか ならないかわからないのだから・・・と自分に言い聞かせています。

自分の幸せってななと共にあることもあるけれど、自分だけの楽しみも持とうと、今は努力もしています。
おんぶされない、おんぶしない。独立した自分であることが、彼女を人間として、自立させられる気がしているかもしれません。

人間ってどんなものなんでしょう。
生きているだけでは、人間と呼べない。自分自身が、頑張って生きていくことが、人間の原点なのかんな・・・と この頃は思います。