北海道ツーリング(道北・道東編)

7月2日(火)
美深の道の駅にて  翌日、上陸3日目。朝寒くて目が覚める。ゴソゴソと寝袋とか片付けながら、こういうとこに泊まると朝飯がないことに気付いた。うがー、腹減ったな。町の方へ歩いてってあちこち探し回り、コンビニみたいなところ見つけたので菓子パン買って頬張る。普段は少食なくせに旅行行くとメチャメチャ食う私はとってもご不満。やっぱ日本人は米食わんと力出んぞ。
 贅沢言っててもしょうがないので、とりあえず良しとしてライダー村へ戻る。何人かのライダーはもう出発したのか、いなくなってました。では私もそろそろ行くとしますか。仲良くなったみんなに別れを告げ、そのうちの1人のホンダ社員さん(CBR400)と一緒に出発、R275を南下します。天気は曇りだったけど、降ってくるような気配ぢゃありませんね。緑の中を黙々と走り続けます。音威子府でR40に合流し、さらに南下。途中美深の道の駅で休憩して、昨夜の話の続きのようなことをいろいろ話しました。彼はホンダのある研究所の社員だったんだけど、結構口が軽くていろいろ教えてくれました(^o^)
 あまりゆっくりするのもお互い時間の都合があるんで再出発。彼はここから朱鞠内湖方面に向かうそうです。気をつけて。またどっかで遭いましょう!

サロマ湖畔にて  私はそのままR40を走って名寄市に入り、名寄からR239へ抜けて再びオホーツクを目指す。天気もすっかり回復して太陽が顔を出してきました。これは綺麗なオホーツク海が見れそうだぞ。興部の道の駅で一度休憩してからR238へ合流、待望のオホーツク海沿いへ。天気もすっかり快晴。うん、いい気持ちだあ!すっかり上機嫌で一気に走り抜け、あっという間にサロマ湖に着いちゃいました。時間はまだ1時すぎ、これはちょっと早すぎるなあ。
 実は今日、サロマ湖畔の宿に泊まることになってたんです。北海道へ来る前から唯一予約していた宿。そこへ泊まるためだけに急ぎ足で道北から移動してきたんですよ。その宿とは、『船長の家』。あの蟹づくしで有名な民宿です。もう来る前から夢に見るくらい期待しまくりでした。それにしても着くのが早すぎ、ちょっと急ぎすぎたかなあ。時間がもったいないので観光でもしよう。マップ見てたら網走が40km程しか離れてないので、んぢゃちょっくら行ってみるかと発進、30分程で市内に到着。
博物館の入り口にて  着いたとはいうものの、どこを観光しよう?そこまで考えてなかった。とりあえずガイドに沿って見所多そうな天都山へ向かう。山道上りはじめてすぐに博物館網走監獄ってのがあった。おもしろそうだな、ちょっと見てみようか。駐車場にバイクを止め、入口まで歩いてったら券売所があった。なんだ金取るのぉ?いくらぁ?千円?!アホかあ!北海道まで来てそんな大金払えるかあ!(爆)。結局柵越しに何枚か写真だけ撮って、はいここはもう結構です(笑)。高い金払って入場するなんて、地元で遊んでるのと変わんないぢゃん。何の為に北海道に来てると思ってんだよ。観光客馬鹿にしてやがんなあ。
 ブツブツ言いながら山の頂上へ。今度は流氷館ですか。また金がいるのね(笑)。ここも入んないで帰ったら観光ゼロになっちゃうので、しぶしぶ払って入館。中はだいたい想像通りの内容です(笑)。観光客相手の商売しくさってからに。良かったとこといえば屋上の展望台くらい。でもいい景色ってさあ、金払って見るようなモンぢゃないでしょ。げせん!
 網走には大いに失望して、元来た道をサロマへ戻る。私の求めているものは街には無いです。わかりきったことだったんだけど、新ためてよくわかりました。やっぱり作られたモノや用意されたモノぢゃなくて、本当の自然にこそ価値があるもんなー。日本人てのは旅行好きといいながら、結局どこもかしこも同じように観光地化させてしまうもんね。そのうち険しい山にもエレベーターとかエスカレーターとかつけちゃうんぢゃないだろうか。うーん・・・。

ワッカ原生花園にて 綺麗ですね  いろいろ考えてるうちにサロマ湖まで戻ってきました。時間はまだ4時すぎ。まだ早いなあ。時間潰しに近くのワッカ原生花園へ。ネイチャーセンターの駐車場にバイクを止めて、周辺をブラブラ散策します。時期が早すぎるのか満開とはいきませんでしたけど、それなりに花が咲いてました。やっぱりこーゆうのがいいや。
 5時前までのんびりして、いよいよ『船長の家』へ向かいます。1人客なんで男女別相部屋になるらしいけど、んなこたあどうでもいい。それよりも飯!よくよく考えたら今日昼飯食い忘れてた(笑)。もう腹減って死にそうだよぉ。飯の時間はまだぁ?早く食わしちくり〜(笑)。
 とりあえず晩飯の案内があるまで部屋で待機。同部屋の人は札幌から来た人と東京から来た人。どうやら3人のようです。札幌の方はなんか暗そう。苦手だなーこういう人(笑)。東京の人はなんとなく感じがそぐわない。こいつイビキかきそうだな。3者3様様子伺いぎみに会話。相手もライダーさんだったらもっと話しやすいんだけど、バイクに無縁の人とは感覚狂うなあ。

船長の家の晩飯 必殺蟹づくし!  そうこうしてるうちに待望の晩飯の案内放送。やった、待ってました!急いで食堂へ向かいます。入ってみれば、全てのテーブルの上が蟹だらけ!うおお、これが噂の晩飯か!!蟹刺しに蟹ごはん、蟹汁に焼き蟹、毛蟹ボイル一杯、ズワイ半分!他にも小鉢だのグラタンだの全部蟹!す、凄え!!
 よく見ればホタテとかサーモンとかもあったけど、目に入りませんでした(笑)。ううう、昼飯抜いて良かったあ〜(爆)。あまりの量にとても食いきれませんでした。大満足!ゲップー。
 食い終わったら速攻でまず風呂に入る。なんだこの風呂、どうみても2〜3人が限度なくらいちっちゃいぞ。確か50人くらい泊まってるんぢゃないの?増築して部屋数増やしても、風呂は元の民宿のままかよ。なんだかなー。先に風呂入っといてよかった。
 風呂から上がって部屋で休んでたら、2人も帰ってきた。東京の人は入るなりテレビをつけてプロ野球(巨人戦)にチャンネルをまわし、カバンをゴソゴソ。取り出したるは、何と巨人のメガホン!何だコイツ、旅先にまで何持ってきてんだぁ?!挙句にテレビの前でメガホン叩いて1人で騒ぎだした。アホかお前、テメエの家ぢゃねえんだぞ、ココは!(怒)。遠まわしに皮肉言ってやったら、札幌の人が「野球ファンの半数の人が巨人ファンだからね」とボソ。だから何だってんだよ、テメエも(怒)。クッソーこいつら最悪だ。ライダーでないどころか、この宿以外だったら相部屋になるようなトコには絶対泊まらないような素の観光客だ。基本的に旅に出会いを求めてるようなタイプぢゃない。後でブタ野郎の連れの女の子が遊びに来たが、所詮話も盛り上がる訳なし!早々に寝たら、ブタ野郎は予想通りでっけえイビキかき出した。殺したろか、お前!んが〜、眠れない夜がふけていく・・・。本日の走行距離、353.9km。

7月3日(水)
見事カレイをGET!  朝5時半に起床。なぜこんな早く起きたかというと、早朝のオプション釣りツアーに参加するから。それにしても眠い、できれば布団から出たくないよー。ちなみに東京デブも同時間に起き、開口一番「あーよく寝た」。マジで殺す!(爆)
 6時にロビー集合なので、荷物をさっと片付けてロビーへ。集まったのは10数人。オーナーは奥から出てくるなり、「チッ、たったこんだけかいな」。まあいいぢゃないですか。これだけでも集まったんだから。ところがオーナーは港へ向かう途中、ヒマがある度にこの言葉を繰り返す。あのなあオッサン、こっちも寝起きで機嫌悪いんだからさあ(特に今日は)、せめて形だけでも楽しくいこうや。他のお客さんも不愉快そう。偶然目の会った人は、「何もあんなこと聞こえるように言わなくてもいいのにね」。全くそのとおりです。ほんと失礼しちゃうわ!(笑)。
 オーナーの操縦する漁船に乗って、サロマ湖に出航。天気は今一歩だけど、早朝の空気が気持ちいい。船は一度オホーツクに出た後、サロマ湖中央あたりに戻って早速釣りタイム開始。竿も何もなく、直接糸を湖へ垂らす。こんなんで釣れるんかいな。湖を覗き込むと、水が綺麗で透通っているため、湖底がよく見える。だいたい水深3〜5mってとこか。あ、あそこにカレイがいるぞ。見える魚は釣れないんぢゃなかったっけ。試しに目の前にエサ置いてみたら、パクッ!ゲゲ、食いつきやがったぞ。そのまま糸をたぐりよせて、アララほんとに釣れちゃったよ。ちなみに私が収穫第一号。どんなもんだいッ!と思ったら、それから関を切ったようにみんな釣れだした。カレイに混じってカジカという魚(ていうかこっちの方が多い)も釣れる。わずか30分足らずで、ワーイ大漁!
 釣りが終わったら今度は浜辺でメノウ石探し。何でもサロマ湖には赤いメノウがあるらしい。みんな必死になって探す。私は赤いのはよう見つけんかったけど、3個ほどGETできた。やったー、タダでお土産確保!宿に戻って遅い朝食。さっき釣ったカレイとカジカが味噌汁になって登場。いやー、美味いッス!おっさんにはムカついたけど、これは参加してよかったです。

網走刑務所  さて、そろそろ出発しましょうかね。宿の前のカニ市場で蟹買ってクール宅急便の手続きした後、本日の目的地知床へ向かって出発。
 まず昨日通った同じ道を網走まで走り、昨日見損ねた本物の網走刑務所を見学。なんか本物の刑務所とは思えないほど垢抜けた雰囲気。観光地化するということは怖いことですねえ。適当にパチパチ写真撮ってたら、観光バスから降りてきたおっさんが一言、「なんや、中入られへんの?」。当たり前やろ!(爆)。そんなに入りたきゃ嫁さんの首でも絞めて殺してみたら(笑)。全く何考えてんだか。
 ひとしきり写真撮り終わると、今度はR244走って斜里まで。途中まで気持ちいい海岸線、そして小清水からは道東特有の定規で線引いたような直線道。去年飽きるほど走ったはずなんだけど、新ためていいもんだなあ、と思わずパチリ。こういう道を走ると、これぞ北海道だと実感しますね。知床まで続く真っ直ぐな道。イヤー、いい感じぢゃないですか!

ROAD TO 知床   ウトロ港にて
 斜里から国道がR334に変わり、途中オシンコシンの滝で休憩をとりつつ、ウトロ港へ。目的は知床観光船に乗ること。去年知床を訪れた時、知床岬に行ってみたいと感じたので、その宿題を片付けにやってきたんです。ところが到着してみたら、岬までは1日1便で既に出航した後。しかも時間は約4時間もかかるらしく、明日乗るにしても1日潰れる。これでは予定してた計画が大幅に狂ってしまう。計画では今日この宿題を片付けたら、約束を果たしにえりも岬までシンザンに会いに行くことにしてました。
 とりあえず昼飯食いながら、どうするべきが思案。帰りのフェリーのことを考えると、明日観光船に乗ったらえりも岬へは無理だ。でもここまで来たのは観光船に乗るためだし・・・う〜ん、困ったなあ。悩みに悩んだ末、シンザンには来年会いに行くことにし、今日1日近辺で時間を潰して、明日観光船に乗ることに決めました。実はこの決定は後で悔やんでも悔やみきれない決断だったと知るんですが・・・。
(注)北海道から帰って約2週間後、シンザンは天命を全うし、天国へ逝く。私は2度とシンザンと再会できないと知った時、自分の優柔不断さを恥じ、そして自らに激怒した。今でも一生の失敗と後悔している。

 そうと決まればどこへ行こうか。そうだ、もう一つの宿題、摩周湖を観に行こう。去年は凄い霧で何も見えなかったんだよねー。どうせ行くならまだ行ったことのない裏摩周へ行こう、ということで、R334を引き返して斜里まで戻り、斜里から道道(中標津斜里線)を通って裏摩周を目指す。今日はいい天気だし、今年こそは期待できるかも。気持ちいい深緑の中のワインディングを抜け、いざ摩周湖へ。駐車場についてもまだ快晴だ。ヤッターと前の階段を駆け上がって展望台へ登ると、湖のすり鉢上の中にだけモヤがかかってた(笑)。ククッ、仕方ない、これは引き続き来年以降の宿題だな。

からまつの湯にて  ゆっくりと休憩をとった後、昨日電話で予約しといた標津近くの徒歩宿『モシリバ』へ向かいます。まず道道をそのまま通り抜けて中標津方面へ。この道は路面状態も良く、ワインディングもほどよい感じでお勧め。交通量も少なくて快適ですよ。
 気持ち良く走った後は、カラマツの湯に入って一っ風呂。去年は夜来たから周りがわからなかったけど、なかなかオツなロケーションですね。ここ、気に入っちゃいました。風呂から上がって出発の準備してたら、他のライダーさんに話しかけられてしばらく情報交換。みんないろんなとこ走ってきてますね。参考になります。
 さて、時間もちょうどいい頃となってきました。早く宿へ行こう。中標津からR272を通って標津まで抜け、標津からR335を海岸沿いに北へしばらく走ると到着。とてもかわいいログハウスで、いかにも女の子が好きそうな感じ。国道沿いでわかりやすいです。ここのオーナーは神戸出身で、前から泊まってみたかったんですよ。このログハウスはオーナーの手造りとか。凄いなあ。部屋に荷物置いたら、まず一番風呂。一日の疲れを癒します。待ちに待った夕食は、サケのちゃんちゃん焼き。特製味噌をたっぷりかけて、う〜ん、美味!この味はクセになりそうです(^o^)。

 食事が終わったら泊り客全員の飲み会へ。本日の宿泊者は私を入れて4人。神戸から来たライダーさんと(また地元県人か)、京都から来てる連泊のジェアラーさん、そして東京から来たチャリダーさん。どうやら神戸と京都の人は常連さんのようです。4人で夜遅くまで語り合いながら、旅の情報交換。うーん、楽しいな!
 この時、神戸のライダーさんからネイチャーウオッチングボートの話を聞きました。ウトロの徒歩宿『ボンズホーム』が企画してて、漁船に乗って知床岬まで行くツアーとのこと。船が小さいから知床観光船より岸に近づけ、音も小さいから動物も逃げないそうです。いいという噂は聞いてたけど、そんなにいいのか。何でも今日は熊3頭(うち1組は親子連れ)を観れたそうだ。へえー、こりゃ来年以降の宿題がまた一つ増えたね。この日は日付変更線を越えるまで飲んでしゃべって、バッタンキュー。皆さんお休みなさい。本日の走行距離、304.6km。

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